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2018年04月18日更新

【保存版】キムチを漬け込む行事『キムジャン』体験完全レポート!│諸国菌食紀行

フリーランスの料理人であり、発酵トラベラーでもある安田花織さんの「諸国菌食紀行」。前回の「キムチを漬け込む行事『キムジャン』に学ぶ、キムチ作りで大切な4つのこと【諸国菌食紀行】」に引き続き、韓国の一大イベント『キムジャン』への参加レポートをお届けします。キムジャンとは、白菜キムチを漬け込む韓国の年中行事。

<目次>

念願のキムジャン体験!ソウルからチョルラド(全羅道)北部にあるコチャン(高敞)へ

ソウルから高速バスに乗ってチョルラド(全羅道)北部にあるコチャン(高敞) へ。
朝鮮半島は朝鮮八道(ちょうせんはちどう)という8つの道(地域)に区分されていて、チョルラド(全羅道)は南西部にある地域だ。

 

韓国の中でも食文化が豊かで、食の都とも言われているチョルラド(全羅道)

道によって異なる気質の風土や人、文化がある。(八道の違いは日本でいう東北や関東、関西などの地域の差に近いように感じる)
全羅道は西と南が海に面していて、海産物は勿論、土や水も良質なため、農作物や山菜など食材が豊富である。その上、土地の貴族たちが優れた料理法を代々伝えてきたため、韓国の中で食文化が豊かで、食の都とも言われている。

 

チョルラド(全羅道)のキムチは唐辛子や塩気が強め

そして、全羅道のキムチは、旨味の濃い海産物を多く入っている。また、気候が温暖なため、防腐作用のある唐辛子や塩気が強めだ。

ソウルから3時間半、目的地の「高敞農楽伝授館」に到着

全羅道北部の都市、チョンジュ(全州)でローカルバスに乗り換える。
窓から見える景色には畑が広がり、ビルが立ち並び、人が多いソウルに比べてのどかだ。
気温もソウルに比べ暖かいが、雪が多い地域で、冬に来るとだいたい雪に降られる。以前雪でキムジャンが延期になったことががあって心配していたが、今回は大丈夫そうだ。
ソウルから3時間半ほどかかって、目的地の「高敞農楽伝授館」に到着した。
高敞農楽伝授館は、「農楽(のうがく)(※)」という伝統芸能を広めたり、次の世代へ伝える施設である。
(※)農楽(のうがく):韓国の伝統芸能。豊作祈願や豊作祝い、仕事の疲れを癒すために奏でる音楽の踊りのこと

今回は、ここに農楽を学びに来る学生や職員の方々が食べる1年分のキムチを漬けるのだ。

 

キムジャンでのキムチ作りは、①下漬け、②ヤンニョム作り、③本漬けの3工程を2日間かけて行う

キムチ作りの工程は、大きく分けて

 

①下漬け(一晩)
②ヤンニョム作り
③本漬け

 

に分けられ、だいたい2日間かけて行われる。そしてその前に、大量の食材を調達する。

私が到着した時にはほとんどの食材がすでに準備されていたが、食材は2~3日前から集めるそうで、チョッカル(塩辛)などを市場に仕入れに行き、白菜は畑に行き収穫するという。今年はどれくらいの白菜を漬けるのかと聞いてみると、なんと420玉!! 「最近の学生はキムチを食べる量が減っててねー」と続いたので、また驚いた。

 

白菜はキムチにすると倍の重さに。白菜1玉は2キロ、今回漬けるのは420玉!約1600kgのキムチ作りが始まる

白菜のサイズによるが、白菜はキムチにすると大体倍くらいの重さになる。白菜一玉は大体2キロなので、約1600キロのキムチを漬ける事になる。食べる量が減ったとはいえ1ヶ月で140kgも食べるなんて…。
キムジャンで使う食材はほとんど揃っているそうなので、翌朝の白菜漬けから参加させてもらう事になった。420玉漬けるのがどんな感じなのかまったく想像が出来ないが、胸が高鳴る。

いよいよ、キムジャン(キムチ作り)がスタート!

