糖質の吸収を抑えるという嬉しいダイエット効果が期待される大麦「βグルカン」。今回はそのβグルカンの健康効果に注目しました。
βグルカン(Beta-glucan)とは?
βグルカンは、まいたけやしいたけなどのきのこ類やパンの酵母に含まれる多糖類で食物繊維の仲間です。通常の食物は口から入ると胃腸で消化されますが、βグルカンは消化・分解される事なく腸まで届き、免疫担当物質に働きかける事ができます。アガリクスは免疫力を高めるきのことして有名ですが、この主要成分もβグルカンです。βグルカンには様々な構造があるのですが、今回ご紹介するパウダーは、β-1,3-グルコシド結合で連なっている主鎖(木を例にすると幹の部分)にβ-1,6結合の側鎖(枝の部分)を持つβ-1,3-1,6グルカンと言う構造を持ち、βグルカンの中でも免疫を整える作用が強いと言われています。
βグルカンの効果
・デトックス効果
βグルカンは不溶性食物繊維なので便をかさ増しして大腸を刺激し、腸の蠕動運動を活発にする事で便秘を改善します。便秘は万病の元と言われ、宿便により腸内環境が悪化すると体に様々な悪影響がおきます。腸に溜まった便は3日間ほどで腐敗し有毒物質を排出します。これが血液とともに体を循環し血流を悪くしたり、血管自体を汚してしまいます。また、肌荒れや口臭も引き起こします。便秘を防ぐためにはβグルカンのような不溶性食物繊維と納豆やオクラのような水溶性食物繊維をバランスよくとる事も大切です。
・免疫力を高める効果
βグルカンは免疫を高め、病原菌に対する抵抗力を高めます。人間の体にはウィルスや細菌が体に入った時にそれを排除しようとする免疫因子がいくつかあるのですが、βグルカンはそれらを活性化したり生成を促す事ができるのです。この力によって、風邪の予防やアレルギー症状の改善が期待されています。
・がんを抑制する効果
βグルカンの免疫力を高める効果はがんの抑制効果も期待できます。がん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞やマクロファージなどの体の免疫因子を活性化する事で腫瘍を抑制する事が研究報告で明らかにされています。
・コレステロールを下げる効果
βグルカンはらせん状の階段のような構造をしています。消化・分解される事なく腸まで届くので、その過程でコレステロールを吸着させ、体外に排出する事ができます。コレステロールは血液をドロドロにして血液の流れを悪くし、血栓を作ります。心筋梗塞や脳梗塞の原因になり、最悪の場合死に至る怖い病気です。高コレステロールは加齢や食生活で誰でも起こりうる病気なのでサプリメントなどで意識して数値をコントロールする必要があります。
こんな方におすすめ
・季節の変わり目に体調を崩しやすい
・アレルギー症状がひどい
・便秘になりやすい
・肌荒れしやすい
・がんや高脂血症などの病気を予防したい
飲み方
1日250gを空腹時に摂取してください。水に溶けにくいので1日数回に分けて飲んだり、食べ物に混ぜると摂取しやすいでしょう。βグルカンは腸の内側にある免疫細胞に働きかけるので、効率よく吸収できる空腹時の摂取がおすすめです。
Written By:薬剤師 メディカルライター 菊地友佳子
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