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2017年06月14日更新

女医宋美玄「流産したって話、あんまり聞かないけど…」

セックス・妊娠・出産に関する医学的に正しい情報を学校や日常生活で学ぶ機会は意外と少ないです。性行為から妊娠、出産に至るまでの“知っているようで知らない”正しい知識を、悩める女性へ向けて産婦人科医であり性科学者である宋 美玄(そん みひょん)先生が、優しく解説します。今回は、流産についてです。
宋-美玄先生の悩める女性の処方箋

セックス・妊娠・出産に関する医学的に正しい情報を学校や日常生活で学ぶ機会は意外と少ないです。性行為から妊娠、出産に至るまでの“知っているようで知らない”正しい知識を、悩める女性へ向けて産婦人科医であり性科学者である宋 美玄(そん みひょん)先生が、優しく解説します。

流産したって話、あんまり聞かなけど…

月経が遅れて、妊娠反応の尿検査をしたら陽性、つまり妊娠していた…。

赤ちゃんが欲しかったあなたはとても喜ぶことでしょう。そして妊娠検査薬の「+」の部分を撮ってご主人にメールしちゃったり、きっとはしゃいでしまっていることでしょう。

でも、この時点では、正常妊娠ではなく、胞状奇胎という病気(赤ちゃんではなくブドウの粒のようなものが子宮の中にたくさんできます)や、子宮外妊娠などの病気の可能性を否定はできません。産婦人科を受診して、子宮の中にちゃんと赤ちゃんのふくろを超音波で確認してもらって、初めて正常妊娠と診断されます。つまり、「おめでた」です。

待望の赤ちゃんがお腹に宿った!喜びのあまり自分や旦那さんの両親、友達、職場の仲間など、周りの人に話したくなることでしょう。

でも、それはまだ早すぎます。意外に知られていないのですが、妊娠初期(3ヶ月まで)の流産率は15%以上もあります。結構高いのです。昔に比べると妊娠が非常に早く診断できるようになったため、昔なら「生理が遅れて、きたと思ったら、ちょっと量が多かった」とみなされていたものの中に、実は流産が多く含まれていたことがわかってきたのです。

妊娠反応は陽性となったけど、赤ちゃんのふくろが確認される前に流れてしまう「化学流産」なども含めると、受精したものの継続しなかった妊娠はもっと多いと思われます。

 

妊娠20人のうち流産してしまうのは何人?

流産率15%、つまり、妊娠がわかって喜んだ20人のうち3人以上が流産の悲しみを味わっているのです。だから、妊娠しただけではまだ手放しで喜ばないでください。

妊娠4ヶ月(12週)に入れば、流産する確率はかなり少なくなります。最低でもそこまで待ってから周りの人たちにいいましょう。そうでないと、もしも15%に入って流産してしまった場合、流産に終わってしまったという悲しい事実までその人たちに告げなければなりません。それはとても辛いことですが。

そして、流産の事実を伝えられた相手も、なんと慰めていいか言葉を見るけるのに苦労しなくてはならないでしょう。それだけではありません。もしかしたら中にはあなたを責める人がいるかもしれないのです。

「せっかく赤ちゃんを授かったのに、仕事を続けて無理をしたから流産してしまったのだ」とか「流産するなんて病気持ちの体なんじゃないか」など、ただでさえ悲しいのにお姑さんなどに心ない責め方をされてひどく苦しんでいる女性を何人も見てきました。

妊娠初期に話していいかどうかは相手次第

もちろん、確固たる信頼関係が築けていて、互いに気を使わず何でもわかってくれる相手になら妊娠を報告しても構わないですよ。例えば私の産婦人科の同期の女医さんが、妊娠した時はこうでした。同期の産婦人科医で食事に行った時のこと。初めにビールをみんなのグラスに注ぐのですが、その女医さんが「今日はやめとくわ。月経がちょっと遅れているから、もしかしたらと思って」といいました。すると全員大喜びで「おお、おめでとう!」と乾杯しました。

知識も信頼関係もある仲間同士だと、たとえそれが妊娠ではなかったり、初期で流産してしまったとしても「ああ、そういうこともあるよね。次はまたがんばってね」と、ほとんど言葉なしでわかりあえるので、安心して気軽に報告ができます。妊娠初期に話していいかどうかは相手次第ということです。

 

参考文献:宋 美玄「学校では教えてくれないセックス・妊娠・出産の話 女医が教える 後悔しないために知っておきたい11の事

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この記事を書いたライター

産婦人科女医・性科学者。
1976年、兵庫県神戸市生まれ。2007年、川崎医科大学産婦人科講師に就任。2010年、イギリス・ロンドン大学病院に留学し胎児超音波を学ぶ。2010年から国内の病院にて産婦人科医として従事。2012年1月に第1子を出産
主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)、「女医が教える これでいいのだ! 妊娠・出産」(ポプラ社)、「女のカラダ、悩みの9割は眉唾」(講談社プラスアルファ新書) など。

産婦人科はもちろんセックスに関する診療カウンセリングを行う。
セックスや女性の性、妊娠などについて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行なっている。■宋 美玄HP http://www.puerta-ds.com/son/

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