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2017年10月13日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第六十四回目。

西山繭子さんの人気連載コラム「それでも恋がしたいんだ!」。第六十四回目の今回は、ちゃんぽんとバッティングセンターというデートコースについて、ご自身の経験に基づき独自の視点からの考察をご紹介しています。

 

大人のデートといえば、仕事終わりに食事というのが大抵のパターンであります。

しかし先日、私はこれまでにないパターンのデートをしました。

 

二人で行ったので、一応デートと書いてみましたが、甘い雰囲気などは一切なく、しいて言えば部活動に近かったように思います。なぜなら私たちが向かった先は住宅街にある古いバッティング・センターだったからです。

 

当日、バイクで迎えに来てくれたY君は、家から出てきた私を見て「西山さん、ウケますね。何で家にバットあるんですか?」と爆笑。

「いや、そこ笑うとこじゃないから」私の手には、小学4年生の時に母に買ってもらったミズノのバットが大切に握られていました。グリップには小学生の私の文字で『西山』と記されています。

そんな子ども用のバットを手にしているのに、アラフォーおばさんはヤンキースの帽子をかぶってやる気まんまん。今でも草野球をやっているというY君ももちろんバット持参だったのですが、二人してバットを持ってバイクに乗ってるってもう完全に暴走族ですよね。

この時点でデート指数がガタ落ちです。

 

「先にメシ行きましょう」とまずY君が連れて行ってくれたのは古いちゃんぽん屋。バットを持った男女の入店に一瞬顔を曇らせた店主でしたが、私たちをカウンターの隅に案内してくれました。

「ここ、うまいんですよ」と嬉しそうなY君の横でちゃんぽんをすする私。

確かに美味しい!しかし量が多い!

 

私が半分も食べ終わらぬうちにY君は完食。それを見た私は思わずうっとり。

もちろんY君の食いっぷりにではなく、自分の女子っぽさに。どこまでも自分大好き、西山繭子であります。

その旨をY君に話すと「いや、俺が食べるの早いだけなんで、うっとりしないでください」と全否定。なかなかやるわね。

 

そして完食の結果パンパンに膨れた腹でバッティング・センターに到着。

普通、男女で来た場合ってお互い順番に打ちつつ「や~ん、打てな~い」という甘い時間が流れるんだと思うのですが、私たちは同時に隣同士のブースへ。しかも私は右打ちでY君は左打ち。よってお互いに背を向けて黙々と打つという、まさに部活動の時間に突入したのでありました。

 

「西山さん、ホームラン打ったら俺とつきあって下さい!」とか言われるのかなと少しドキドキしていたのですが、私の背後でY君は「ああ、呼び込みすぎた」とつぶやいたりして完全に練習モード。別れ際、家まで送ってくれたY君は「打席に入ってる西山さんのことをちらっと見た時、構えがどっしりしてて良かったです」と褒めてくれました。

 

ああ、改めて書いてみても思うけど、これ、やっぱりデートじゃなかったんだろうなあ。

 

Written by 西山繭子

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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に 『バンクーバーの朝日』
『色鉛筆専門店』
『しょーとほーぷ』
『ワクちん』
などがある。
オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo

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