翌朝、高敞農楽伝授館に行くと、伝授館の職員さんの他、学生さん、食堂のアジュンマ(おばちゃん)、アジョッシ(おじさん)の総勢20名くらいが集まっていた。司令塔は食堂のアジュンマだ。

Photo:司令塔のアジュンマ

白菜を切る(割く):キムジャン(キムチ作り)

早速、主役の白菜を切っていく。
韓国の白菜は、日本の白菜に比べちょっと小ぶりで、水気が少なく葉が薄い感じだ。汚い部分のみをざっと落とし、下の方に切り込みをいれズザッと割く。そして、葉の方と根元の厚い部分が均等に漬かるように根元に切れ込みを入れ、芯を少し落とす。

 

白菜の切り方にも各家の個性が出る:白菜を切る(割く)

アジュンマ(おばちゃん)に教わった通りやっていると、別のアジュンマが来て「違うこうだ!」と言う。この切れ込みを入れる工程に限らず、ちょっとした所がアジュンマによって違う。同じ材料で作っても味が違うのはこのためだろう。
もちろん、どのアジュンマも自分の家のキムチが一番だと思っているので、何人かのアジュンマがいると、あーでもないこーでもないと意見がぶつかる。
アジュンマの声が頭の上で行き交う中、なんとなく間をとった感じで、アジョッシ(おじさん)が白菜を黙々と切っていく。それを参考に白菜をひたすら切り、割いていく。

雪が降ってなくてよかったが、作業する場所は外なのでやはりとても寒い。その上、同じ体勢で白菜を切っているので体がギシギシと痛くなってくる。

①白菜の下漬け:キムジャン(キムチ作り)

うず高く積まれた白菜の山がだんだん低くなってくる頃、厨房では風呂桶ほどある樽が並び、白菜の下漬けをする準備が進んでいた。
人手を要していたので、「ようやく暖かい室内に行ける!」とそそくさと厨房へ移動。引き続き白菜を割る人、他の材料を洗う人・切る人など、無駄のない素晴らしいチームワークで作業が進んでいく。

 

白菜の葉1枚1枚の間に塩をすり込み、樽に詰めて漬ける:白菜の下漬け

室内は暖かいと思いきや、厨房に外からの白菜を運ぶため扉は開けっぱなしな上、水を使うためこっちはこっちでだいぶ寒い。
ここでも中心と外側がきちんと浸かるよう、葉の一枚一枚の間に塩を入れ込み、白菜を樽にみっちりと詰めていく。自分でもキムチを漬けるからわかるが、白菜がうまく漬かるかどうかでキムチがおいしく漬かるかどうかが決まる。とても大事な作業なのだ。

キムジャンはまだ始まったばかりだが、前回紹介したソウルの友人の『とても大変です』の意味が、すでに身に染みてわかる。

Photo:樽は大きく深いため、腰を曲げての重労働

「洗った白菜を受け取る→塩を一枚一枚すり込む」の果てしない作業に耐えられず つい手を抜いてしまい、表面だけにぺぺっと塩をすりこんで樽に入れようとしたら、すかさずアジュンマが飛んできて注意された。アジュンマはすごいスピードで作業をしながらも、しっかり全体も見ているのだ。いくつか手を抜いてしまった白菜を、きちんとなおされた。

Photo:アジュンマの作業は、早いが丁寧。私だけでなく学生さんも注意されていた
Photo:粗めの海塩を白菜の葉1枚1枚の間にすり込んでいく

 

白菜でいっぱいになった樽に塩水を入れる:白菜の下漬け

全体が均一に効率よく漬かるよう、白菜でいっぱいになった樽に塩水を入れていく。

Photo:塩加減はアジュンマの舌で決まる

 

タライで重石をする:白菜の下漬け

Photo:タライで重石をする
Photo:その後、何度も白菜の漬かり具合をチェックするアジュンマ

 

白菜が塩に漬かり切っていないことを「白菜がまだ死んでいない」と表現することも:白菜の下漬け

アジュンマたちは、「白菜がまだ死んでない(塩に浸かりきってない)(배추가 아직 안 죽었다)」や、「もっと死なないといかん(배추가 더 죽어야 돼)」という言葉で、白菜の漬かり具合を表現する場合もある。

②ヤンニョム(キムチを漬ける合わせ調味料)の下準備:キムジャン(キムチ作り)

白菜漬けが一段落すると次はヤンニョム作りだ。
ヤンニョム(薬念、양념)とは合わせ調味料の総称のようなもので 食が薬になるという医食同源の思想に基づくと言われている。キムチ以外にも、韓国では料理を作るときやタレを作るときに使う。ヤンニョムは味を作る要である。

 

キムチの基本のヤンニョムは、地域や家によって異なる:ヤンニョムの下準備

キムチの基本のヤンニョムは、唐辛子、にんにく、ショウガ、玉ねぎ、ジョ(塩辛)、梨やりんごのペースト、もち米、だし汁に刻んだ大根、せりや長ネギなどを合わせたもので、地域や家によって多少異なる。
(ヤンニョムの材料については「キムチを漬け込む行事『キムジャン』に学ぶ、キムチ作りで大切な4つのこと【諸国菌食紀行】」参照)

