「なんでうちの子は勉強しないんだろう」「うちの子には東大なんて無理」なんて思っていませんか? 東大に合格するような子どもは、生まれつき頭が良かったのでしょうか。そのヒントは、実際に合格した人がどんな子ども時代を過ごしたのかを知ることにあります。自ら勉強する子にするためには親がどう関わればいいのか、と合わせて見てみましょう。
<目次>
頭がいい子は生まれつき、ではない!
東大と言えばいわずとしれた国内最高峰の大学です。子どもを東大に通わせられたら・・と憧れる親も少なくないと思いますが、同時に「親がいい成績でなければ無理だろう」「東大に入るような子どもは生まれつき頭がいいんだろう」と考える方も多いと思います。
実際、幼い頃は生まれつきの要素が多いものですが、成長に従って継続して努力しているか、正しい方法で行っているかという後天的要素が大きく関わります。学力については環境・経験・学習方法によりどんどん伸ばせるということです。
知能の基準「IQ」を開発した心理学者のアルフレッド・ビネーも「知能は後天的要素が大きい」という考えを指示しています。彼は、パリの学校で勉強についていけない子どもに特別な教育をすることで、周囲と同じレベルに戻そうとしました。その時にIQ検査が作られましたが、その経験が後天的な学習により成績を改善出来るという主張につながります。
「神経を繰り返し活性化させることでその領域が発達していく」ということは科学的にも分かっており、知能研究のロバート・J・スタンバーグも「高い専門性は生まれつき備わったものではなく、目的に合わせてどこまで伸ばせるかによる」と述べています。
つまり、親の成績が良くなかったから子どももそうだ、と諦めるのは早いのです。早い内から適切な生活態度・学習を行うことで東大にも合格出来る可能性は十分にあるのです。
自ら学ぶ子を勉強する子に育てる為の、関わり方のポイント
子どもを勉強する子に育てるには、家庭環境はとても大切です。実際子どもを東大に入れた親が、子の幼少期にどの様に接していたかのポイントを探りましょう。
・「勉強しなさい」と言わない
東大家庭教師友の会が調べたところによると、東大生の8割以上は「勉強しなさい」と言われずに自ら勉強して合格したそうです。自分から勉強するのはどの様な子どもでしょうか。それは知的好奇心や関心に基づいて勉強する子どもです。
「勉強が好き」と考える子どもの勉強する理由のトップは「新しいことを知るのが嬉しいから」です。しかし「勉強が嫌い」な子どもが勉強する理由のトップは「先生や親に叱られたくないから」となります。
知的好奇心や関心を持てない子どもは叱られるのが嫌だからしぶしぶ勉強する、それにより「勉強しなさい」と叱られる回数が増えさらに勉強が嫌いになるという悪循環に陥る可能性があります。
「勉強しなさい」と言うよりも、勉強に対して好奇心を向けさせることを意識することで、知るのが楽しい→自ら勉強する→勉強しているので「勉強しなさい」と言われない子どもに育つのです。
・自分で考えさせる
勉強に限らず、「これをしなさい」などを親からあまり言われなかったと多くの東大生が語っています。子どもに何かを求める場合、命令や上から目線で言うのではなく、道筋を示します。例えば「この学校に行きなさい」ではなく「この学校ならこういうことがきっと楽しいんじゃない?」などの言い方をします。
「この名前を覚えなさい」と教えるだけではなく「これってどういう意味だと思う?」「なんでこういう名前なんだと思う?一緒に考えよう」など自分で考えさせるということです。道筋を示すということは暗に答えが示されていますが、自分で考えて選択したことであれば人間は結果を出しやすいのです。
「やれ」と言われるより「やろう」と自発的に選んだことを頑張ろうとします。考えさせることで自発を引き出すのです。
・子どもに読書を促す
東大生の多くは、幼少期からたくさんの本を読んで育ち読書習慣を身につけています。読書により好奇心・読解力・集中力を伸ばすことが出来ます。どの様に読書習慣をつけさせるかと言うと、絵本の読み聞かせや、図書館で次々に本を借りる、積極的に本を買い与えるなどで日常的に本に触れる環境を作ります。
特に本の読み聞かせは、語彙力や文章理解力の向上が期待でき、結果学力向上にもつながります。読み聞かせしてもらった経験の多い子どもは、テストの読解問題を解く際に情景をイメージし高得点を取ることが出来るのです。読書習慣をつけることは、前述した知的好奇心を伸ばすことにもつながります。
・親が大人になっても勉強する
現役東大生の6割の親が、大人になっても勉強していたという調査結果があります。(※プレジデント社 2016年調査)親自身が大人になっても知的好奇心を持ち続ける姿勢を見せることは、子どもの勉強意欲を大いに刺激します。
脳科学の観点からも、脳はまねをすることで学ぶ領域があることが分かっており、大人が楽しそうにやっていることを子どももまねをして楽しそうにやるのです。親が楽しそうに勉強している姿を見ている子には「勉強は楽しいものだ」「勉強するのは当たり前だ」という考え方が定着するので自ら学ぶことにつながります。
・忍耐強い
東大生の親の特徴として多く共通するのが「辛抱強い」という点です。子どもに対して寛容なだけではなく、仕事や家事が大変でも愚痴を言わない・弱音を吐かないなどの特徴があります。
なぜ辛抱強いことがいいのでしょうか?例えば同じ本を繰り返し読むようにせがまれたり、「もう1回」が延々と遊びが続いたりすると親が先に飽きてしまいがちです。しかし辛抱強く子どもに付き合ってあげることで、子どもの集中力を伸ばすことにつながります。子どもが興味を持ったことには全力で付き合うことも大切です。
「勉強の成果をすぐに期待しない」ことも関係します。「勉強したのに成果が出ない」「なぜ成績が上がらないのか」という焦りは「勉強しなさい」と言ってしまいがちになります。「努力を続ければ成果につながる」と考え、子どもを信じ成果を急がない辛抱強さが大切です。
出来ていないことなどもあるかもしれませんが、どれもとても難しいというものではないですよね。環境を親が作ることで子どもも変わります。
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