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2019年05月10日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百五回目。

おとなの恋愛に物申す

 

令和こそ幸せな恋をしようと胸に誓う私が、ここ最近足しげく通っている場所があります。それはレンタルピアノスタジオです。とある休日なんてバレエのレッスンを終えてからピアノスタジオに向かうという、まるで小学生女子のようなスケジュール。

 

なぜ今さらピアノの練習をしているのかと申しますと、来週から行くオランダのアムステルダム中央駅に置いてあるピアノを弾きたいから。

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、以前NHK-BSで『空港ピアノ・駅ピアノ』という番組が放送されていました。様々な国の空港や駅にぽつんと置かれたパブリック・ピアノ。それを弾く人々の悲喜こもごもを映したドキュメンタリーなのですが、見るたびに素敵だなあと思い、じゃあ私もアムステルダムでいっちょ挑戦してみるかと久しぶりに鍵盤に向かうことにしました。

 

私は子どもの頃にピアノを習っていたので一応経験者ではありますが、胸をはって「ピアノを弾けます」とは言えないレベル。

 

昨年末行ったワルシャワでもショパンの心臓(聖十字架教会の柱に埋められている)を前に思わず「最後までうまく弾けなくて、どうもすんませんでした」と手を合わせてしまいました。

 

そんな私が今せっせと練習しているのは『パリは燃えているか』という曲。これもNHK-BSをこよなく愛する人にはお馴染みの曲でありましょう。クラクフの街をこの曲を聴きながら歩いた時は、感動のあまり涙が流れました。それだけ素晴らしい曲ですからね、当然なのですが、これがまた難しいんだなあ!つっかえ過ぎてなかなか先に進まない!

 

今、目の前にこれをさらりと弾ける男性が現れたら、間違いなく惚れちゃうわー。そうなんですよね、ピアノを弾ける男性って3割増しで素敵に見えるから危険。

 

私が以前付き合っていた人にもいました。駅から徒歩20分のおんぼろアパートの家賃3万8千円すら滞納して、その上しょっちゅう電気を止められてしまうビンボーな彼でしたが、ピアノがすごく上手かった。

 

一緒に立ち寄った家電量販店の電子ピアノコーナーで、マイケル・ナイマンとかさりげなく奏でちゃって、バカな私はそれだけで「お金がなくても彼となら幸せになれる」と思いました。しかし最終的には電気を止められたアパートの寒さに耐えられないという、意図も簡単な理由でお別れしました。

 

そんな経験があるのに、学習能力がない私は先日もバーで隣り合わせた男性が東京芸大のピアノ科卒だと聞いただけで胸きゅん。わりかし話も盛り上がり、家も近所だということが判明。そして近所の美味しいお店の話になった時のことです。

 

私が「家で作って食べることが多いからあまり知らないんですよね」と家庭的アピールをすると、向こうは「あ、僕もそうですね。嫁が作ってくれるので」と笑顔で言いました。

……。先に言えや。てか、指輪しろや。てか、そもそもバーに来るな。まったく!ピアノができる男には要注意なのでありますよ!と言いながらも、アムステルダム中央駅でもピアノを弾く男性に胸をときめかせている私が、まざまざと目に浮かびます。天国のショパンも「だめだ、こりゃ」と言っていることでしょう。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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