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2018年01月19日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第七十一回目。

西山繭子さんの人気連載コラム「それでも恋がしたいんだ!」。第七十一回目の今回は、西山さんの誕生日についてお話してくださいました。

このコラムが更新される金曜日の翌々日、私は40歳になります。

子どもの頃に想像していた40歳は、優しい旦那さんと可愛い子どもたちと一緒に一軒家で幸せに暮らしている自分でした。しかし実際はどうでしょう。

優しい旦那も可愛い子どももいなければ、小さなマンションで不幸とは言わないまでも地味に暮らしている自分がいます。しかも、先ほど届いた東京電力の請求書に驚愕。やっぱりスチーム加湿器をフル稼働させると電気代が跳ね上がるのね。ああ、風邪をとるか、電気代をとるか。と、こんなみみっちいことを考える40歳になってしまったのであります。

 

こればかりはもう軌道修正のしようがないので、このまま突き進むとして、どうにかしたいのは誕生日当日の過ごし方。今のところ、なーんにもなし。完全無欠のひとりぼっちでございます。

もちろんお誘いはいくつかありました。20、30代の頃からはだいぶ減ったけれど、私のお誕生日をお祝いしたいという変わり者の男性が何人かいるのです。でもみんな何故かお誕生日当日は避けるんですよね。遠慮しているのかもしれないけど、勇気を出して誘ってくれればいいのに!(まあ、断るけど)。ちなみに前回のコラムで書いた『町工場の優柔不断な社長みたいな人』からは「その日は、地元から友だちが遊びに来るから会えない」と言われました。ここで私が落ち込んだかといえば、実はそうでもないのです。

もちろん40歳になる特別な誕生日を好きな人と過ごしたいという気持ちはあるけれど、彼は私が求める『素敵な誕生日』を過ごさせてくれる人ではないとわかっているので、まあ一緒にいない方が精神衛生上良いのかなと。そう、大切なのは『素敵な誕生日』であることなのです。

 

私がこれまでに過ごした一番『素敵な誕生日』は、23歳の時でした。

その日は普段まったく料理をしない彼氏が、私のためにフルコースを作ってくれました。焼きすぎて固くなったお肉も、お米の芯が残りすぎているリゾットも、お世辞にも美味しくはなかったけれど、幸せの味がしました。お腹いっぱいのままソファでごろごろしていると「繭ちゃん、前にカマクラに入りたいって言ってたでしょ。だから今日、頑張って作ったんだよね」と彼がベランダへと続く扉を開けました。数日前に降った雪をかき集めて作ったというそのカマクラは、もちろん私が入れるような大きさではありませんでした。でも、せっかくだから頭だけでも入れてみようと私がカマクラの中を覗き込むと、そこには赤いカルティエの箱がありました...。

自分で書いていて、全てが幻だったのではないかと思うほどの幸福感!もうこれほどの誕生日を過ごすことは不可能な気がします。

 

でも、でも!少しでも『素敵な誕生日』を過ごしたい私は、この原稿を書き終わったらすぐに、事務所の社長に「誕生日は焼肉でよろしくどうぞ」とメールを送ろうと思います。うん、今の私には十分素敵な誕生日になりそうだ。

 

Written by 西山繭子


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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