家族の食卓には、それぞれの好みやこだわりが持ち込まれます。
特に夫の「この味がいい」「こうでなければ嫌だ」という食のこだわりは、毎日の食事を担う妻にとって大きな負担になることも。
最初は小さな違いでも、積み重なるうちに「なんで私ばかり我慢しなきゃいけないの?」という不満につながりかねません。
今回は、そんな“夫の食のこだわり”にどう向き合うかを考えていきます。
夫からの要望で…
結婚して間もない頃、夫から「お昼は片手で食べられるおにぎりがいい」と言われました。
それ以来、私は毎日3つずつおにぎりを作って持たせていたのです。
夫は硬めのお米が好みでしたが、まだ小さかった子どもたちのために、私は水を少し多めにして炊くよう工夫していました。
しかしある日、夫が帰宅するなり開口一番、こう言い放ったのです。
「こんなベチャベチャなおにぎり、食えるか!」
忙しい中でも家族のためにと作っていたのに、努力を踏みにじるその言葉に、私は怒りが爆発。
ひるまず怒鳴り返す妻
「私のおにぎりに不満があるなら、これからは毎日自分でお米を炊きなさい!」
思わずそう怒鳴り返していました。
その瞬間、毎朝せっせと握っていた気持ちがサッと一気に冷め、おにぎりを作るのがすっかり嫌になってしまったのです。
それ以来、私は夫に「おにぎりは自分で買って」と伝え、作るのをやめました。
子どもたちには今でもお弁当やおにぎりを用意しますが、夫には一切作っていません。
あの日から10年以上経った今でも、その決意は変わらないままです。
おにぎりをめぐる一件は、小さな出来事に見えて、私にとっては大きな境界線を引いた瞬間でした。
最後に
夫婦といえども、食の好みまで完全に一致することは難しいものです。
だからこそ、一方的に相手に合わせ続けるのではなく、お互いの負担を減らしながら歩み寄る工夫が大切になります。
予防のためにできることを、日常の中で少しずつ実践してみましょう。
- 夫婦で「食の好みリスト」を作り、譲れる部分と譲れない部分を事前に可視化させ共有する
- どうしても合わない場合は、家庭全体ではなく“個別対応の日”を設けてバランスをとる
- 不満が出たときは感情的になる前に「次は事前に言ってほしい、朝は忙しいからここまでしかできない」など、具体的に対応策や妥協点を伝える
小さな工夫の積み重ねで、毎日の食卓が「我慢」ではなく「楽しみ」になるはずです。
そしてその積み重ねこそが、夫婦の関係を長く健やかに続ける秘訣なのかもしれません。
※Grapps編集部が独自に収集した実際の体験談をもとに記事化しています