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2019年07月11日更新

子どものしつけに体罰はいらない?体罰禁止を法制化する国が増加

子どものしつけに体罰 体罰禁止を法制化

親から子への虐待による事件がなくならない中、政府は体罰を禁止するという内容を児童虐待防止法などに盛り込むことを検討しています。体罰禁止を法律化することには賛否両論あると思いますし、それについてはここでは触れません。

しかし海外に目を向けると法律で体罰を禁止している国はいくつもあります。日本で参考になることも少なくないと思いますが、どのような対応をしているのでしょうか。

国内の虐待は増加している

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが実施したインターネットの調査では、日本で成人2万人の約6割が「子どものしつけ」として体罰を容認し、子育て中の親の約7割が実際に子どもを叩いた経験があるということでした。

日本では子どもへの体罰や暴言を「しつけの一環」として容認する風潮があります。「家庭のしつけに口をはさむな」「怒鳴るのは仕方ない」「叩かなければ痛みが分からない」という意見も少数ではない為、法律で体罰を全て禁止するということに違和感のある人も多いようです。

そんな中、児童虐待相談の対応件数は、2000年では2万件、2006年では3万5千件、2010年では5万件、2014年では9万件、というように増加の一途を辿っています。さらに、過度な体罰から虐待へと発展した悲しい事件が連日報道されています。

海外の体罰禁止事情

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厳しい体罰は子どもの脳の一部を傷つけて学習意欲を低下させたり、大人になって精神疾患を引き起こしたりする恐れがあるという研究結果があります。暴力だけではなく、暴言などの心理的虐待であっても同様に脳が変形すると言われています。

海外に目を向けると、子どもへの体罰を禁じる法律が整備されつつあります。1980年にスウェーデンで初めて法制化され、2000年には11ヶ国、2010年には31ヶ国、2018年には54ヶ国が体罰ゼロに取り組んでいます。

代表的な国の体罰ゼロへの取り組みや成果を見てみましょう。

(1) スウェーデン

まずは世界に先駆けて体罰禁止を法制化したスウェーデンですが、導入前の1960年代には体罰に肯定的な人が9割を超えていました。親だけではなく教師も「体罰がなくてどのように学校の秩序を保つのか」という意見が大半だったようです。

しかし「小児科医・心理学者・教育者同士が、体罰が子どもに及ぼす悪影響について知識を深めた」「多くの国で子どもに対する新たな認識の普及」という変化が見られ始めたことにより、1958年に学校における体罰が全面禁止となりました。まだ世論としては体罰肯定派が多い時代です。その後1980年の完全禁止への流れとなります。

法制化された後どうなったかというと、1960年代には体罰を用いる人が9割以上だったのが、現在は1割以下となっています。親が17歳以下の子どもを虐待死する数も、1970年の年間15人から2010年には年間4人となりました。

(2) ドイツ 

ドイツでは2000年に法制化されました。「親に強く殴られたことがある」という割合が、1992年の30%から2002年の3%に、「軽い暴力を経験した」という割合は、1992年の58%から2011年の36%に減少しています。

(3) ニュージーランド

ニュージーランドでは2007年に法制化され、「時々子どもをたたいたりすることを容認する」と考える親が1981年には90%、1993年には80%だったのが2008年には58%、2013年には40%と劇的に減少しました。

体罰と若者の暴力の関連性

体罰を禁止する国が増える中、それが良い影響をもたらしているかの議論も絶え間なく続いています。

カナダ・モントリオールにあるマギル大学では、世界88ヶ国で若者の暴力と体罰の関連性を調べました。その結果、家庭・学校での体罰を全面的に禁止する国々ではそのような法律のない国に比べて、18歳未満の若者による暴力が69%も低いことが分かっています。

法制化した国では、世間の考え方も大きく変わっていることが分かります。さらに親から子への体罰以外にも、若者の暴力が減っている傾向にあるようです。

体罰を用いないしつけとは

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法制化前は今の日本と同様に体罰肯定派が多かったにも関わらず、今では子どもを叩いたり暴言を吐いたりする親がほとんどいないスウェーデンでは、どのようにしつけを行っているのでしょうか。その背景についても知っておきましょう。

(1)「子どもは親のもの」という考えを捨てる

そもそも体罰が行われるのには、子どもを自分の所有物とする考え方を持っているということが一因としてあります。スウェーデンや体罰を禁止している多くの国では「何歳であっても一人の人間」という認識を持ち、子どもを子ども扱いせず、ひとりの人間として扱っています。ですので、親以外の人が虐待を発見した時も、通報が可能となっています。

(2) とにかく話して聞かせることが最重要

体罰は即効性があるのでしつけに効果的だと考える人がいますが、大人が子どもに力を加えれば、子どもは言いなりになるしかありません。叩く以外にも怒鳴る、脅すなども圧力を加えているという点で同様です。

スウェーデンのしつけについてのサイトでは、子どもと話し合ったり選択肢を与えたりすることをアイディアとして挙げています。

 

「〇〇したら〇〇させないよ」ではなく、

→「どうして勝手に庭を出たらいけないか分かる?」と考えさせる

→「(道に飛び出す場合)歩道では一人で歩いていいけど道路を渡る時は手をつなごうね」

→「(窓にボールを投げて危ない時)ボールを投げていい場所を教えてあげるよ。物を壊したら悲しくなる人がいるよ」

などと別の選択肢を与える。

 

このように、一方的に禁止しておさえつけることをせず、子どもが納得するように伝えます。子どもが理解するまでには時間がかかるので根気が必要ですが、何が良くて何がいけないのかを自分で判断できるようになります。

(3) 国をあげた啓蒙活動

法制化して終わりではなく、国が徹底した体罰禁止の啓蒙活動を行ったことも国民の意識を変えるきっかけとなったといいます。
「あなたはお子さんを叩かずにうまく育てられますか?」という法務省の冊子を子どものいる全世帯に配布したそうです。牛乳パックなどにもメッセージを印刷するなど徹底的な人権教育を行いました。

 

 

TVでスウェーデンの実情についての取材を見ました。年配の男性が「法制化した時はおかしいと思ったが、今では体罰をしようと思わないし、周囲にしようと思う人もいない。こうなるまでには時間がかかったし、時間が必要だと思う」と話していました。

体罰を用いないしつけは時間がかかりますし、それが浸透するのにも時間がかかると思います。子を持つ親が意識を変えることはもちろんですが、それだけでは体罰防止にはつながりません。

例えば外で子どもが泣いている時に「うるさい」と怒る人がいれば、親は何とか早くおさめたいと思って叩いたり怒鳴ったりするかもしれませんし、そこでのストレスが体罰や虐待につながることも可能性としてはあるからです。

法制化についての賛否はあると思いますが、これをきっかけに体罰や虐待をなくすにはどうしたらいいかを国として考えるきっかけになるといいのではないかと感じました。


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この記事を書いたライター

専業主婦で1児男児の母。35歳で子供を授かり育児奮闘中です。出産の痛みに怯えていましたが、案ずるより産 むが易し。産むのは一瞬でした。しかし産んでからは体力勝負。待ちに待った可愛いわが子であっても思っていたのと違うと悩むことも多いです。子育てのかたわら、タティングレースのアクセサリーを作ってWEBや委託にて販売しています。これからお子さんを持とうという方たちへ、大変ながらも楽しい育児をお伝えすることで少しでも参考になればと思いますのでよろしくお願いいたします。◆ブログhttp://ameblo.jp/bettymoca ◆Facebookhttp://www.facebook.com/carinofilo
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