 

今回のヤンニョムには、エビの塩辛の代わりに雑塩辛を入れる:ヤンニョムの下準備

ここでのヤンニョム作りを見てみよう。
まずソウルで聞いたキムジャンのヤンニョムと違ったのが、エビの塩辛が入らない。代わりに何を入れるかというと잡젓갈(チャプチョッ、雑塩辛)。要は様々な魚を混ぜて作った塩辛だ。

Photo:잡젓갈(チャプチョッ、雑塩辛)は、生臭みを取るため一度加熱して、 濾してから使う

 

今回のヤンニョムには、チョンガと呼ばれる海藻を入れる:ヤンニョムの下準備

またチョンガと呼ばれる海藻を入れるのがこの地域ならではで、これを入れるとキムチが爽やかなおいしさになるそうだ。そのまま食べると硬いので、他の料理には使わない。

Photo:市場で売られていたチョンガ。細かく刻んで入れる

 

ユクス(だし汁)を煮込む:ヤンニョムの下準備

キムチの旨味の一つであるユクス(だし汁)。干しタラの頭、干しイワシの焼いたもの、玉ねぎ(白、紫)、大根。そして砂糖は入れず、梨で甘さをつけるのだという。大きな寸胴で長時間煮込み、最後に昆布を入れてさらに煮込む。

Photo:とにかく旨みが出そうな食材がこれでもかと入る。肉系の食材は入れない
Photo:昆布は最後に入れる
Photo:旨みは強く透き通った味、後味もすっきりしている
Photo:乳酸発酵を促す米
Photo:粉唐辛子以外にも丸ごとの唐辛子を荒く挽いたものを混ぜていた

 

ヤンニョムに入れる野菜を切る:ヤンニョムの下準備

ヤンニョムに入れる野菜たちも合わせて切っていく。これがまた半端ない量である。基本的な野菜のほか大根の葉っぱも入れていた。

Photo:長ネギ、大根の葉は1cmぐらいに刻む
Photo:せりは葉だけを落とし5cmくらいに切っていく
Photo:ショウガは皮をこそげ落とし、玉ネギやニンニク、梨はざく切りにして機械でペーストにしていく
Photo:みんなで手分けして準備していく

キムジャン1日目の終わりは、『コッチョリ(軽く塩をした野菜をヤンニョムで和えた即席漬け)』で夕食

午前9時から始まった作業が一段落したのは夜の8時頃…。ヘトヘトだ。
去年のキムチで作ったチゲと、キムジャンで出た白菜漬けの切れ端で作った『コッチョリ』をアジュンマが作ってくれた。それをみんなで食べて、1日目は終了。次の作業は早朝4時からとの事で、少しだけ仮眠を取る。

Photo:白菜のコッチョリ。コッチョリの“コッ” は「表面」「外側」、“チョリ”は「漬けたもの」。 軽く塩をした野菜をさっと簡単なヤンニョムで和えた即席漬けのようなもの
Photo:酸味が出たキムチは加熱するとさらに独特の旨みが出ておいしい

下漬けした白菜を水ですすいで干す:キムジャン(キムチ作り)

休憩時間はあっと言う間に終わり、重い体で白菜が漬けてある厨房へ向かう、とすでに学生さん達がスタンバイしていた。
あふれそうになっていた白菜はしんなりと樽に収まり、食べてみると気持ちしょっぱめの浅漬けの白菜だ。

 

下漬けした白菜を水で3回すすいで、水を切るために外に干す(とうか、積む)

Photo:しっかりと漬かっている白菜

本日ここでの作業は、一旦漬けた白菜を水で3回すすぎ、外に干す(水を切るため積む)。学生さん達(しかいない)とズブ濡れになりながら白菜を洗って、真っ暗な外に運び、積んでいく。

Photo:水を張った樽で3回に分けて白菜を洗って、外に運んでいく
Photo:濡れた白菜は重く、扉は開けっ放しのため寒い
Photo:朝、明るくなってからの光景。傾斜がついている板の上に白菜が積まれている

1時半ほどかけてこの作業を終える頃には冷えと疲労で体はガチガチ。白菜の水気を切っている間、オンドル(床下暖房装置)の上で本漬けが始まるのを3時間ほど待った。

②ヤンニョム(キムチを漬ける合わせ調味料)を完成させる:キムジャン(キムチ作り)

