家庭での「当たり前」は、人それぞれ少しずつ違います。
特に結婚して家族の形が変わると、育ってきた環境の違いから小さな戸惑いを感じることも珍しくありません。
冷蔵庫の中の整理ひとつをとっても、その人が大切にしていることや価値観が見えてくることがあります。
今回は、合理的すぎる義母の「ルール」に戸惑いながらも向き合った女性の体験談を紹介します。
この体験談を通して、異なる価値観を持つ人との心地よい距離の取り方を考えてみましょう。
合理的すぎる義母の独自ルール
義母の家の冷蔵庫には、独自のルールがありました。
棚には薄いマスキングテープで目盛りが貼られ、ヨーグルトはここ、卵はここ、と定位置が決まっているのです。
すべての食品はラベルが手前に向くように並べられ、手前ほど賞味期限が早いもの。
左右も等間隔に保たれており、義母の口癖は「探す時間は人生のロス」でした。
初めて義実家に泊まった夜、私が作ったカレーの残りを容器に入れて一晩寝かせたのですが…
翌朝には透明の小皿がスペーサーのように挟まれていて、美しい列に整頓し直されていました。
容器には「臨時・左端」と付箋が貼られていて、思わず「わっ…何これ…!すごっ…」と言葉を漏らしてしまい。
その徹底ぶりに驚きました。
帰省土産のプリンを冷やすと、すぐに個数や賞味期限がメモ化され、容器は色別にきれいに並べられます。
夫は無意識にケチャップの向きを直し、私のペットボトルも前向きに整列。
夫を見て、こうした環境で育ったのだなと感じました。
義母によれば、このルールは「災害時にも在庫が一目でわかり、誰でも代わりに料理できる」ためだそうです。
合理的ではありますが、ミリ単位まで揃えられると正直落ち着きません。
話し合って一段だけ“フリースペース”を作ってもらったのに、そこに置いた缶まで前を向いて整列しているのを見ると、つい苦笑いしてしまいます。
独自ルールに関して理解はできなくても、今では「これが義母らしい安心の形なんだ」と受け止めるようになりました。
(46歳/女性)
最後に
異なる価値観を持つ人と暮らすのは、ときに難しさを感じるものです。
家族であれば習慣やルールのぶつかり合いは避けられません。
冷蔵庫ルールの体験は、日常の小さな葛藤の一例です。
すべてを理解するのは難しくても、相手の行動の背景や「安心の形」を想像することで受け入れやすくなります。
否定せず尊重しつつ、自分の心のゆとりを守るために距離を置いたり自分のスペースを作ることも有効です。
「なぜそうするのか」と尋ねることで新たな理解が生まれることもあり、こうした小さな工夫が穏やかな関係を築く鍵となります。
※Grapps編集部が独自に収集した実際の体験談をもとに記事化しています