子どもは野菜嫌いというイメージがあります。「うちの子は野菜を食べてくれない」と嘆くママも多いでしょう。しかし、中学生までの子どもの約6割に野菜の好き嫌いがあると言われています。
うちの子だけ…と嘆く必要はありませんが、少しでも克服してくれたらと思いますよね。野菜を食べることがなぜ大切なのかを知り、子どもの野菜嫌いを克服するにはどうしたらいいかを見てみましょう。
野菜を食べる目的を知ろう
そもそも野菜を食べる目的は何でしょうか。栄養が取れるからと思っている方が多いのではないでしょうか。
実は野菜自体には栄養分はほとんどありません。栄養は炭水化物やタンパク質で摂ります。しかしそれだけを摂取していると、悪玉菌が増えて便秘や動脈硬化の原因となります。そこで野菜を摂ることで、野菜に含まれている食物繊維が悪玉菌を取り込んで体の外に排出し、同時に善玉菌を育てます。つまり野菜を摂る目的は、食物繊維を取ることなのです。
ですから、野菜ジュースや野菜入りのお菓子は代用になりません。「野菜は食べないけど野菜ジュースを飲んでいるから大丈夫」と思っている方は注意が必要です。野菜ジュースや野菜入りのお菓子は、野菜の味に親しむきっかけとしましょう。
“あること”を変えると一気に解決することも
子どもに野菜を食べてほしいと、あれこれ苦労しているママは多いと思いますが、実はあることを変えるだけで今までの野菜嫌いが嘘のように食べてくれることがあります。それは切り方を変えることです。
例えばキャベツは、大人はふわふわ食感が好きですが、子どもはシャキシャキしている方がおいしく感じるということもあります。切り方が変わると食感や味が変わる野菜と、その切り方を紹介します。
・キュウリ
繊維と直角になるように薄く切ると、水分が出るので甘みを感じられるようになります。
・タマネギ
繊維に沿って切ると、苦みがでなく食感もシャキシャキになります。
・キャベツ
繊維と直角に切るとやわらかな食感に、繊維に沿って切るとシャキシャキした食感になります。子どもの好みに合わせて切ってみましょう。
・トマト
いちょう切りやスライスにすると甘みが感じられます。横向きにカットしましょう。
・ダイコン、ニンジン
繊維に沿って切るとシャキシャキした食感になります。ピーラーで薄くすると食感が柔らかくなるだけではなく、見た目も楽しくなります。
切り方が全てではありませんが、こんな工夫をすることで今までが嘘のようにおいしく食べてくれることもあります。切り方を試して、子どもの好みが見つけられるといいですね。
野菜に関わることで苦手意識を払拭
野菜嫌いを克服してくれれば嬉しいですが、「食べさせなくては」と親が焦るのは禁物です。無理に「食べさせる」のではなく、「野菜を好きにさせる」ことが大事です。
子どもが「苦手だな」と思っているのに、無理に食べさせようとしても拒否反応を起こし余計に嫌いになってしまうこともあります。苦手意識を取り除くにはこんなことが有効です。
・買い物に行き、一緒に野菜を選ぶ
・水洗いや皮むきなどの簡単なことを手伝ってもらう
・家庭菜園で野菜を育てる
「自分が育てた」「自分がちぎった」などの野菜に直接関わる経験があると、それ自体に愛着を持ち、野菜を食べてみたいという気持ちになることがあります。食べることができたら、親がいっぱい褒めてあげることも大切です。成功体験と楽しい食事の記憶により、嫌いを克服できることがあります。
野菜嫌いを克服する工夫は大切ですが、どうしても苦手な場合は無理して食べさせる必要はありません。子どもの時は苦手だったものが成長につれて食べられるようになるという経験はないでしょうか。好みの変化や、家族がおいしいと食べる姿の記憶により克服していけることもあります。工夫をしつつ“食事を楽しむ”ということを常に心がけましょう。