子どもの活字離れが懸念されている中、子どもに新聞を読ませることが注目されています。最近では子ども新聞が充実しており、購読する家庭が増えています。一方で「本も読まないのに新聞なんて無理」と思うママも多いかもしれません。子ども新聞の効果や活用法、読ませる為のコツなどを見ていきましょう。
<目次>
子ども新聞を読む効果
「子ども新聞」とは、その名の通り子ども向けの新聞です。発行している各社では大体が「小学生向け」と「中高生向け」を用意していますが、ここでは小学生向けのものについて説明します。内容は政治・経済・社会問題・スポーツなど大人向けのものと変わりありませんが、使用されている表現や漢字を子ども向けに掲載し振り仮名があるものがほとんどです。
また、恐怖をあおるような写真などは使用されません。イラストや写真を多用し興味を引き付ける工夫がなされ、ファッションや人気キャラクター記事など子ども新聞ならではのコーナーもあります。
漠然と「子どもに新聞を読んでほしい」と考える親は少なくないと思いますが、実際新聞を読むことにはどんな効果があるのでしょうか。
・語彙力がつく
新聞には当然たくさんの言葉が載っています。たくさんの言葉と出会うと当然意味の分からない言葉も出てくるので、自分で調べる様になります。注目されている事件やニュースでは、同じ単語がたくさん出てくることでしょう。何度も出会うことで自然と覚えることも出来ます。言葉だけではなく漢字も、習っていないものを読んだり書いたりが自然と出来る様になります。
・文章を読むのが得意になる
子ども新聞はイラストや写真が大人向けの写真より豊富です。そうした視覚情報を取り入れながら活字を読むことでイメージが膨らみやすくなり、文章を速く読めるようになります。また、習慣的に読むことで「ただ活字を読む」のではなく「内容を理解しながら文章を読める」ように自然となっていきます。国語はもちろんのこと、他の全ての教科に役立つ力です。
・社会や世間の動きに興味を持つようになる
新聞には、身近なニュースから世界の出来事まで、あらゆるニュースが記載されています。定期的に読むことで出来事の動きが分かる様になり、自分の生活と関連付けて興味を持てる様になっていきます。
・バランスの良い知識が身につく
子ども新聞の記事は、大人が読むものと同じ様な時事ネタでありながら子どもの目線に合わせてまとめられています。そして、子どもが食いついてくれそうなジャンルをバランスよく詰め込んでいることも特徴です。記事のバランスが良いというのは、自然と興味を引き付けられながら、それに関連したジャンルを幅広く取り入れることが出来るということです。たとえば読書であれば、1つのジャンルについては書いてあってもその分野だけを学ぶことになります。それが悪いということではありませんが、新聞でバランス良い知識を身につけ、興味を持ったものを掘り下げていくということが可能になるのです。
・中学受験に役立つ
中学受験を考えているなら、子ども新聞を読むことはマストでしょう。受験では知識以外にも「読解力」「時事問題の知識」「作文力」が必要となります。これを勉強として習得するには先生も受験生も苦労します。しかし子ども新聞を読むことで読解力も鍛えられ、新聞ですから時事問題もバッチリです。時事問題は、中学受験の約90%で出題されています。作文については相応の練習は必要ですが、練習の素材として活用出来ますし定期的に新鮮なネタを取り入れることが出来ます。
子ども新聞はいつから読ませる?
