暖かくなってきて、花粉もそろそろ過ぎ去って、ついにマスクを外してもいい季節がやってきましたね。
「あー、スッキリした」と思ったのもつかの間、「外したくない」という心の声が…。
マスクで油断していたせいか、顔がたるんでいたのです。
そこで、元に戻すにはどうしたらいいのか、アンチエイジング美容界で今、絶大な人気の医学博士、藤本幸弘先生にお伺いしてきました。
肌年齢は「実年齢+紫外線量」
そもそも私の悩みである「たるみ」。これは取れると言いますか、元に戻せるものなのでしょうか?
「そうですね、たるみは年齢を重ねたら誰にでもできるものですが、それでもたるむ時期を遅らせたり、速度を緩やかにすることはできます。肌年齢は、『実年齢+それまでの人生で浴びた紫外線の量』で決まるので、紫外線を避けることがなによりのたるみ予防になりますね」(藤本先生、以下・同)
なるほど…と言っても、今の場合は美白を目指しているのではなくて顔を上げたいだけなので、肌って関係ないといいますか、イメージとしては肌の下にある筋肉に働きかける何かをしたほうがいいと感じているのですが。
「いいえ、たるみに筋肉はあまり関係がありません。誤解している方が多いのですが、肌がたるむのは筋肉が下がったからではなくて、筋肉の外にある皮膚を形作る線維が間延びするのが主な原因です。この写真のように、もとは規則正しく並んでいた皮膚を形作る細胞が伸びて斜めになっているのがたるんでいる状態です」
なるほど。画像で見るとわかりやすいです。
「よく筋トレをして『おなかを割る』などといいますが、おなかの筋肉は元々割れて見える状態で最初からそこにあるんですね。特に、男性は筋肉量が多いので6パック状態は誰もが最初から持っている。上に分厚い脂肪がついているので見えなかっただけで、筋トレをして『脂肪が減る』から見える状態になるのであって、『お腹の筋肉が増える』からではない。筋肉の位置は、そう変わるものではないんです。だから、たるみを改善したいなら、筋肉ではなく皮膚にこそアプローチすべきです」
強い刺激はNG!
なるほど。筋肉に働きかけようとして、強く押したり、引っ張ったりしていました。
「強く押したり、引っ張ったりしたら、皮膚はよりたるんでしまうでしょうね。お肌というのは、表皮と真皮と皮下組織で形作られているのですが、そのうち、真皮の中にあるコラーゲンやエラスチンやヒアルロン酸がお肌のハリを作っています。これらの量が年齢と共に減ってくるのでハリが減り、さらに重力などが加わると斜めに伸びて、たるんだ状態になるんですが、ハリの主成分であるエラスチンはゴムのようなものなのですね。ゴムは何百回も引っ張るとびよーんと伸びて元に戻らなくなりますが、同じように皮膚を何度も強く刺激したり、引っ張ったりするとエラスチンがびよーんと伸びて戻らなくなってしまうのです」
ガーン、まったく知りませんでした…。
先生のクリニックでは、30機種以上の最新美容レーザー機器を組み合わせ、その人が希望する肌状態に導いてくれるとか。
「レーザー治療はこの10年でとても進化していまして、肌を透明化するなど“色”を改善するアプロ―チや、たるみなど“形”を改善するアプローチの治療などが実現できるようになりました。また最新の研究では、レーザーによって細胞内の遺伝子が変化し、文字通り若返りすることもわかってきているんです」
私も最新レーザー機器を少しだけ体験させてもらったのですが、本当にわずかな時間の照射で細胞の一つ一つが活性化して肌が盛り上がったのを実感しました。
とはいえ、できれば日頃のケアでたるみを食い止めたいところ。それには何をすればいいのでしょうか?
「紫外線を予防して、美白ケアをしっかり行いましょう。毎日のケアでは、お肌を強く刺激するのはダメですが、指先で触れるか触れないか程度の繊細なタッチで優しく刺激するのはオススメです」
先生の最新刊『美しい人は枕を3つ持っている
●藤本幸弘先生プロフィール
医師、医学博士、工学博士、薬学博士、MBA、米国レーザー医学会専門医、欧州皮膚科学会認定医。東京四谷の「クリニックF」で院長を務めるだけでなく、国内外での学会に積極的に参加するなど最新医療を常に探求。『聴くだけでスッキリ痛みがとれる!~頭痛や生理痛がみるみる解消~』『痩身を科学する~最新医療機器のすすめ』などの著作のほか、『藤本先生の聴くだけでスッキリ』シリーズではCDも監修。最新刊『美しい人は“枕”を3つ持っている』では、日常から実践できる行動を優しい言葉で丁寧に紹介。美容メディア関係者からも絶大な信頼を集めている。
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