近年、子育と仕事を両立させるワーキングマザーが増えています。
しかし、社会的な環境整備は十分とはいえず、ジレンマを抱えるワーキングマザーが多いのが実状です。
今回は、「ワーキングマザーに関する意識調査」を基に、ワーキングマザーの「意識とジレンマ」を見て行きたいと思います。






「出産前と比べた、仕事への意欲」の調査に対して、
以前より意識が高かった社員と合わせて「意欲が上がった」との回答が92%を占めました。
子供を持ったことと、今まで通りの働きかたが難しくなること、
責任のある場所が2か所できたことによって、人生観や意識が変わるようです。






「ワーキングマザーの部下に、管理職が配慮すること」は
業務時間内の帰宅が85%、業務量の適正さが75%。






「ワーキングマザーが管理職に求める配慮」は
ミーティングなどの実施時間が58%、情報共有の方法が50%です。
時短勤務や家庭のために早い帰宅を、と配慮する管理職と、
情報や知識の共有が足りないと感じ、業務や周囲との、
スキルの差に不安を抱えるワーキングマザーとの、すれ違いがみられました。
働きたいけど時間の短いワーキングマザーに対する適正な業務量の配分は、管理職も難しいようです。






管理職の求めることとワーキングマザーの意識が一致した項目をご紹介します。
「ワーキングマザーの部下に求めたいこと」
時間内での生産性アップが70%、業務を抱え込まない59%。
「ワーキングマザーが仕事や周囲に意識していること」も
時間内での生産性アップ88%がトップで、周囲への感謝と配慮79%です。
時短勤務を利用するなら、短い時間で効率アップしなければならず
上司もワーキングマザー本人も重要視する点は、一致していました。
急に抜けることもあるワーキングマザーは周囲に遠慮して、業務を抱え込む傾向が見られますが
いつでも引き継げるよう、業務が「見えるように」との声もありました。






毎日が時間との勝負で忙しいワーキングマザーです。
時間に対する意識向上、価値観の多様化や、キャリアイメージをその姿で示すなど
気付かない所で周囲に良い影響を与えている、との回答も多く見られました。
子供も欲しいし仕事も思い切りしたい。
多くの女性がその2つで葛藤しますよね。
どちらの責任も果たそうと、頑張り過ぎてキャパを超えたり
逆に両方とも、中途半端になるかもしれません。
近年「なでしこ銘柄」の選定など、社会が女性の活躍を望む声は大きいですが
現実は追いついているのでしょうか、実際に働く皆さんがよくご存知だと思います。
仕事と育児の両立はまだ整っていないと感じます。
社会や企業の面から環境は整ってきていても、両方を普通に手に入れるための
実際のモデルケースは、自分達で作らないといけないのかもしれませんね。
調査対象:ワーキングマザー本人が24名、その他社員が585名
Photo by Dustin J McClure