朝9時頃になるとアジュンマや職員さん達がやってきて、本漬けの準備が始まった。前日煮込んだユクス(だし汁)とチャプチョッカル(塩辛)を漉し、切っておいた野菜や煮た米など、様々な食材が樽に入れられ、混ぜられていく。

 

ユクス(だし汁)に、チャプチョッカル(塩辛)と野菜、煮た米などを入れ、混ぜる:ヤンニョム完成

Photo:まずは野菜たちを混ぜていく

Photo:お次は、ペーストにしたニンニク、ユクス、チャプチョッカル、大量の粉唐辛子を入れていく
Photo:発酵を促す米
Photo:ヤンニョムの完成!

ヤンニョムは、下から持ち上げるようにして混ぜる:ヤンニョム完成

混ぜ方もポイントがあり、ぐるぐるかき混ぜるのではなく、下から持ち上げるよう手でかき混ぜるのだと、アジュンマが学生さん達に指導していた。アジュンマが時々味をみて、塩やコチュカルで調整してヤンニョムは完成した。

ヤンニョムと下漬けした白菜の2つがバランスよく合わされば、キムチは成功する

おいしいヤンニョムと上手に漬かった白菜、そしてその2つがバランスよく合わされば、キムチは成功する。
アジュンマ達が白菜漬けの切れ端で味をチェックする。味が決まったようで、みんなも端切れの白菜漬けにヤンニョムをつけて味を見て頷いている。何年もくり返しているので、アジュンマたちの舌は発酵した後のキムチの味も想像できるのだろうか、どうやら今年のキムチはおいしくできるらしいとの事。
私もいただいたが、爽やかで旨みがしっかりあるおいしいキムチだった。しかし、発酵が進んだ去年のキムチの味とは結び付けられなかった。

③白菜の本漬け(下漬けした白菜の葉1枚1枚の間にヤンニョムを入れる):キムジャン(キムチ作り)

味の要、ヤンニョムが完成し、ほっと一安心している足元へ、ごろごろーっとロール状のビニールシートが広げられた。そしてそこへ下漬けされた白菜が積まれ、その横にヤンニョムが流された。
白菜山とヤンニョム池の周りに等間隔で人々が陣取り、座った瞬間に慣れた手つきで白菜をつかみ、ヤンニョムを白菜1枚1枚の葉の間に入れ込んでいく。

いよいよ本漬け、クライマックスだ!

 

下漬けした白菜の葉1枚1枚の間にヤンニョムを入れる:白菜の本漬け

疲れも吹っ飛び、私もその中に加わり、隣の人を見ながらヤンニョムを入れていった。
一見、ぱっ、ぱっ、と白菜の葉の間に手を入れているだけのように見えるので、同じ感じでやってみると「違う!」と手を止められた。

 

ヤンニョムは、白菜に「塗る」のではなく「乗せる」:白菜の本漬け

ゆっくり見せてもらうと、右手でヤンニョムを取り葉の間に塗るように見えていた動きは、正確には塗るではなく、置くや乗せるに近い。「ちゃんとヤンニョムが入ってないとおいしくないよー、だめだよー」と注意された。
気をとりなおして、葉も一枚一枚広げ、奥のほうまでヤンニョムを挟んでいった。

 

ヤンニョムを入れた白菜をキムチタッパーへ入れる:白菜の本漬け

ヤンニョムを入れ終わったら、ぐるりと丸いキムチタッパーへ白菜を入れていく。そしてタッパーはキムチ冷蔵庫へ。
クライマックスと思いきや、白菜もヤンニョムもまったく減っていかないむしろどんどん追加されていく。

Photo:減っていかないヤンニョム

 

キムチタッパー内の白菜の隙間に、ヤンニョムをすり込んだ大根を詰める:白菜の本漬け

ヤンニョムを挟み込むこと約2時間、ようやく白菜が終わり大根が積まれた。
ざっくり切られた大根に残ったヤンニョムをすり込み、白菜キムチの隙間に詰め込んでいく。

Photo:最後まで味の調整に余念がないアジュンマ

白菜を切り始めてから27時間後、ようやくキムジャンの幕が下りた

最後の大根が詰め終わると、一部残ったヤンニョムが集められ、床に敷いたビニールが巻き取られた。
時計をみると12時10分を指していた。白菜を切り始めてから27時間、ようやくキムジャンの幕が下りた。

