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2018年10月12日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第九十回目。

西山繭子のそれでも恋がしたいんだ

 

北海道の美深町というところに行って来ました。

これまで北海道には仕事で何度も訪れています。小樽で犯人に殺されたり、函館では逆に犯人を逮捕したり。(どちらも2時間ドラマの撮影です)はたまた2月の極寒の斜里では、木にくくりつけられて死んだりね。(映画『光の雨』の撮影です)とまあ現実同様、作品の中でさえも色恋沙汰とは無縁の私です。

 

それでも素敵なお仕事には巡り会えるもので、今回は草原朗読会というイベントで短編小説を朗読させていただきました。声をかけてくれたのは私の処女作『色鉛筆専門店』の担当編集Hさん。かれこれ10年以上のお付き合いになります。

 

一緒にスペインやクロアチアにも行きました。そのHさんは昨年、宿をやるためにこの美深に移住しました。しかし当日は台風が直撃してしまい、朗読は泣く泣く屋内でやることに。それでも、素敵な音楽と食事のおかげで、素晴らしいイベントとなりました。

 

朗読会は1日だけのことだったのですが、せっかくの北海道なので3泊4日もしてしまいました。しかもHさんのご自宅に。親族でもない人の家に3泊4日もするというのは、ずうずうしいの極みでありますが、しかしこれが、もう最高でありまして!

 

Hさんは彼女のTさんと一緒に暮らしているのですが、さすが宿をやりたいという方たちなので、おもてなしの精神が超一級。お洒落雑誌の編集長だったHさんのセンスにCAだったTさんの気遣いにと、もう鬼に機関銃。このお二人、美深に移る前は宿経営の勉強のために山形の温泉宿で働いていたのですが、私はそこにも遊びに行ったことがあるんですね。

 

夜、私のために用意してくださった美味しいワインとチーズを堪能しながら「山形から今度は美深なんて、HさんとTさんはどこでも生きていけますよね」と私が言うと、彼らは声を揃えて「まあ、二人一緒だからだと思うよ」と微笑みました。

 

ああ、心底羨ましい!この二人を見ているとソウルメイトという言葉が頭に浮かびます。恋人というよりは親友といった雰囲気。でもお互いをきちんと男女として思いやっている様子もあるのです。私の究極の理想形。どこであろうと、どんな仕事であろうと、二人が一緒だったら生きていけるという昭和枯れすすきスタイル。

 

あ、もちろんHさんとTさんの生活に貧しさは微塵もありません。うーん、ここは私も移住してみるか?と「ちなみに、今ここで嫁探しをしてる人っていますか?」と尋ねると朗読会の打ち上げでもお会いしたA氏の名前があがりました。

A氏は東京生まれの東京育ちで、聞けば泣く子も黙る私立の学び舎で16年間を過ごした生粋のおぼっちゃま。そのままエリート街道を突っ走っていたのですが、40歳を前にして何があったのか全てを捨てて移住してきたという男性。ふむ、歳の頃も良さそう。

「私とか、どうですかね?」と訊くと、二人は気まずそうに顔を見合わせてから「Aさん、前に飲み会で『若くてピチピチしてる人いないですかね?』って言ってたんだよね」と教えてくれました。ああ、全てを捨てて環境が変わっても、若い女が好きという男は未来永劫変わることがないのですね。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo

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