<目次>
腸内デトックスとは?
環境の汚染物質、摂取した食物のカス、添加物、細菌、アルコール、薬など、身体にとって有害となる毒素を排出することをいいます。
もともと人間の身体は毒素は外に排出しようとするデトックス機能が備わっています。
便や尿はその一例です。肌も同様に、汗として毒素を外へ出しています。
しかし、毒素にも水溶性と脂溶性があり、水溶性の毒素は比較的に便などから排出されやすいのですが、脂溶性の場合は脂肪に蓄積される傾向があります。水溶性の毒素でも腸内の環境が良くないと、どんどん蓄積されることが考えられます。毒素がたまることで身体にさまざまな不調があらわれます。便秘傾向にある人はすでに注意が必要です。
腸の中をきれいにし、毒素を排出するのが腸内デトックスで、腸内環境が良くなり、身体に良い影響を与えると考えられています。
腸内デトックスの効果
腸内をきれいにすることで得られる効果はたくさんあります。
便秘による不調の解消
ぽっこりお腹の解消
代謝が良くなるということはダイエット効果も期待できます。
下腹部に便がたまって、お腹がぽっこりという人の場合、すっきりと便が排出されることで、ぽっこりお腹が解消されることもあります。
免疫力のアップ
腸にある不必要な排泄物をきれいに掃除することで、腸内細菌がきちんと働き、免疫力を高めてくれることへの期待ができます。
腸内デトックスの方法にはさまざまな方法があります。自宅で行える腸内デトックスから、医療機関で行う本格的なものまで、それらの方法や注意点について説明していきます。
自分でできる腸内デトックス
自分で行える腸内デトックス5つ
寝ている間に人間はだいたいコップ1杯分の汗をかくといわれています。
まず、起床時に1杯のお水を飲むことで、血行を良くして、身体を目覚めさせることがポイントです。
冷たいお水がよいか、常温のお水がよいか、意見の分かれるところです。腸を刺激したい人は冷たいお水を、腸が過敏傾向にある人は常温のお水が良いでしょう。
朝起きてだけでなく、日中もしっかり水分を摂取することは、便秘の予防に効果的です。身体が脱水傾向にあると、便が固くなってしまい、排便しにくくなります。


便秘傾向にある人は、便意のあるなしに限らず、トイレに毎日座ることが大事です。
根気よく続けることで、排便習慣がつくものです。トイレでは優しくお腹をマッサージして、腸を刺激してあげるとよいでしょう。
腸の中にある便を肛門の方に誘導するイメージで、身体の右側から左へ「の」の字を書くようにマッサージしてみてください。
腸の善玉菌というと、ヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌やビフィズス菌が有名です。
乳酸菌は腸に入って活動するのに糖分が必要とされ、特にオリゴ糖が有効だといわれています。
ショ糖やブドウ糖の多くは小腸までに吸収されてしまうからです。
オリゴ糖が含まれている食品は蜂みつやバナナです。
ヨーグルトに蜂みつやバナナを混ぜて食べると効果が倍増します。
ヨーグルトやチーズといった乳製品が苦手だという人はキムチや味噌はいかがでしょうか。
キムチや味噌といった発酵食品にもまた乳酸菌が多く含まれているといいます。
ヨーグルトやチーズといった動物性乳酸菌よりも、キムチや味噌の植物性乳酸菌の方が、胃酸に耐えて腸にまで届きやすいとも考えられています。
そして、日本を代表する発酵食品で忘れてはいけないのが納豆です。納豆に含まれる納豆菌は腸内で悪玉菌の働きを抑える効果があるので、積極的に摂取したいものです。


食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ特徴が違います。
「水溶性食物繊維」とは字のまま、水に溶ける食物繊維のことをいいます。
果物や海藻に多く含まれています。便が固くなることを防ぎ、排便しやすくなります。
「不溶性食物繊維」は水に溶けない食物繊維を指し、根菜類や豆類、穀物に多く含まれています。
水に溶けないので便のカサを増やすことにつながり、腸管を刺激、腸のぜん動運動を促進させます。
便秘の予防にはどちらの食物繊維も必要です。野菜、果物、海藻類と過不足なくいただきましょう。