キムジャン終了後にみんなでいただく食事の準備

キムジャンの片付けと並行して食事の準備が始まる。
手伝おうと立ち上がろうとしたが長時間同じ体勢で座っていたため、しびれた感じで立ち上がれない。でも準備している料理がみたい。

 

キムジャンが終わったときによく食べるのが、漬けたてのキムチとゆで豚

なんとか立ち上がりよろよろと厨房へ向かうと、いつの間にか大鍋で茹でられていた豚をアジュンマが切っている。
キムジャンが終わると、漬けたてのキムチと茹で豚をよく食べる。じっと見てたら一枚食べさせてくれた。湯気が上がる切りたての豚は脂がほどよく落ちうまい。そこへセウジョ(塩辛)で作ったヤンニョムがつく。

Photo:アジュンマ特製のエビの塩辛で作ったヤンニョム。 韓国で肉を食べるときは、キムチか醤油、味噌、塩辛などの発酵した食材で作ったヤンニョムが添えられる
Photo:テーブルには生牡蠣、キムジャンで余ったヤンニョム、生マッコリ、焼酎、ビールが置かれていく。 そしてキムジャンの漬けたてのキムチも

キムチは、漬けたてでも(発酵熟成していなくても)おいしい

キムチは発酵食品なので、時間を経て発酵熟成しないと食べられないと思っている方も多いが、つけたてもおいしい。
ここで面白い話を聞いた。

 

キムチを漬けた翌日から約10日間はキムチがまずくなる。その期間を『김치가 미쳤다(キムチが狂う)』と言う

漬けた当日はおいしいのだが、翌日から約10日間ほどキムチがまずくなる期間があり、その期間の事を『김치가 미쳤다(キムチが狂う)』と言って食べないそうだ。
実際、分けてもらったキムチを3日後くらいに食べてみたら、なんだかおいしくない。落ち着いてないというか…。ところが言われた通り、10日以上経ったものを食べたら、なるほどおいしい。味がまとまり、旨味が増している。

Photo:10日以上経ち、正気を取り戻したキムチ

キムチには様々な食材が入るため、当日はいいが、翌日くらいから食材それぞれが違う速度で発酵していき、それが落ち着くのがだいたい10日間くらいなのではないかと思う。

ちなみに我が家のキムチは狂わないし、韓国のキムチと比べて味の変化が少ない。気候や野菜の種類の違いかと思っていたが、野菜が中心で、魚介系の旨味や米などを使わないからではないかとも思った。

 

とある家庭では、毎年1,000玉以上の白菜を使ってキムチを漬けるところも!

参加者の方に、「今までで一番たくさんキムチを作ったときは、白菜を何個くらい漬けましたか?」と聞くと、ある人の家では毎年1,000玉以上漬けるとの答えが返ってきた。
420玉でこの大変さなのに、1,000玉って…。商売でもなんでもない、普通のお家での話だ。凄すぎて言葉が出ない。その家のアジュンマがとても料理上手で、沢山の人がキムチを欲しがるので、漬ける量がどんどん増えてしまったそうだ。

それぞれの“手の味”があるから、キムジャンで漬けたキムチはおいしい

「地域や食材が同じでも、あの人のキムチがおいしいと言われたり、そうでなかったり。面白いですね」と私が話すと、まだ若い職員の方が「それは、손 맛이있다(ソンマシイッタ、“手の味”)があるからだよ」と教えてくれた。
切ったり、揉んだり、割いたりの動作はだけでなく、それぞれの手の味が食材に加わり、他にはないおいしさが生まれるそうだ。近年は手袋をしてキムチを作るが、昔は手で漬けていたのでなおのこと味の違いは出たと思う。

手の味の話を聞き、何度漬けてもおばあちゃんのキムチの味を作れない理由がわかった気がした。手の味とは、手についた菌たちのことなのかもしれない。
また、地域によって味が変わったり、同じ地域でも味が違ったりするのは、食材や気候だけでなく“土着の菌”の違いもあるのだろう。
それぞれの手の味がするキムチが続いていく事を願いつつ、来年は違う土地のキムジャンに参加してみたいと思った。

 

出典:haccola(ハッコラ)


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この記事を書いたライター

「発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ)」は発酵食品のある毎日を楽しむためのメディアです。健康・美容に役立つ発酵食品のレシピやニュース、おいしい発酵スポット情報をお届けします。英語版「Enjoy “hacco”life haccola」もあります。・発酵ライフを楽しむ haccola(ハッコラ):https://haccola.jp/・Enjoy “hacco”life haccola:https://haccola.jp/en/
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