朝のお弁当が作られていなかった。それだけのことで「がっかりした」と言われたとしたら、あなたはどう感じますか?
共働きや多忙な生活の中で、家事や気遣いを“自然とこなしている側”は、その大変さを言葉にする間もなく、無意識に「やって当然」の立場に追い込まれてしまうことがあります。一方で、受け取る側はそれを「いつも通り」と思い込んでしまいがち。
この小さなズレが積み重なると「なんで私ばっかり」という感情が芽生えてしまうのです。
今回は、ある妻の体験談から、夫が家事に無自覚な依存をしていたケースを取り上げながら、一方的な負担に気づいたとき、どのように向き合えばいいのかを考えていきます。
急いで作った日のお弁当
共働きのわが家では、毎朝私がお弁当を作っています。
私自身は職場で支給されるのでお弁当は必要ないのですが、夫の職場ではお昼、お弁当が必要でした。
前日のうちに下準備をしておくことも多いのですが、その日は前夜の残業と家事で疲れ果てて、朝の目覚ましにも気づかず寝坊してしまいました。
慌ててキッチンに立ったものの、時間が足りず、急いで冷凍庫にあった市販のフライを詰めて間に合わせました。
正直、申し訳ない気持ちはありました。
でも、何も持たせられないよりはマシだと思ったんです。
その日の夜、夫からの第一声は「今日の弁当、なに?」でした。
妻の都合を考えずに…
冗談っぽく言うのかと思いきや「頑張って仕事しててあんな弁当なんてがっかりだよ」と真顔。
ため息までつかれ、そんなに文句を言われると思っていなかったので、私は驚いてしまいました。
「ごめんね、寝坊しちゃって」と笑顔を作って謝ったものの、夫は「もっと早く起きるとか、夜に準備するとかできたでしょ」と、当然のように言いました。
確かに私が寝坊したのが原因です。
でも、私だって毎日働いてるし、家のことも全部やっています。
夫は食事が出てくるのを待っているだけで家事にはほとんど関わらないし、それが終わったらあとは寝るだけ。ずいぶんといい身分ですよね。
それに比べて私は、夫がしない家事を仕事から帰るなり全部やって、さらに朝早く起きて夫の弁当を作るんですよ?
こっちだって働いてるのに、とキレそうでしたが、言ってもなにも変わらないと思いその日は黙ってお弁当箱を洗いました。
最後に
パートナーから心ない一言を言われたとき、その言葉をぐっと飲み込み一人で抱え込んでしまうことは、誰にでもあることかもしれません。
しかし、その我慢が積み重なって心の距離が遠くなってしまうこともありますよね。
どちらかが一方的に気を回し続ける関係は、いずれ無理が生じます。
「疲れているのは自分だけかも」「気づいてもらえない」と思ったときは、その感情を我慢せず、適切なかたちで伝えることが大切です。
家事や気遣いが見えない労働にならないように、夫に共有の意識を持ってもらいましょう。
工夫を少しずつ重ねていく方法は、以下のようなものがあります。
- 家事リストを「見える化」して共有する
- 自分の担当範囲を「宣言」せずに一度手放し、相手に気づかせてみる
- 家事分担アプリやスケジュール機能を導入し「平等」をデータで実感させる
- 「○○してくれたら嬉しい」と気持ちを添えた依頼で、義務感ではなく能動性を促す
- 月1回でもいいので“お互いの負担について話す日”を設ける
もし今、あなたがパートナーから心ない言葉を言われて悩んでいるなら、まずは一度立ち止まって、自分の気持ちを整理する時間をとってみましょう。
そして、感情的にならずに冷静に「私はこう感じている」とあなたの素直な気持ちを伝えてみませんか?
その勇気が、もしかしたら二人の関係をより良い方向へと導く鍵になるかもしれません。
自分ひとりで背負い続けるのではなく、少しずつ「見せる」「話す」「頼る」ことで、相手も変わっていけるのかもしれません。
※Grapps編集部が独自に収集した実際の体験談をもとに記事化しています