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2015年06月12日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第三回目。

以前「繭子ってダメンズが好きだよね」と言われたことがありました。私が「いや、ダメンズじゃないよ。お金がないだけで」と反論すると女友達はぐるりと目を回して黙ってしまいました。その時私がおつきあいしていた人は、よく電気と水道を止められていました。映画と小説が大好きな人で、無知な私にたくさん面白い話をしてくれました。

それでも恋がしたいんだ

 

以前「繭子ってダメンズが好きだよね」と言われたことがありました。

私が「いや、ダメンズじゃないよ。お金がないだけで」と反論すると女友達はぐるりと目を回して黙ってしまいました。

 

その時私がおつきあいしていた人は、よく電気と水道を止められていました。

一緒に公園で歯を磨いたのも良い思い出です。

映画と小説が大好きな人で、無知な私にたくさん面白い話をしてくれました。

ただ本当にお金はなかった。

でも私も裕福な生活をしたことなんてないから気にならなかったんですよね。

でもそれは暖かい季節だったから。

桜が芽吹いてきた冬の終わりから一緒にいるようになり、うららかな春、夜風が気持ちの良い夏、紅葉が美しい秋を過ごし、街には再び寒風が吹きすさぶようになっていました。

電気が止められた部屋は暗く寒く、公園の水は凍てつくように冷たい。

彼がしてくれるジャ・ジャンクーの話を聞いても「なんだよ、知らねーよ、ジャッキー・チェン出てねーのかよ」という心の声をぐっと堪える日々。

結局、彼への想いは寒さに勝てず、笹塚の歩道橋の上で「ごめん、寒くて無理だ。別れる」と言ったことを憶えています。

突き落とされなくて良かったにゃあ。

 

その時に、やはり男はある程度のお金があった方が良いと思った私ですが、その数年後につきあったのはこれまた風呂無しアパートに暮らす男。

学習能力のなさを発揮しすぎ。

でもね、決してお金がない人が好きというわけではなく、好きになった人がたまたま貧乏だったってことなんです。

一緒に銭湯に行くのも神田川みたいで楽しかったし、今回こそは一緒に冬を越せる!と思ったのですが、悲しいことにその彼にはフラれてしまいました。

「お前と一緒にいると惨めな気持ちになる」という理由で。

彼からすると貧乏を楽しんでいる私がムカついたらしい。

もう、どうすりゃいいのさ。

しかもこれ、三十路を過ぎてからの話だから手に負えない。

 

うーん、一度ぐらい大金持ちとつきあってみたいけど、私が大金持ちの男だったらこんな37歳ではなく、素直で可愛い20代の女の子がいい。

嗚呼、困った、困った。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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