

子供おばさんは、争い事が起きたとき、「相手は悪い人だ」と決めつけます。でも、現実はそんなに単純ではありません。


世の中のもめごとは、良い人と悪い人とがぶつかり合っているだけではなく、良い人同士がすれ違っていることが多いものです。
ではなぜ、良い人同士がぶつかり合うのか?それは、お互いが、もしくは片方が「相手の立場に立って物を見る」ことができていないからです。
だから、思いがすれ違い、自分は被害者気分で「相手が悪い」と決めつけてしまうのです。
でも、そこにあるのは「悪気」ではなく「未熟さ」なので、自分が相手の立場に立てていないことに気付かないことも多いものです。
余程のサイコパスではない限り、人を傷つけたいと思う人はそうはいません。大概、人が相手を攻撃するときは、「自分を守ろうとする」ときです。
基本、「自分の立場が危うくなる」という恐れが、人に誤った行動をさせます。
だからこそ、この世界には争い事がなくならないのです。自分を守ろうと思うのは、誰もが持つ自己防衛力ですしね。
そこにあるのは悪というよりも、「恐れ」
大きなコンプレックスを抱いている人、被害妄想に陥る人、自分を責める思考パターンを持っている人は、特に「恐れ」を抱きがちです。
例えば、必要以上にお金を持つことを望む人は、「この世界はお金がないと生きていけない」と怯えていたり、「お金を持っていないと、周りから認めてもらえない」と自分に自信がなかったりします。その結果、汚いやり方でお金を得ようとする人もいます。
社会的な権力を持つことに躍起になる人は、「権力がないと、自分は人に相手にされない人間なんだ」と恐れています。それが度を過ぎると、手段を択ばず出世を目指す人も出てきます。
究極なことを言えば、世界征服したい人は、大きなコンプレックスを抱いている人とも言えます。
「自分には力がない」というコンプレックスから、多くの人を支配するような大きな力を持って安心したいと願うのです。
あのアドルフ・ヒトラーも、人一倍コンプレックスを抱いていた人だと言われますしね。
つまり、世の中にある「悪」と呼ばれているものの多くは、「恐れ」が根源になっていることが多いもの。だから、厄介なのです。この世界で、恐れを抱かない人は皆無ですしね。
それで言えば、世の中に少なくとも「貧困の恐れ」がなくならない限り、戦争は終わらないとも言えます。だから、自分を守るために、相手を攻撃していたら、いつまでたっても世界平和にはならないでしょう。
「恐れ」に負けないためには?
では、人が自分の「恐れ」に負けないためには、どうしたらいいでしょうか?
人の一番高度な思いが「愛」であり、その対極にあるものは「恐れ」だと言われています。
つまり、自分の「恐れ」に負けないためにも、まずはきちんと「自分を愛する」ことが大事なのです。
自分が“ありのままの自分”をきちんと認め、受け止められたら、行動は随分変わっていきます。
それができないから、変なコンプレックスを抱いたり、被害妄想をしたり、自分を責めたりして、人は「恐れ」を抱いてしまうからです。
それで言うと、自分を愛している人は、心に余裕があるので、人のことも愛せるし、相手の立場に立って物を見ることができます(※ここで言う「愛」は、恋愛における惚れた腫れたといったものではなく、もっと大きな愛=思いやりのことです)。
つまり、そういう人は、例え相手と意見が食い違っても、単に「相手が悪い」と決めつけず、折り合いをつけられるのです。
実は、相手を「悪い人だ」と思ってしまうのも、自分の「恐れ」から来ています。
「相手が悪くなければ、自分が悪者になってしまう」と怖がっているのです。
でも、世の中には「どっちも悪くない」ことだってありますよ?
まずは自分が誤った行動をしないように、自分の「恐れ」を手放せるようになりたいものですね。
・子供おばさん…争い事が起こると、「相手は悪い人」だと決めつける。
・大人女子…争い事が起きたときは、相手が何を怯えているかをよく理解し、折り合いをつける。