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2017年05月17日更新

女医宋美玄「妊娠がわかる前に薬を飲んでしまったら…」

妊娠がわかる前に薬を飲んでしまったら…? 性行為から妊娠、出産に至るまでの“知っているようで知らない”正しい知識を、悩める女性へ向けて産婦人科医であり性科学者である宋 美玄先生が、優しく解説します。
宋-美玄先生の悩める女性の処方箋

セックス・妊娠・出産に関する医学的に正しい情報を学校や日常生活で学ぶ機会は意外と少ないです。性行為から妊娠、出産に至るまでの“知っているようで知らない”正しい知識を、悩める女性へ向けて産婦人科医であり性科学者である宋 美玄(そん みひょん)先生が、優しく解説します。

妊娠がわかる前に薬を飲んでしまったら…

産婦人科医として診察していると、妊娠がわかった後で、「何月何日にこういう薬を飲んでしまったのですが、赤ちゃんは大丈夫でしょうか?」と心配し始める女性によく出会います。

妊娠するようなこと(つまりセックス)を普段しているなら、薬やお酒を飲む時には慎重になるべきです。薬局で薬を買う時や、病院で処方を受ける際には「もしかしら妊娠しているかもしれません」と可能性を告げましょう。

薬を飲んでしまった後で「大丈夫ですか?」と質問されても、こちらは「大丈夫ですよ」と保証してあげることはできません。なぜなら、お酒や薬の影響が全くなくても、赤ちゃんにはおよそ100人に1人くらいの割合で、自然に障がいのある子が発生する可能性があるからです。

そして、ほとんどの種類の薬はその自然発生率を上げるものではありません。もう飲んでしまった薬については悩んでも仕方ないし、あまり悩む必要はないですよ、と言ってあげるようにしています。

薬の影響を受けやすい妊娠4〜12週

もし妊娠するような行為をしているなら、薬を飲む時には十分注意してください。特に妊娠4〜12週は、赤ちゃんが薬の影響を受けやすい「器官形成期」といってさまざまな臓器が作られる時期です。

妊娠4週というのは、月経周期が28日間の人でいうと、ちょうど月経予定日の頃です。ですから、妊娠がわかるか、わからないかという時期が一番危険だといえます。「生理が遅れてるから妊娠かも」と思ってからでは遅いのです。

でも、飲んでしまった後にはくよくよしすぎないでください。たいていの薬については影響はほとんどありません。ただ、完全に安心させてあげられることはできないというだけです。

必要な薬はちゃんと飲む

とにかく薬を飲まなければいいというものではありません。例えば、熱が出た時に解熱剤を飲むのを怖がって、発熱を放っておく妊婦さんを見かけますが、発熱こそ赤ちゃんにとってはもっとよくありません。アセトアミノフェンという妊婦に対して安全性の確認された薬を飲んで熱を下げたほうが赤ちゃんのためにいいのです。必要な薬はちゃんと飲んでください。

妊娠中は避けた方がいい薬

妊娠中は避けた方がいいという薬は限られています。持病で薬を飲んでいる人で妊娠を考えている人は、あらかじめかかりつけの医師に相談してくださいね。

 

■ 妊婦および妊娠の可能性のある場合に控えるべき薬剤

▷ アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

子宮内胎児発育遅延や羊水過少が妊娠中期以降に発生する。また、自頭蓋骨の低形成との関連も指摘されている。

 

▷ ミソプロストール

子宮収縮や子宮頸管熟化作用があり、流産や早産を引き起こす可能性がある。

 

▷ ワーファリン

胎盤通過性があり、胎児奇形(鼻の低形成、椎骨や大腿骨骨端の形成異常)、中枢神経系障害、流産や早産の可能性の増加、出血が報告されている。

 

▷ ビタミンA

奇形(頭蓋骨、顔面、心、中枢神経、甲状腺)のリスクがある。

 

▷ リチウム

心奇形(エプスタイン奇形)の報告がある。

 

▷ NSAID

子宮内での動脈管閉鎖の可能性、羊水過少経口血糖降下薬児の低血糖の可能性がある。

10日間ルールというものがあります

これでは、子作りをしている間は常にお酒や薬もおちおち飲めない妊娠ことになってしまいますね。月経周期の初めの10日間、つまり月経が始まった日から10日の間は、原則として妊娠している可能性が極めて低いといえる安心な時期です。医学でも、この時期は子宮の奥の細胞の検査や卵管が通じているかどうかを調べる検査を安心して行える時期とされています。私たちはこれを「10日間ルール」と呼んでいます。

ただ、厳密には生理のような出血が本当は生理でないこともあるので、絶対とはいえません。女性の体は神秘的なのです。

子供がほしくてもほしくなくても

子供がほしい人もそうでない人も、セックスのある生活は妊娠と切っても切れない関係にあることがおわかりになっていただけたでしょうか?いつも頭の片隅に、新しい生命のことを置いておくようにしてあげてくださいね。

 

参考文献:宋 美玄「学校では教えてくれないセックス・妊娠・出産の話 女医が教える 後悔しないために知っておきたい11の事

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この記事を書いたライター
産婦人科女医・性科学者。 1976年、兵庫県神戸市生まれ。2007年、川崎医科大学産婦人科講師に就任。2010年、イギリス・ロンドン大学病院に留学し胎児超音波を学ぶ。2010年から国内の病院にて産婦人科医として従事。2012年1月に第1子を出産 主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)、「女医が教える これでいいのだ! 妊娠・出産」(ポプラ社)、「女のカラダ、悩みの9割は眉唾」(講談社プラスアルファ新書) など。 産婦人科はもちろんセックスに関する診療カウンセリングを行う。 セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行なっている。■宋 美玄HP http://www.puerta-ds.com/son/
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