大人女子のためのWebメディア
検索
  • Grapps
  • グルメ
  • 原点は「機内食」。日本にファミレス革命を起こした元祖「ロイヤ...

原点は「機内食」。日本にファミレス革命を起こした元祖「ロイヤルホスト」のひみつ【特集「ファミレス ヒストリーズ」】

本物の味を求める福岡発のファミレス「ロイヤルホスト」VOL.1

誕生して50年近くになるファミリーレストラン、通称「ファミレス」。当時は家族でいそいそと出かけるハレの場だったが、現在はふだんの生活に入り込んで広く親しまれる存在となった。

いずれにせよ、どんな人にも足繁く通った店舗や思い出のメニューがあるはずだ。そんなファミレスの先駆けとなったのが「ロイヤルホスト」である。

福岡市の高級フランス料理店「ロイヤル中洲本店」(現「花の木」)などを営業していたロイヤルが1971年、北九州市にロイヤルホスト1号店をオープンした。こうした歴史もあり、福岡市民はいまだにロイヤルホストのことを親しみを込めて「ロイヤルさん」と呼ぶ。
ちなみに、ロイヤルホストとは外食王の異名を持つ創業者の故・江頭匡一が好きだった「ロイヤル」という言葉と、おもてなしの思いをこめた「ホスト」を合わせたものである。
 (35967)

 

ゴージャスな内装の1号店
江頭はもともと見習いパイロットや米軍基地の見習いコックなどを経て、福岡にあった米軍基地の御用商人として働いていた。その後、キルロイ特殊貿易株式会社を設立するが、その翌年の1951年に民間航空の運航が再開する。

飛行機好きだった江頭は、さっそく日本航空と機内食を提供する契約を結ぶ。戦後間もない時代、サンドイッチを風呂敷に包み、魔法瓶入りの紅茶を客室乗務員に渡していた。ロイヤルホストの原点は機内食なのだ。

同社戦略企画室の大神田華生留さんは言う。

「江頭はある日、福岡で靴磨きの女性が『私も一生に一度でいいからロイヤルに行ってみたい』と同僚の方にお話ししているのを聞いたそうです。この一言がきっかけで、1959年に福岡の新天町に洋食レストラン1号店を出しました」(大神田さん、以下同)

さらに12年後、北九州にロイヤルホスト1号店が誕生する。当時は焼肉なども楽しめる洋食レストランで、現在も「カウボーイ家族 青山店」として営業中だ。

マリリン・モンローも愛した「オニオングラタンスープ」

ロイヤルホストには、いくつもの有名な伝説がある。その中でも驚くのは、ロイヤル中洲本店がオープンした翌年の1954年、新婚旅行中のマリリン・モンローと大リーガーのジョー・ディマジオ夫妻が来店したということ。

「とくに、オニオングラタンスープを非常に気に入っていただいたようです。大濠公園の『レストラン花の木』には、いまでもモンローが実際に座ったとされる椅子があります」
 (35971)

 

ロイヤルのオニオングラタンスープ
このオニオングラタンスープは創業から続く看板メニュー。そのレシピをもとに作っているのは福岡のセントラルキッチンで、一晩煮込んだコンソメスープとソテーしたオニオンと合わせて全国店舗に届けられる。

そして、店舗で仕込むクルトンとグリエール、パルメザンという2種類のチーズを浮かべてオーブンで調理する。

現在の価格は450円(税別)。ロイヤルホストといえば少々お高めの価格設定というイメージがある。たしかに、スープが450円というのは高い印象だがモンローも唸らせる味ならば止むを得ないだろうか。
 (35973)

 

スープは福岡のセントラルキッチンで作る。写真はていねいに灰汁を取っている様子
ちなみに、食事といっしょにオーダーした場合、スープのボリュームが多いという声が寄せられたため、2013年冬から量を若干減らし、よりリッチな味わいにしたそうだ。

自社のコックを帝国ホテルへ修行に出す

モンローが絶賛したオニオングラタンスープ。当時の初代料理長は、横浜のホテルニューグランド出身の前川卯一氏。彼は同ホテルの初代料理長として来日し、日本に洋食を普及させたスイス人、サリー・ワイル氏の孫弟子に当たる。

「江頭は有名料理店や老舗ホテルなどにも足を運び、料理の研究をしていたようです。食べては考え、食べては考え、という生活ですね。また、自社のコックを帝国ホテルへ修行に出すなど、一流の味にこだわっていました」

前出のホテルニューグランドは、スープ、ドリア、ナポリタン、プリンアラモードなど、日本では初のお目見えとなる洋食メニューを数多く生み出した。同ホテルは、のちのホテルオークラ初代総料理長・小野正吉氏、のちのプリンスホテルグループ総料理長・木沢武雄氏といった名料理長を輩出した。

前川氏もその一人。ドリアやビーフシチューなどの看板メニューは、ホテルニューグランドの味と伝統を受け継いでいるのだ。

「江頭はパスタの『アルデンテ』という概念もいちはやく取り入れました。当時は『ちょっと硬い』『茹で上がっていない』などのクレームもいただいたようです」

大阪万博で売り上げナンバーワンに

なお、1970年の大阪万博にも出店している。もともとアメリカ館に出店予定だったアメリカの外食大手が突然キャンセルしたため、ロイヤルに声がかかったのだ。
 (35979)

 

大阪万博に出店したロイヤルは外観もしゃれていた
ふたを開けてみれば、メイン店舗のステーキ店は大繁盛。味のクオリティが認められ、開催期間中の総売り上げは全店舗中ナンバーワンの11億円だった。

このブレイクを追い風にロイヤルは急成長を遂げる。やがて、1971年に北九州にロイヤルホスト1号店が誕生、1977年には東京・三鷹店をオープンさせて首都圏進出を果たした。

店舗数は最大で約300店まで増えた。誕生46年目を迎えた2017年現在は日本全国に221店舗を展開する。福岡生まれのファミレスの雄は「おもてなし」の心で成長を続ける。
そんなお話を伺った後、ロイヤルホストに立ち寄ってみる。モンローが絶賛したという名物のオニオングラタンスープを注文。スープというと脇役のイメージがつきまとうが、とろ〜りチーズとパンが絡む絶妙の食感。タマネギの甘さも際立っていて、熱い、美味い、熱い、美味いの無限ループに、本格派の味を追求するこのファミレスの思いが改めてわかったような気がした。
取材・文=石原たきび
編集=大狼章弘

料理と暮らしのレシピ動画をもっと見る(外部サイト:ビデリシャス) ≫ ≫


【この記事も読まれています】
ブックマーク LINEで送る

Grappsにいいね!して最新の情報を受け取ろう!

この記事を書いたライター

料理と暮らしのレシピ動画まとめサイト「ビデリシャス」では、食・DIY・旅・カルチャーなど、いつもの暮らしを豊かにするちょっとしたヒントを毎日動画とコラムでお届けしています。「ストーリー」のあるテーブルに、集まろう。 サイト:www.videlicio.us youtube:www.youtube.com/videliciousness Facebook:videliciousness
  • Grapps
  • グルメ
  • 原点は「機内食」。日本にファミレス革命を起こした元祖「ロイヤ...
アプリでGrappsが
サクサク読める♪

5000本以上の記事が読み放題♪悩める女性のバイブルGrappsを 電車の中でも移動中でも快適にチェックすることができます。