大人女子のためのWebメディア
検索

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百八回目。

おとなの恋愛に物申す

 

先日、2年ぶりにオスカルと再会、そしてパリの街でデートをしました。オスカルって誰やねんと知らない人のために説明しますと、オスカルはマンチェスターの語学学校に通っていた時のクラスメイトで14歳年下のフランス人青年。

 

当時、オスカルは私のことを「美人で優しくて頭が良くて」と女神のように崇めてくれました。「私、あなたよりすんごい年上なのだけど」と言っても「僕の国の大統領になろうとしているマクロンの奥さんは24歳年上だよ?それに比べたらまったく問題じゃない」と。いや、あんた大統領にならないし。と思いつつも、青い瞳のハンサムな青年に言い寄られて嬉しくないはずもなく、帰国してからも連絡はとり続けていました。

 

待ち合わせはバスティーユ広場。まだ明るいパリの青空の下、手を振ってやってくるオスカルが見えました。会う前はすんごい太ってたりハゲてたりしたらどうしようと心配だったのですが、2年ぶりに会ったオスカルは頼りない学生から、素敵な男性に成長しておりました。

 

「すごく素敵になったね」と言うと、彼は恥ずかしそうに鼻をかきました。シャイなところは2年前と変わらないのねとおばちゃんほっこり。マレ地区を散歩して、私たちはカフェに入りました。そこでフランス語でオーダーをするオスカルにうっとり。「フランス語を話しているオスカルって本当にかっこいいわー」「ありがとう。僕、フランス人で良かったよ」「もっと何か話してよー」「ウェイターとそんなに話すことないよ」道路に面したいわゆるパリっぽいカフェで、フランス男とデートをする日が来るとは思ってもいなかったなあ。

 

彼は今、とある連盟でJuristeという法曹の仕事をしています。法律の勉強をしているのは知っていたけれど、2年という月日の間に彼は学生から社会人になり、大好きな家族が暮らすリールを離れ、大嫌いだったパリで一人暮らしを始めました。その間に私は何をやっていたのだろうなあ。同じことを繰り返す日々に嫌気をさしながらも、そこに甘んじている体たらく。

 

カフェで財布を出そうとした私に「大丈夫」と言って、さっと支払いを済ませるオスカルを前に成長していない自分が恥ずかしくなりました。マンチェスターではとことん割り勘だったのにねえ。そのあとはレストランに向かいがてら先日火災のあったノートルダム大聖堂を見に行きました。「早く再建できると良いねえ」と言う私に、著名人からの多額の寄付が新たな社会問題になっていることをオスカルは教えてくれました。会話まで大人じゃないか、アンドレ!じゃなくて、オスカル!

 

彼が予約しておいてくれたのはセーヌ河沿いにある素敵なレストラン。私たちの共通言語はつたない英語なので自分の思っていることがうまく言えずにもどかしいことも多いです。本当は私の得意なおばちゃんギャグでもっともっとオスカルを笑わせたいのになあ。そう言うとオスカルは「僕はマユコといるだけで嬉しいから大丈夫」と。ああああ!なんだ、この幸せは!もう日本に帰りたくない!

 

時刻も22時を回り、夏のパリもようやく暗闇に包まれました。時計をちらりと見たオスカルは少しだけ緊張したように「僕のフラットに来る?」と言いました。そこで躊躇するのが大和撫子なのでありましょうが、おばちゃんは「行ぐ、行ぐ!」と鼻息荒く即答。オスカルもちょっとびっくり。だってパリのフラットとか見てみたいじゃん!というわけで、私たちは腕を組んでオスカルのフラットへと向かったのであります。

 

その続きのめくりめくパリの夜のお話は…、次回の連載で!


【この記事も読まれています】
ブックマーク LINEで送る

Grappsにいいね!して最新の情報を受け取ろう!

この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
アプリでGrappsが
サクサク読める♪

5000本以上の記事が読み放題♪悩める女性のバイブルGrappsを 電車の中でも移動中でも快適にチェックすることができます。