子ども新聞を読ませてみたいがうちの子には早いのではないか・・・いつから読ませるのがいいのか・・・と悩む方も多いと思います。もちろん子どもの性格や好みも様々ですので一概には言えませんが、大体何歳くらいから読ませるのがいいのでしょうか。
一番いいのは、子どもが新聞に興味を持った時です。それが文字もほとんど読めない様な年であっても「まだ早い」などとは言わないようにしましょう。最初はイラストや写真だけをパラパラめくったりママが読んであげたりしてもいいと思います。「パパみたいに新聞を読みたい」など興味を持ったら、購読を検討してみましょう。
とはいえ、自分から読みたいという子ばかりではないと思います。いつ頃から読むのがいいかという目安は、大体が小学校3年生くらいのタイミングが多い様です。ある程度漢字の読み書きが出来つつ、まだまだ知らない漢字も多い時期ですね。「子ども新聞」というだけあり、低学年でも読めるような工夫が多くなされています。
振り仮名がふってあるので、ひらがなが読めるようになれば読むことは可能です。ですので、小学校に入学するタイミングで購読を始めるという家庭も多くあります。最初は「読む」というよりも、新聞を開くクセをつける、ということを重視しましょう。親が無理強いすることで余計に活字嫌いになってしまっては元も子もありません。
子ども新聞の活用方法
新聞の購読を始めたら、最初は読むだけ・眺めるだけでもいいのですが、どうやって活用するかも知っておくことで慣れた時には深く読み込んでいきましょう。
・まずは興味のある記事だけ読む
大人でも興味のない記事は読みたくないですよね。「せっかく取っているのだから隅々まで読みなさい」なんて強要されては余計に読みたくなくなってしまいます。大切なのは継続すること。新聞が届いたら興味のある記事だけを読みましょう。極端に言えばマンガのコーナーだけでもいいので、まずは新聞を身近に置き開くという習慣をつけましょう。
・音読する
学校の宿題でも教科書の音読がありますが、口を動かすことでただ読むだけよりも内容理解が深まります。習慣化することで集中力など様々な力が身につくでしょう。音読でインプットされた言葉は、文章を書いたり会話をしたりというアウトプットにも効果を発揮します。新聞に書かれた正しい日本語を効率よく身につけることが出来ますね。
・書き写す
書き写して手を動かすことも大変効果があります。例えば朝日新聞であれば天声人語の子ども版である「天声こども語」というコーナーの専用書き写しノートも販売されています。自分の好きな記事を書き写すことで、漢字を覚えますし作文力・読解力も身につきます。真似ることで正しい日本語を習得することが出来ます。受験生であればさらにステップアップして「要約」してみましょう。文章を理解し、要点を絞り込み、別の文章に書きまとめるというさまざまな能力が身につきます。難関中学や高校でも採用されている勉強法です。
・記事をスクラップする
気になる記事を切り抜きノートに貼っていきます。記事がたまっていくことで自分だけの新聞が出来る感覚を楽しめると思います。ただ貼るだけでもいいですし、入試対策であれば記事に自分の意見を書き加えるなどするとさらに力を養えます。
・話し合う
新聞を読んだら、毎回でなくてもいいのですが書かれた記事について親子で話し合うのもいいですね。気になった記事について聞いてみましょう。そこから感じたことなどを質問すると、思いがけない子どもの考えを聞くことにもつながります。
・投稿する
新聞の投稿コーナーには、お便りの他に詩や俳句、イラストなどを募集しているものもあります。自分の得意分野や気になったものを送ってみましょう。「載っているかな?」と開くワクワク感が高まりますし、もちろん掲載されれば嬉しいですよね。
新聞に興味を持たせるためのコツ
せっかく新聞を購読しても子ども自身が全く読まなければ意味がないですよね。子どもが興味を持つ為のコツを見てみましょう。
・面白いコーナーを利用する
マンガでも構いませんし、子どもが興味を持ちそうなニュースと関係のないコーナーや、イラスト・写真などを見せてみましょう。新聞を開くことに興味を持ったら、1つ記事をセットにして読ませるなど段階を踏んでいきます。
・目につくところに置く
キッチンやリビングなど、子どもが必ず目にするところに常に置いておくようにします。トイレを利用するママも多く、興味を持ちそうな記事を壁に貼るなどしているようです。毎日目にする内に、興味を持ってくれるかもしれません。
・プラスの声掛けをする
自分で読んでいるのを見かけたら、読んだ姿勢を褒めましょう。さらに記事の内容を話してきたら「初めて知ったよ」「おもしろいね」などの声掛けをして読みたい気持ちを上げましょう。
・おすすめの記事をピックアップする
子どもが学校に行っている間に新聞に目を通し、おすすめの記事を教えてあげるのもいいでしょう。押し付けるのではなく「こんなのがあって面白かったよ」などさりげなく言います。内容だけではなく、家族で一緒に読んでいるという感覚を自然と感じることが出来ます。実際子ども新聞を親子で一緒に読んでいる家庭は多く、大人にも読みごたえのある記事が多いようです。
子ども新聞は、朝日・読売・毎日の各社から発行されています。日刊、週刊の違いや各紙の特徴もあるので、まずはお試しを取ってみて子どもに合うもの・読みやすいものを選ぶと良いでしょう。
筆者も以前お試しを取ってみましたが全く興味を持たず、まだ早いのかと諦めて購読しませんでした。しかし3年に進学したので、読む習慣をつけさせたいと考えています。スクラップなどは読んだ成果が目に見えるので取り入れたいと思いました。
今の子ども新聞は内容が充実しているので、気になる方はチェックしてみてください。