便秘の予防には腸にしっかり動いてもらうことが欠かせません。
どれだけ、便秘に効果があるものを食べても、脱水に気をつけても、腸が動かなければ、便が肛門までおりてくることができないのです。
腸のぜん動運動を促進するには適度な運動が必要です。
運動をすることで血行も良くなりますし、ストレスの解消にもなります。
ストレスは腸内環境に悪い影響をあたえるので、上手に解消しておきましょう。
腸内デトックスに効果的なエクササイズ
適度な運動習慣が便秘の予防には欠かせません。
血行が良くなることで、体は自然に備わったデトックスのシステムを活性化することができるのです。
腸が活発に動くことで、体に不要な物質である便を肛門の方へと運ぶことができますし、腸壁から便の水分などを吸収することで、ちょうどいい硬さに調節されます。
では、どのようなエクササイズが腸内デトックスに有効なのでしょう?
エアロビクス、ウォーキング、ランニング、スイミング、サイクリングといった有酸素運動が効果的とされています。
脂溶性の有害物質は脂肪に蓄積されることが多く、脂肪を燃焼する有酸素運動はデトックスにより有効といえます。腸だけに効くのではなく、全身のデトックスになります。
お腹にたまった便が排出されるとお腹がすっきりし、ぽっこりお腹がマシになることは考えられますが、さらにお腹を引き締めたい人には、有酸素運動に加えて腹筋運動を週に3日程度加えることをおすすめします。
腹筋を鍛える筋肉運動を行うことで、代謝が高まり、脂肪燃焼の効率もよくなります。腹筋運動といっても3種類あるので、各運動を2~3セットずつ行いましょう。
腹筋運動① クランチ
俗に腹筋運動というと、この運動を思い浮かべる人が多いと思いますが、クランチは主に上腹部を鍛える運動になります。
軽く膝を曲げて仰向けになり、手は頭の後ろにおき、上体を起こします。
そのとき、おへそが見えるくらいの30度ぐらい上体を起こすだけにとどめます。
腕の力は使わないように注意しましょう。
最初は10回でもかまいませんが、最終的には20回できるようにします。2~3セット行ってください。
腹筋運動② レッグレイズ
下腹部とインナーマッスルを鍛えるのに効果のある運動です。
仰向けに脚を揃えて寝ます。
両足を床から少しづつ浮かし、最終的には真上にくるまであげます。
そのあと、ゆっくりと下におろしていきますが、床にはつけずにギリギリのところで止めます。
そして、また90度まであげていくことを体力に合わせて繰り返します。それを3セット行いましょう。
腹筋運動③
腹斜筋を鍛えるので、クビレのあるお腹に憧れる人は欠かせません。
クランチと同じポジションで始めますが、後頭部は床につけずに浮かしておきます。
上体を軽く起こして、脇を見るように上体を右または左に捻じります。
左なら左ばかりを20回、次に右ばかりを20回行い、2~3セットがんばります。
医療機関で行える本格的腸内デトックス2つ
デトックス効果がより強く感じられるでしょう。
それらを自宅で自己流に行う人もいますが、安全を一番に考えれば、医師の指導のもとに行うべきです。
① 腸内洗浄で腸の中をキレイにする
欧米では比較的、普通に腸内洗浄が行われていて、特にダイアナ妃やマドンナなど美意識が高いセレブでは一般的です。
殺菌された温水を使って、実際に腸の中を洗ってきれいにしてしまおうという方法です。
医療機関で行う腸内洗浄をコロンハイドロテラピーとよび、大腸の始まりまで洗浄することが可能です。
最近は、自宅で行える腸内洗浄もあるようですが、洗浄部位に限界があると思われます。事故を防ぐにも、効果を最大限に得るためにも、医療機関で行うことをおすすめします。


