結婚生活において、相手への思いやりを「当たり前」だと思い込んだ瞬間、関係には修復不可能な亀裂が入ります。
特に毎日の家事は、差し出す側の善意によって成り立つもの。
その背景にある苦労を想像できない相手には、ときに毅然とした態度で境界線を引くことが必要です。
今回は、夫に自分の努力を軽視されたとき、まず整理しておきたい考え方をまとめます。
夫から「おにぎり」の命令が…
結婚して間もない頃、夫から「昼食は片手で食べられるおにぎりがいい」と頼まれました。
それ以来、私は毎朝、夫のために3つのおにぎりを用意することが日課となりました。
当時、家にはまだ幼い子どもがいました。
夫は硬めのご飯を好んでいましたが、子どもが食べやすいよう、私はあえて水を少し多めにして、ふっくらと柔らかく炊けるよう工夫していました。
家族全員が心地よく過ごせるようにという、私なりの配慮でした。
しかし、その日は突然訪れました。
仕事中の夫から届いたのは、感謝どころか私の努力を根底から否定するようなメッセージでした。

『今日のおにぎり、何だよ。こんなベチャベチャなもん、食えるか!』
スマホの画面に並んだその言葉を見た瞬間、頭の中で何かが音を立てて切れました。
忙しい育児の合間を縫って、毎日欠かさず握り続けてきた時間は何だったのか。
私のささやかな努力を踏みにじられた屈辱と怒りが、一気にこみ上げてきました。
私は震える指で、即座に返信を打ち込みました。
『私のおにぎりに不満があるなら、これからは毎日自分でお米を炊いて。二度と作りません』
毎朝せっせと握っていた熱い気持ちが、嘘のように冷めていくのを感じました。
その夜も、帰宅した夫に「明日からおにぎりは自分で買って」とだけ告げると、夫はタジタジで何も言えなくなっていました。
それ以来、私は宣言通り、夫へのおにぎり作りを一切やめました。
子どもたちには今でも愛情を込めてお弁当やおにぎりを作りますが、夫の分が復活することはありません。
あの日から10年以上が経過しましたが、私の決意は揺らぎません。
あの一件は、私にとって夫との間に明確な境界線を引いた、決定的な瞬間だったのです。
最後に
夫婦という親密な関係であっても、最低限の礼儀と感謝は欠かせません。
「やってもらって当たり前」という甘えが、相手の尊厳を傷つける言葉として出たとき、それは単なるケンカではなく「信頼の崩壊」を招きます。
もし、あなたが尽くしていることに対して相手が敬意を払わないのであれば、その全てを完全に停止させる勇気を持ってください。
あなたが自分の価値を自分で守る姿勢を見せることは、長い人生を共にする上で、歪んだパワーバランスを正す唯一の手段になるはずです。
※Grapps編集部が独自に収集した実際の体験談をもとに記事化しています。
