あれですね、人と会う予定もなく「なるべく家にいよう」と思って暮らしてるとどんどんお太りになられるんですねマイボディ…。活動量も仕事モチベーションもガタ落ちなのになぜか食欲だけは右肩上がりなの謎すぎる。この期間、唯一いいことがあるとすればそれは「本を読む時間が増えた」ということです。
というわけで今回は緊急事態ライフに読んでみて欲しいなーと思っている「女子のモヤモヤをスッキリさせ、心身に栄養をもたらす本」3冊をご紹介しますね。
★「美容は自尊心の筋トレ」長田杏奈
タイトルが既にもうよくないですか?自尊心って筋肉みたいに鍛えられるんですよ…!
こちらは雑誌やWebで美容にまつわる記事を書いてきたライターさんによる本。とはいえ「キレイになろう!美意識高くしよう!」と提唱する本ではないです。「絶対的な美」を目指した挙句に自分を否定し卑屈になるような美容ではなく、自己を愛し優しく扱えるようになるためのセルフケアを。そんなメッセージやコツがたくさん書かれています。何がいいって、各章の見出しがいちいち刺さるのですよ。
・この世にブスなんていない
・自虐は自分も人も傷つける、諸刃の剣
・役割スタンプラリーからの卒業
・「ポジティブ至上主義」が蓋をするもの
・平均年齢45.9歳の国で年齢を恥じると詰む
…ね、いいでしょう。「キレイになりたいと思うほど凹んでゆく」「自己肯定感が低すぎてイヤになる」など、コンプレックスや外見、年齢などに恐れを抱く人にぜひ読んで欲しいです。
★「キングコングセオリー」ヴィルジニー・デパント
前述の長田さんの本が「我ら日本に生きる女は大変だよね。でも大丈夫」と温かく肩を抱いてくれる本だとしたらこちらはいきなりハーレーを横付けされて「オラ飛ばすぞ!振り落とされないようにつかまってな!」っていう本です(どんな?)。
現代フランスを代表する女性作家である彼女のこの本、分類するなら確かに「フェミニズム」のカテゴリー。しかしこれほど爆裂なドライブ感のあるフェミニズム本、なかなかないぞ。
「私はブスの側から書いている。ブスのために、ババアのために、(中略)「いい女」市場から排除されたすべての女たちのために。最初にはっきりさせておく。私はなにひとつ謝る気はない。(中略)自分の居場所を誰かと交換するつもりもない」
強くて刺激的な言葉が溢れる本だけど、書かれていることは何ひとつ大げさじゃない。皆が見て見ぬふりをしていた、または婉曲に表現していたことばかり。自らのセックスワーカーとしての経験から「分かってるふう」を装う私たちの欺瞞までどんどん暴いてゆく。社会に周囲にそして自分に、何かしらの抑圧、怒り、悲しみなどを感じている女子と男子にぜひ読んでスカッとドキッとして欲しい。
★「今日の人生」益田ミリ
何ていうか疲れちゃうんですよ。女がどう男がどうとか肯定感とか今はいいから、心穏やかに暮らしたい。
そんなあなたにはこの本を。益田ミリさんは著作も多く大変に人気の高い方ですが私はこれが初・ミリでした。コロナ禍でやさぐれることが多くふと手にとったらもう、心がふあーんと静かになって世界観が沁みわたり、色々と気持ちの変化が起きた本です。
4コマ漫画の体裁で日々の小さな出来事や思いがシンプルすぎる線で淡々と描かれてる。特別なこと劇的なことは起こらない。でも誰もが瞬間で忘れてしまうようなことを丁寧にすくい上げ丁寧に並べる。すべての名称をとっぱらって私は人間、私は私。日々普通に生きることってこんなに愛しくて楽しい。そんな気持ちになる本です。「2」もあるので日々の息抜きに少しずつ読んでも長持ちします。
それぞれキャラが全く異なる3冊ですが、「読んでよかった」という満足感は保証します!よかったら今の自分の気持ちにフィットしそうなものをぜひ手にとってみて下さいね。
【出典】
長田杏奈(2019)『美容は自尊心の筋トレ』 Pヴァイン
ヴィルジニー・デパント(2020)『キングコングセオリー』柏書房
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