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2021年01月07日更新

【女子のばんそうこう】「バチがあたった」という考え方。

 

 

新年あけましておめでとうございます!今年も「女子ばん」をよろしくお願いいたします!

昨年の暮に「来年はもっとみんなで会えますように」「来年は一緒にライブに行きたいね」と友達と言い合ったけど、結局実家への帰省はできなかったし緊急事態宣言が出そうだしで、「2020年よく頑張った!」と思いながら年を越した私たちに、試練はいまだ続きそうっすね…。

 

年末年始は深夜に色んなドラマの一挙再放送をやっていたので歓喜しつつ録画し、毎日少しずつ観てました。その中でも野木亜紀子さん脚本の「アンナチュラル」はやはり名作で、ボロボロ泣きながらグラスにどんどん酒を注いでおりました(正月ダメ人間)。

そんな「アンナチュラル」の中で、とても心に響いた台詞があったのです。

 

妻を亡くした老人が自らを「バチがあたったんだ」と評します。「俺がろくな亭主じゃないから、神様に取り上げられたんだよ」と。すると松重豊演じる神倉さんはこう言うのです。

 

「美代子さんはクモ膜下出血で亡くなったんです。誰のバチでもない。死ぬのにいい人も悪い人もない。たまたま命を落とすんです。そして私たちは、たまたま生きている。たまたま生きている私たちは、死を忌まわしいものにしてはいけないんです」

 

不自然死を解明する研究所の所長という立場からの確固たる言葉。これは、災害や事故などで生き残った人間が抱く「生存者の罪悪感」という根強い感情に差し伸べられた手でもあります。でもこの台詞は、今の私たちの状況にものすごく当てはまるよな…とも思ったのです。

 

どんどん増える感染者、先の見えない生活。そうなるとじわじわとわいて出てくるのが「アイツはあんなことをしてるから罹患したんだ」という「バチ」的なものの見方です。○○を守ってないから、○○な仕事をしているから…そうやって叩かれた人たち(例えば夜の街で働く人)だって生きるために必要だから働いている。補償が出ないままであれば働かざるを得ないのはどんな仕事も同じですよね。仕事だけではなく、さまざまなライフスタイルの人が暮らすこの社会で「バチあたり」を見つけて因果応報的にあげつらう(それが他者の場合もあるし自分自身の場合もある)のはこの国の悪いクセだなーとつくづく思います。

今回、本当に批判すべき相手がいるとしたらそれは市井の誰かじゃなく、きちんとした補償や対策をとらない政府だろうと私は思います。「上」の無為無策にはだんまりで、叩きやすい「横」や「下」や「己」を責める。こういうのって「上」の思うツボだよ!と思うのは私だけでしょうかね。個人のせいにしておけば何かとラクで便利だもんね。

 

【女子のばんそうこう】「バチがあたった」という考え方。画像

 

そもそもコロナ禍の話だけではなく、「○○だからバチがあたった」は女性にとってはおなじみの文句。露出が多い服を着ているから、酒を飲んだから、夜道を歩いているから、男の部屋に上がったから、性産業に従事しているから…。「そういう女は悪いことをされても仕方ないのだ」というたくさんの声。ほんとにくだらない話です。従順でも控えめでもなく誰かが勝手に望む基準にはずれている、ただそれだけ。そういう女に神様はバチなんてあてませんわ。

 

「バチがあたった」はすなわち「自責思考」です。自分がこうだったからいけないんだ。あの人は悪い人だから悪いことが起きたんだ。すべて個人、その人の責任。その考えが100%間違ってるとまでは言いません。確かに人生で「バチがあたったな」と思って反省することはある。だけどこういうご時世で自責思考にとらわれすぎるのは、まるで小さな檻の中に進んで入り、自分自身や本来手を取り合える誰かを傷つけるゲームを始めるがごとく、おっかなくて愚かしいことです。どうせパンチをお見舞いするなら、檻の外でそのゲームをニヤニヤと見物している奴にしましょう。2021年、これを読んでるあなたにはご褒美こそあれど決してバチなんてあたらない。自分や誰かを勝手に「忌まわしいもの」にするのは、くれぐれもやめましょうね。

 

 

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この記事を書いたライター

広告会社コピーライターからなぜかダンサーに転身、その後IT企業でライター&クリエイティブディレクターとして勤務。共同購入「ギャザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。2000年から「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを書き続け、ごく一部でコアな人気を博す。現在はフリーでライティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。Blog: 「フーテンひぐらし」 Twitter: @HironoYuna
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