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【女子のばんそうこう】チャリと社会と男と女。

女子のばんそうこう

 

いきなりですが、我が家の自転車の話から始めます。

私は前のをダメにしてからはずっと自分の自転車がなく、夫のを一緒に使っていました。いわゆるタイヤもフォルムも全体的に細く、ヒツジのツノみたいにくるんと丸まったハンドルで、身体を前傾して乗るやつです。

しかし私にとってはあまりに使いづらく「やっぱ自分用のママチャリを買う!」と言った時に夫が言ったんですよ、「かっこいいし乗りやすいし…これでいいのに。わざわざママチャリ買う必要ある?」と。その時「あーなるほど分からないんだ」と思いました。

 

私の自転車の主な使い道はスーパーでの買い物です。夫のいわゆる「ロードバイク」ってやつはスマートに速く走ることに特化してるので基本カゴも荷台もない。夫は自分で小さなカゴをつけましたが、スーパーでがっつり買い物した袋は到底入りきらんのです。どうにか入ったとしてもカゴが浅くて中身が落ちたりする。そもそもスタンドが片方だけについてるので停車状態は基本ナナメ。乗る前にカゴに重いモノを入れると重心が乱れて自転車ごと横転しそうになるのです。

でも夫にとって自転車は素早く目的地へゆくためのもの。買い物に寄るのはせいぜいコンビニ。ぱんぱんに膨らんだスーパーの袋を両手に持って「さあ乗るぞ」という状態を全く想定できない。だから「いい自転車があるのになぜもうひとつ増やすの?(しかもダサいやつを)」ってなるのでしょう。

 

なぜ我が家の自転車事情を長々とお話ししたかというと、これって日本社会に似てるなあと思ったからです。

 

「男は外で働き、女は家事育児」の時代から幾星霜。だけどいまだにそこかしこで噴出する「女はそもそもこれに向いてない」「女はこれが苦手だから」の意地悪な声。やれ結婚出産ですぐ辞めてしまうだの、ビジネスに感情を持ち込むだの、管理職になるのを嫌がるだの…。これらは非常にもっともらしいデータと共に出てくるので、我々女性自身も「うーん…女ってそういう性分かも」なんて思い込んだりしてたんですよね。

 

男はビジネスに向いてるが女は向いていない?男は社会性が高く女はウチ向きの特性が強い?だから社会はおのずと男性が動かしてる?いや逆でしょ。

 

逆というのは「乗り手(性別)の問題ではなく、乗り物(うつわ)の問題では?」ってことです。

 

いまの日本社会は多少変わったとはいえいまだ「家庭にフルコミットする必要のない男性に最適化された状態」で走ってるわけです。これって、前述の「スマートに速く走ることに特化したロードバイク」とおんなじなのではないでしょうか。

 

両手いっぱいの買い物袋を持ってたり、子供二人を前後の補助席に乗せて坂道を登らなくちゃいけない仕様の社会には全くなってない。ひたすら「仕事だけを手に駆け抜けること」のために整えられた社会なのです。

そんな社会にライドオンすると、仕事と家事育児を両方抱える人はうまく乗りこなせずに転んじゃうし、何かを成し遂げるのに時間がかかる。「子供がいるからこのシステムにはとても乗っかれない」と、出産を機に降りてしまう人も多い。

それを「ほらな〜女は乗りこなせないんだよ」「そもそも向いてないんだよ」と言われてるだけだよね?

【女子のばんそうこう】チャリと社会と男と女。

私も若い頃は「女のそーゆーとこアカンと思う」なんて言ってたりしてました。でも年を取った今ならわかる。

女がアカンのではない。男に最適化された社会や組織においては、女がやりづらいこと、勝手に下に位置付けられてることがめちゃくちゃ多いし、必要な機能が備わっていない。「女はここがダメ」ブランディングも長年かけてプロモーションされてる(ゆえに男が仕事で嫉妬深くて感情的であっても決して「男はここがダメ」にはならない)。

中にはド根性でロードバイク社会を乗りこなした女の先輩もいます。彼女たちの中には自らの経験にもとづき「死ぬほど頑張ればいける!できないのは甘えよ」なんて檄を飛ばす人もいます。

 

いや、違うでしょ。

社会という乗り物の構造を変えようや。

2022年の日本はもういい加減、「ロードバイク的社会」から「子供乗せ電動アシスト自転車的社会」にすべきでしょ。他の先進国はとっととそれを推進してるよ。

 

女性以外でもこの社会に乗るのがキツい男性もいるだろうし、さまざまなマイノリティの人たちもいるでしょう。もういい加減ムリになってきてるんですよこれまでの仕様じゃ。でも我が国のえらい人を見てると昭和男性最適化のままで何の疑問も抱かないどころか何なら明治くらいまで逆行しようとしてるのであんまり期待ができない(うんざり)。

 

せめて我らひとりひとりが「適応できないのはソイツの甘えや能力の低さ」なんて決めつけをやめるところから始めたい。そして女性自身も「わたしだから」「女だから」と卑下したり自分を責めたり枠をせばめたりすることはやめていいんだ。それはあなたのせいじゃなく社会の問題。皆でどんどん「仕様が古い!変えろ!」と声を上げながら、シンプルロードバイク社会に色んな機能をカスタムしてゆきましょう。

 

 

今日のおたより

頑張って結婚してもそれはゴールじゃない。そこから気の遠くなるほどの「すり合わせ」が始まる。この言葉すごく好きです。(ああああ)

 

ああああさん、「婚活ってなんだ〜ミナミさん(仮名)に思うこと」を読んで頂いてのお便りありがとうございます!36歳男性からそういう共感のお言葉が聞けるのはうれしいというかガシッと握手したい気分です。本当に本当に、すり合わせの連続なのですよね結婚って…(そして合意に達しないことばかり)。(あゆみ)

 

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(おたよりは掲載する場合もありますのでペンネームを添えて下さいね)

 

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この記事を書いたライター

広告会社コピーライターからなぜかダンサーに転身、その後IT企業でライター&クリエイティブディレクターとして勤務。共同購入「ギャザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。2000年から「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを書き続け、ごく一部でコアな人気を博す。現在はフリーでライティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。Blog: 「フーテンひぐらし」 Twitter: @HironoYuna