ネットの情報によると、ノマドワーカーとは、電源を求めてさまよい歩く人のことのようです。
なにも悪口を言いたいのではなく、ホントにそう定義されているのです。
「ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを使い、Wi-Fi環境のある喫茶店など、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指す日本語の表現。また、そのような働き方を、「ノマドワーク」という」(wikipedia)。ほら、ね。
「端末とWi-Fiを使っていれば、やがて充電がなくなるから、電源が欲しくなる」と明記されていないだけのことです。
よくわからないこと
その間に、「雇われない働き方」とか「ノマドワーカー」とか、いろんな「トレンドっぽい働き方」が語られては消えていきました。
個人的には騒がしい外野の声くらいに、そういう声を聞いていました。べつに嫌いじゃないけど、なにやら周囲が騒々しいなあという感じでした。
ノマドと言わず、「わたしは組織の中でうまくやっていけないので、個人事業主になります」でよくね?(ぼくのことです、はい)
「わたしは有名になりたいから個人で仕事をします」で、よくね?(SNSにいっぱいいますよね、こういう人)
これのなにがいけないのか、よくわからない。
当時は、ノマドワーカーに憧れている人を、先にノマドっている人が集めて、お金をとってセミナーをやっていたと記憶していますが、お金をとってまでなにを教えていたのでしょうか?
教えている内容がツマラナイから返金してくれと怒った人はいなかったのでしょうか?
少額ずつ数多くの人からお金を集めていたから、相手も諦めて返金の要請がなかったのでしょうか?
インスタ映えする働き方=最先端の働き方
たとえば今は、おしゃれなカフェのようなインテリアのIT企業で働くことが「最先端」と考えている人が多いのか、どこのIT企業に行ってもカフェのようなインテリアです。
そのままベッドと歯ブラシを持ち込むと、雑誌に載るような洒落た暮らしができちゃうのではないか、という感じにおしゃれです。
そういうところで、アップルのマークの機械とWi-Fiを使って仕事をすれば「最先端っぽく」見えるので、女性誌はよくそういうところで写真を撮っています。ようするにインスタ映えする働き方=最先端の働き方、です。
1度は最先端の働き方をしたいと思っている人は、そういう会社に応募して働いてみるといいかもしれません。
足元をウロウロしている最先端のお掃除ロボットにけっつまずかないように気をつけつつ仕事をすれば、あなたもインスタ映えするいい女性に見えるはずです。
切り取り方の問題でしょう
最先端の仕事っぽくても内情は大変。
だからインスタ映えする社内で、さっぱりインスタ映えしないかっこうで徹夜している人がいるのです。
写真が風景の切り取り方によって、インスタ映えしたりしなかったりするように、働き方も「どこを切り取るのか」によって、見栄えがしたりしなかったりするのです。
ぼくも若い頃は、おしゃれな仕事に憧れてきたので、よくわかります。
つまり、個人事業主とか、吹けば飛ぶような零細企業の社長と呼ぶのか、ノマドとかベンチャー企業の社長と呼ぶのか……ということ。
最先端の働き方問題も、問題の切り取り方や呼び方の問題と捉えたら、「わたしが勤務している今の会社はダサいけど、まあこんなもんかな」と思えてくることもあるのでは?
そう思えないのであれば、ぜひ積極的に最先端と思える仕事に転職してみては?
ぼくの経験から予言しておきますが、最先端の働き方に憧れてなんらか行動するというのは、1周回って同じ場所に帰ってくること必至。
でもまあ、無駄な1周ではないと思うので、よかったら転職を。(ひとみしょう/文筆家)
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