「なんで『愛してる』って言ってくれないの?」
「ねぇ、本当に私のこと好きなの?」
……女には男から“愛を言葉”を聞き出したくてつい詰め寄ってしまうことがあるはず。
とかく日本においては、付き合っていながらも“彼から「愛してる」なんて言われたことがない”という悩みを持つ女性は多いもの。
「いやいや、私は『愛してる』って毎回ベッドの上で言われてるもん」
なんて余裕ぶっこいてる女性もいるかもしれないけど、そのシチュエーションでの愛の言葉は信憑性が薄いからね。
ベッドから降りた後ならわかるけど、ベッドの上での「愛してる」はアテにならない。
そのときの興奮やエクスタシーから発してることも多いから、その「愛してる」はあくまで「気持ちいい」の代用……(笑)
今回は真剣に「愛してる」と言ってくれない男の気持ちをレクチャーしよう。
<目次>
愛してるが言えない理由~「ぶっちゃけ『愛してる』という必要性がないから」
・「『愛してる』は簡単に口には出せないよ。そのセリフが気恥ずかしいというテレもあるけど、なんでそれを言わなきゃわからないのかと思う。だってそんな言葉がなくとも愛があるかどうかなんて見てればわかるじゃん?忙しい仕事の合間に彼女と会う時間を作ったり、彼女が好きそうなお店に連れてったり、休日のデートプランや旅行を計画したり……そういう行動自体が男の愛なんだよ」(39歳男性/医療関係)
・「なんで女ってそんなに『愛してる』って言わせたいんだろ?彼女から『ホント愛してるの??』なんて尋問されると男は頑なになるもんだよ。愛の言葉は相手に脅迫されて言うものじゃないよ。もし俺が言うとしたら、ここで言わなきゃヤバイときだね。たとえば浮気がバレて彼女が激怒したときに『本当に愛してるのはお前だけだ!』とか……(笑)外人ならともかく日本の男なんて危機感を覚えたときだけしか言わないのが普通なんじゃないの?」(43歳男性/建築関係)
――「本当に好きなら愛してるって言ってよ!」「減るもんじゃあるまいし!」
……ひとこと言ってくれたら女の気は晴れるのだけど、男からしたら「愛してる」のハードルは相当高いもの。
もともと口にしないことを、彼女からせがまれて「言わされた」形になるのは、男にとっては屈辱的なことらしい(笑)
そもそも、日本の男性が「愛してる」を使いたがらないのはそのセリフに抵抗感を持っており、「愛してる」を使う必要がないと考えているのだ。
ま、男の本物の愛が滲み出るのは「言葉より行動」だからね。
そんな男が思わず「愛してる」と口にしてしまうときは、自分の立場が危うくなりそうなとき。
愛を伝えたくて言ってしまうというよりも、むしろ自分が切羽詰ったときや彼女をつなぎ止めるために使用するのだ(笑)
愛してるが言えない理由~「『この女を一生抱く』っていう決心がついてないから……」
・「ガキじゃないんだから、出会って半年くらいの相手に『愛してる』なんて言えるわけがない。今の彼女とこのまま続いて、たとえば一年記念日だとか、彼女の誕生日だとか、そういうタイミングでならいいけど、今はまだ使いたくない。愛の言葉は『これからもずっと付き合いたい、手放したくない』と思える人に使うものでしょ。」(38歳男性/警備)
・「身体の関係を持つ女性にはとりあえず挨拶として『好きだよ』は言うけど、『愛してるよ』は結婚を考えるくらい本気の相手にしか言えない。『愛してる』なんて“一生この女を抱く”って覚悟でもできてなきゃ、言えるセリフじゃない。すぐ終わるかもしれないような関係の相手には言わないよ」(42歳男性/システムエンジニア)
――男性にとって「愛してる」の言葉が出るのは「この先も一緒にいたい!」と思えたとき。
付き合いが長くなりそうな相手だと確信できたときと言えよう。
「好き」とは言えても「愛してる」を言わない男性は「まだそのタイミングじゃない」と思っているともいえる。
男性自身も分かってる……そう、「好き」と「愛してる」では言葉の重みが違うってこと。
「好き」は、自分と寝てもらいたいときにも使うし、気になる女性にはすべてつかえるからね。男にとって「好き」は自由に誰にでも使える。
でも「愛してる」は「好き」より真剣なもの。
だからこそ、男は「好き」と「愛してる」をあえて使い分けしているんだよね。
女性に対して日頃口にするのは「好き」の方であって、「愛してる」は改まったときや「ここぞ」というシーンで利用するため大事にとっといてある(笑)
「愛している」は、特別な場合、または特別な相手にだけ使う言葉なのだ。
愛してるが言えない理由~「まだ下心しかないから……」
・「相手に求めてばかりなら本当に愛してるとはと言えないと思う。『もっとヤリたい』って男が発情してるときは愛じゃなくてタダの下心。自分の欲望にとらわれてる状態のときに無責任に女性に『愛してる』なんていっちゃうのはロクな男じゃないよ(笑)」(35歳男性/運送関係)
・「自分の異性への好意や感情はまだ性欲からのような気がして子供じみてる。だから“これが本気の愛だ”っていえる自信がないのが正直なところ。『俺、この子と寝たい!』そんな欲求を通り超えて『俺、この子と結婚してみたい!!』『俺、この子を支えてあげたい!!』と思えるのがホントの愛なんじゃないのかな。好き好き言ってるうちは未だ半人前。愛は格上ですからね。いつか『愛してる』って言ってみたいです」(37歳男性/営業職)
――性欲と愛は別物……男性は自分がまだエロ心で動いているうちは愛を口にしてはいけない青二才だと思っているのだ。
面白いもので、自分の生理的欲求や行動には責任がもてなくとも、「愛してる」の言葉の方には責任を持ちたいと思っている(笑)
男からしたら軽々しくエッチはできても、軽々しく「愛してる」は言えないんだよね。
男性の思う愛は自己満ではなく崇高なもの。
自分の利を追求するよりも相手のことを思う気持ちだと感じているのだ。
自分の快楽を考えているうちは「愛してるだなんておこがましい」ってこと。
「愛してる」を使わないのは「自分の相手を思う気持ちに自信がもてないから言えない」ともいえる。
男が「愛してる」を言えるようになるのは「これが愛なんだ!」と自ら悟ったときなのだ。
【「愛してる」は最上級の言葉……だから男はむやみやたらに「愛してる」なんて使わない】
恋愛という土俵では、「好きだよ」なんてことは幕下だって使える手なの。
でも「愛してる」は横綱級!だってソレ以上の愛を指し示す言葉はないんだから……。
「好き」の対象や裾野は広くとも、「愛してる」はてっぺん!!
男がそれを使うのは「これ以上の女はいない」「離したくない」と思えたとき。
だから、ベッドの上で「愛してる?」と聞けば「うん」と返事が返ってくるとか、「愛してるって言って」と強制的に「愛してるよ」と言わせててもその言葉になんの意味もないんだよ。
男の性欲は突発的なものだけど、愛は突発的には生まれないの……。
欲望は勝手に発生するけど、愛が簡単に誕生するなんてことはありえない。
恋するには時間がかからずとも、愛が一人前に育つためには時間がかかるってこと。
恋という芽が出て、それは互いに共有する時間を栄養分にして、次第に成長して“愛という根のはった強い木”に変わるの。
彼に「愛してる」と言わせるよりも、愛という木を二人で育てあげてほしいな。
(恋愛コラムニスト・神崎桃子)