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西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第二十七回目。

電車の中で若い男女が仲良くおしゃべりしていた。 上目遣いで彼を見上げるきゃりーぱみゅぱみゅみたいな女の子に、ゲスの極みみたいな男の子はぞっこんの様子。羨ましくもあり微笑ましくもあり憎たらしくもあり、私は手にした文庫本そっちのけで二人をガン見していた。まだ付き合ってはなさそうだな。

それでも恋がしたいんだ

電車の中で若い男女が仲良くおしゃべりしていた。

上目遣いで彼を見上げるきゃりーぱみゅぱみゅみたいな女の子に、ゲスの極みみたいな男の子はぞっこんの様子。羨ましくもあり微笑ましくもあり憎たらしくもあり、私は手にした文庫本そっちのけで二人をガン見していた。まだ付き合ってはなさそうだな。

てか、あのチークの入れ方って志村けんの酔っ払いメイクじゃね? 

男の前髪、すんげえ邪魔じゃね? 

しばらくすると男の子が先に電車を降りた。名残惜しそうに彼が見えなくなるまで手を振る彼女。

 

ああ、私も恋がしたい。そう思った瞬間、目の前の彼女の豹変ぶりに驚愕。

膝を内股にちょこんと合わせて座っていた彼女は、彼が見えなくなった途端、四の字固めのような組方で下品に足を組んだ。

その足首をゆすりながらスマホをいじる彼女は、ヤミ金の取立てのようだ。

そんな彼女が、唖然としながら見つめる私にちらりと目を向けた。

「なんだよ、ばばあ、見てんじゃねえよ」彼女の心の声が聞こえた私は、すぐさま文庫本に目を落とす。見てませーん。見てませんよー。ああ、怖い。男の前で、あからさまに態度を変える女ってやっぱりいるんだなあ。

 

では私が誰に対しても態度を変えないのかといえば、恥ずかしながら私も意中の男性の前では日常の自分でなくなってしまいます。

しかしそれが先ほどの彼女のように成功例であれば良いのですが、私の場合『常軌を逸している』状態になってしまうのです。

テンションが異常なまでに上がり、好きな気持ちを抑えるなんて、まるで無理。好きな人といると嬉しくて、奇声を発したくなる時がある。実際にあげたこともある。なので、私は好きな人には、だいたい嫌われます。

 

前回このコラムで書いたNYでのデートの時、「どうしてずっと独身なの?」と訊かれ、「みな私のことをTrickyだと言って去って行った」と答えると、私に猛プッシュをかましていた彼も若干ひいていました。

次に好きな人ができたら今度こそはクールに接しようと思うのですが、恋愛ベタの私の場合、クールをはき違え、ただのイヤな女になりそうな予感。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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