小学生の子どもを持つ親にとって、朝子どもが起きてこないというのはかなりの悩みではないでしょうか。親が声をかけなくても自ら起きてきて準備を始めてくれれば一番いいのですが、中々そうもいかないと思います。
我が家でも自分で起きないこと、起こしても布団から出てこないことが悩みです。そこである方法を導入し、自ら起きる習慣をつけるようにしてみました。その方法とあわせ、1ヶ月行った成果をご紹介します。
<目次>
行動を習慣化するコツを知ろう
何か行動を変えた時、それが続かなくては意味がありません。始めてみたけれど3日坊主で終わってしまう…ということもあるでしょう。まずは習慣化するためのコツを見ていきましょう。
・具体的な目標にする
決める目標が難しいものや複雑なものだと、続けること自体が困難になりやめてしまうことになりがちです。「できた」「できなかった」で判断できる具体的な目標にしましょう。
「大体」「少し」などの曖昧なものはやったかどうかの基準も曖昧になり徐々にやらなくなります。「〇を何回やる」「〇を何分やる」など、具体的で基準が変わらない目標を設定しましょう。
・今すぐ始める
やるべきことややりたいことは、後回しにせず思い立った日に始めましょう。「いつか」「明日から」などではスタートが切れません。
・ハードルを下げる
何かを始める時につい欲張って目標を立てたくなってしまいますが、続けることが大事なのでハードルを下げて簡単な目標にします。その目標が当たり前のように出来る様になったら、徐々にレベルアップしていきましょう。
・毎日やる
習慣化するためには、毎日行う必要があります。そのためにハードルを下げた目標である必要があるのです。やることがいくつかあるのであれば、小分けに設定をしてそれぞれを毎日行います。たくさんあって難しいと感じるのなら、最初から減らしておく方がいいでしょう。
・やるタイミングを決める
目標設定と同様に、行うタイミングを決めることも重要です。「できたらやる」「1日の内のどこかでやる」と曖昧にしていると出来なかった、忘れていた、ということが起こりがちです。
一番いいのは何かの行動とセットにすることです。「歯を磨いた後」「朝食をとる前」など、日々必ず行うことに紐づけて決めましょう。
子どもが自ら起きるための方法はたった一つ
子どもが自分で起きるためには、どんな方法があるのでしょうか。
答えは簡単です。「親が子どもを起こさない」ということです。どこかでつい起こしてしまうと、「どうせ親が起こしてくれる」という甘えや油断が生じるからです。
起こさないためにはいくつか注意点があります。
・宣言する
今まで起こしていたものを急に起こさないとなると、当然子どもは困惑します。起こさないと決めたなら、子どもにそれをきちんと話しましょう。「もう起こさないから自分で起きようね。起きるためにはどうしたらいいかな」など、起こさないことを伝え、起きるための対策を考えさせましょう。
・起きなくても怒らない
そうは言っても起きてこられない日もあるでしょう。その時に「何で起きないの!」と怒ってはいけません。「あー、今日は起きられなかったな」と心で思って子どもには何も言いません。
・信念を曲げない
「起きないことで遅刻したらどうするのか?」と思いますよね。それは子どもの責任ですので見守ります。もちろん遅刻したことを怒ってはいけません。遅刻した時点で子どもは少なからず反省しているはずです。さらに、起こさないと宣言していても「なぜ起こしてくれなかった」と言われるかもしれません。
遅刻や文句が続くと折れてしまい結局起こしてしまう…という親は多いですが、それをやってしまうと元に戻ってしまいます。決めたらそれを徹底するということが大切です。
・自分で起きたら良い声掛けを
子どもが自分で起きてきたら、最初はほめてあげてもいいですね。毎日のことですから過度にほめる必要はなく、「自分で起きてこられたね」など事実を伝えるだけでもOKです。出来なかった時は何も言わず、出来た時にプラスの声掛けをしていきましょう。
自ら起きるために、ポイント制を導入
筆者の息子も、自分で起きられない子です。本人の目覚ましをかけて自分で止めさせるようにしましたが、5分近く鳴りっぱなしでやっと止めたと思ったら二度寝をするという始末です。朝学習として「計算」「漢字」を行うと決めましたが、二度寝することでその時間がなくなるという悪循環に陥っていました。
そこで自分で起きるために、我が家ではポイント制を導入しました。習慣化の条件を踏まえ「自分で布団から出る」「朝学習を行う(10~15分程度で終わる量です)」の2つが出来たらポイントがもらえ、1週間続いたらご褒美があるというシステムです。
ゲームが好きな子なので、ご褒美はゲームにしました。普段から1日〇分と決めていますが、達成したらプラスで遊べるという内容です。週末のどちらかにご褒美タイムを設けることにしました。
