社内恋愛は決して珍しいことではありません。
しかし、それが自身のキャリアや職場の人間関係に予期せぬ大きな影を落とすことがあるのも事実です。
特に、昇進や重要な評価の局面で「個人的な感情が絡んでいるのではないか」という疑念は、正当な評価を阻む壁となります。
今回は、社内恋愛が原因でキャリアの機会を失いかけた女性の体験談を通し、仕事と恋愛のバランス、そして職場における信頼の重要性について深く考えていきましょう。
社内恋愛がキャリアを奪った裏側
入社して3年目、同じ部署の上司と交際を始めました。
彼は仕事では非常に厳しい人でしたが、プライベートではとても優しく、私も真剣に付き合っていました。
私たちは関係を秘密にしていましたが、社内ではなんとなく気づかれていたようで、同僚からの視線に戸惑うこともありました。
ある日、社内で昇進候補者の話が上がり、私の名前が挙がっていると聞きました。
日頃の業務評価も高く、期待されていると感じていたため、とても嬉しかったです。
しかし、最終的に私の昇進は「公平性を保つため」という理由で見送られたのです。
後に知ったのは、昇進選定に関わっていた交際相手の上司の存在が、社内で「えこひいきではないか」という疑念を生んでいた、ということでした。
この事実を知ったとき「そんな…」と、思わず言葉を失いました。
自分の努力が正当に評価されなかったことだけでなく、個人的な交際が原因で、職場の同僚や組織からの信頼を失っていたことに気づいたからです。
彼に相談しても「社内の空気があるから仕方ない」という言葉に、深いモヤモヤだけが残りました。
その後、私たち2人の関係は自然と距離ができ、最終的に別れることに。
この苦い経験を通して、社内恋愛が思わぬ形でキャリアと信頼に大きな影響を与えることを痛感しました。
仕事と恋愛を完全に切り分けることの難しさ、そして職場における公平性と信頼関係がいかに大切かを学んだ出来事です。
(32歳/女性)
最後に
キャリアの岐路で、個人的な関係が原因で道を閉ざされてしまった経験は、大きな苦しさを伴うものです。
「努力が正当に評価されない」無念さや「信頼を失った」失望は、多くの方が共感できる感情でしょう。
この経験を今後に活かすには、まず個人の努力を誰が見ても疑いようのない「結果」や「実績」として残し、評価の透明性を確保することが重要です。
次に、所属組織のルールだけでなく、社員間の「公平性に対する文化」を深く理解し、常にキャリアへの影響というリスク管理の視点を持つことが不可欠です。
そして最も大切なのは「信頼」の定義を仕事上の公正さに置き換えること。
職場では私的な関係を完全に切り離し、公の場での行動に一貫性を持たせましょう。
「私的な関係が公的な決定に影響しない」という姿勢を徹底することで、揺るぎない信頼を再構築できます。
※Grapps編集部が独自に収集した実際の体験談をもとに記事化しています