腸には宿便といい、便が腸壁にこびりついたりして残っているものです。
便の他にも腸内壁細胞が死んだあとのカスや、細菌の死骸などもあります。
腸内洗浄を行うと、そういった宿便をきれいに排出しますし、温水によって大腸を直接刺激するので、『便秘の改善』に効果があります。
また、便秘に伴う『お腹の張りや不快感』などの解消にも期待できます。
また、宿便をきれいにすることで、腸からの水分の吸収がスムーズに行われ、腸内菌のバランスを整え、『病気の予防』に役立つとされています。
さらに、代謝もアップすることから『肌荒れの改善』や『ダイエット効果』にも期待できます。悪玉菌も洗い流されますから、『善玉菌を増やしやすい』環境を作れるでしょう。


看護師のカウンセリングで始まるところが多く、お話を聞くだけでなく、お腹を触って便の状態を確かめます。
不安の軽減のために、おおまかに流れを説明してくれる病院が多いでしょう。
その後、専用のチューブを挿入して、温水を注入します。
その間、看護師がお腹のマッサージを行い、排便を促します。
多くの病院ではリラックスして腸内洗浄が受けれるように、照明や音楽などに工夫しているようです。
終了したのちに、今後、便秘にならないための生活面でのアドバイスをもらえたりもします。
腸内洗浄を行うために、特に食事の制限はありませんし、だいたい60分程度で終わります。
病院によっては、大腸がきれいになった状態で、大腸の内視鏡検査を受けることができる施設もあるようです。
② 断食療法(ファスティング)でデトックスを狙う
断食とは英語でFasting(ファスティング)といい、一定期間、食事をしないか制限する行為で、そうすることで身体の本来の機能を取り戻そうという考えです。
断食を半日行うものから、1日、数日間など施設によって違います。
自己判断で半日程度の断食を行っても水分さえしっかりとっていれば、大きな事故につながる心配は少ないですが、その分、効果もあまり期待できないかもしれません。
長期間、食事を極端に制限する場合には、必ず医療機関に入院して行うか、医師にアドバイスをもらいながら行うなど自己流で行わないようにしましょう。


本来、人間の身体は不要なものを体外に排出するようにできています。しかし、その処理には限界があるため、限界を超えたものは脂肪に蓄積されるといわれています。断食をすることで、不要な物質の取り込みが減ります。
そのうえ、エネルギー源である食べ物が体内に入ってこないので、身体は脂肪を燃やしてエネルギーを作ります。つまり、蓄積されている有害物質が排出される『デトックス効果』に期待できます。脂肪が燃やされるということは『ダイエット効果』も認められるでしょう。
また、食物を胃や腸に取り込まないので、消化器官には休憩になります。腸内環境をリセットできることで、腸にたまっていた『ガスや便の排泄が促進』されたり、『免疫力がアップ』したりすることも考えられます。
断食を行うことで、胃腸だけでなく、頭もスッキリするという意見が多いですが、食事をしないという行為そのものは身体にはストレスで、負担がかかるものです。
したがって、すでにストレスを受けている状態で断食を行うのは好ましくありません。
必ず医師に確認、指示のもと行うようにしましょう。
食べ物によってエネルギーを摂取できないときには脂肪を燃焼してエネルギーを摂取すると説明しましたが、脂肪だけではなく、筋肉を分解してエネルギーを生成するため、筋肉が減少することも考えられ、注意が必要です。
断食の期間が長いほど、普通の食事に戻すときにも、ゆっくりと行わなければリバウンドを起こすことがあります。
お腹の調子を整えることは、お腹だけでなく、お肌、免疫力、代謝など身体に大きく影響します。
ぽっこりお腹が気になるという人は、もしかしたら、腸内の状態がよくないのかもしれません。
まずは、自分でできる腸内デトックスから試してみてはいかがでしょう。