逆にどちらかでもできない日があれば、ご褒美がないのはもちろんのこと、5分マイナスとなるというペナルティを課しました。
これには本人もやる気になり、出来た日にはカレンダーに印をつけるようになりました。
ポイント制を行う上で気を付けたことは、下記の通りです。
・最初は達成基準を緩くする
1週間毎日達成したらご褒美というシステムだったため、例えば週半ばにバツがついてしまうとその後の数日は本人のやる気がなくなってしまう可能性があります。ですので、完全にバツ(全く学習に手をつけなかったなど)の場合でなければ、丸にしていました。
例えば少しだらけてしまい、計算は終わったけど漢字は終わらなかったという場合には丸です。その代わり帰宅後に残りをやるようにすることと、「明日は両方行うためにどうしたらいい?」と考えさせることを行いました。
・絶対に起こさないが少し工夫する
目覚ましを止めた後の二度寝は、ただダラダラしている時ともう一度寝落ちてしまっている時があります。起こすことはしませんが、カーテンを開ける、布団を少しだけ引っ張る、などして寝落ちさせないようにしました。
「声をかけられずに自分で布団から出てこられた」という成功体験を積み重ねるためです。もちろんそれでも起きてこない場合は何もしませんでしたが、目覚ましを止めた時点で「起きなくては」という意識が働いているため、そのまま寝てしまうということはありませんでした。
・出来た時の声掛けを欠かさない
前述した通り、良い声掛けを心がけました。「自分で起きられたね」「言われなくても計算をやっているね」「終わったのにまだ時間に余裕があるね」など。毎日何かしら声をかけることで、自分で起きて約束を守れたという自信がついたようでした。
ポイント制を実践した1ヶ月後の成果は
スタートした頃は、布団でダラダラ過ごす時間が長いせいで決めていた朝学習の範囲が途中になってしまうことも何度かありました。しかし全くやらないことはなかったので、前述した通り少し甘めに評価を行い、ポイントを継続するようにしました。
最初の1週間が過ぎて実際にご褒美がもらえると翌週も頑張ろうという気になったようでした。週末になると「明日も起きて達成するぞ」と宣言をしていました。
土日にダラダラしてしまうと元に戻ってしまう可能性があるため、起床時間を少しだけ遅らせてポイント制を継続しました。我が家では30分だけ目覚ましを遅くしました。それは本人と話し合い、本人が決めた時間です。
「行動は21日で習慣化する」と言われています。21日とは3週間ですね。この日数については様々な意見があるかもしれませんが、何日も行動をルーティンに組み込み繰り返すと習慣化するということです。
息子についても、2週間を過ぎた頃から少し変化が表れました。最初は朝学習を終えられない日があったものの「終わらせるためにどうしたらいいか?」と問うことで意識と行動が変わったのです。
目覚ましを止めてすぐに起きてくる、とまではいきませんが、ダラダラとする時間は確実に減りました。そしてテキストを開くまでの時間が短くなり、自分の中で「大体〇分に布団を出て〇分に学習を始めれば学校に間に合う」という目安が出来てきたようです。
続けることで、起きて食事をして学習する、というルーティンが確立していきました。行動が当たり前になるとそれは習慣となり、歯磨きや着替えをするのと同じ様に出来るようになっていきます。
ポイントについては、自分でつけていた丸を書かなくなったため忘れているのかと思いましたが、週末にはしっかりと「ゲーム出来るよね?」と聞いてくるので覚えているようです。ポイントのために行動を変えることで、自然と習慣が変わったことは間違いないと言えるでしょう。
ポイント制は息子には有効でしたが、すべての子どもにそうであるとは限りません。また、我が家では「1週間欠かさず出来たらご褒美」としていましたが、子どもによっては「1回1ポイント、〇ポイント貯まったらご褒美」などの方が、効果がある場合もあるでしょう。
いずれにせよ、まずは行動を変える為のきっかけをつくることが大切です。それを毎日当たり前に行うためにはどうするのが一番効果的かを考え、始めてみましょう。子どもの性格や嗜好を見極めて決めるのが良いですね。始める際には本人としっかり話し合うことが大切です。
仕組みを作ることが出来たら、途中で止めずにまずは3週間続けてみましょう。必ず行動に変化が表れるはずです。仕組みを作る際には、「習慣化するためのコツ」を参考になさってくださいね。また、習慣化して当たり前に出来るようになっても、時々「続いているね」「できているね」などの声掛けをしてあげるとさらに良いでしょう。
1ヶ月で経過し行動は変わってきましたが、気を緩めるとまた元に戻る可能性もあります。上手く声をかけながら、今後も継続出来るようにしていきたいと思います。