「ひかりの恋愛相談室」では、人気書籍 “ 「大人女子」と「子供おばさん」”の筆者であるコラムニスト・ひかりさんにGrapps読者様のお悩みを答えていただきます。
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ゲイ(同性愛者)の男性を好きになってしまう女性は、少なからずいます。そういった人はこの実らぬ恋とどのように向き合い、行動していったらいいのでしょうか。
Kさん 35歳のお悩み
同じ歳の男友達に恋をしています。数ヶ月前に告白をしたら「実はゲイなんだ」とカミングアウトされました。
とても気が合うので、今も友達として仲良くしていますが、やはりまだ恋愛感情があります。どうしたらいいでしょうか?
Kさんへの回答
「相手がゲイである」ということを難しく考えがちですが、要は「好きな男性がいて、脈はないけど友達でいる」という状況とそんなに変わりません。
今、辛いのであれば、一旦は距離を空けて、気持ちがクールダウンするまでは会わない方がいいでしょう。彼には「今はまだ好きだという気持ちがあるから、その気持ちが落ち着いたら、また連絡するね」と正直に話してもいいと思います。彼だって、分かってくれると思いますよ?
私自身も、一度フラれた相手と友達になった経験があります。「恋は熱病のようなもの」だと言われるように、その恋心はずっと続くものでもなく、他に好きな人ができたりすると気持ちはおさまってくることも多いものなんですよね。
さらに、昔は好きだったとしても、そんな相手と長く友達関係を続けると、「異性として好き」という感情すらなくなってくることも多いもの。私自身、今となっては、その男友達のことを“友達”として好きではありますが、恋心とは違って、相手を所有したい、独占したいなんて欲望はないですしね。
だから、Kさんも今は、「恋の風邪をひいちゃった」くらいに思っていてもいいと思いますよ。おそらくそれは、時間と共に自然と治ります。もちろん変な執着心を持たなければ、ではありますが。
相手の「相手らしさ」を認めるのが愛情
もし「彼はゲイだけど、自分には恋をさせたい」なんて願望を抱く場合は、そもそもKさんが彼のことを本当の意味で愛しているわけではありません。
それは、“自分の都合のいいように変わってくれる彼”を求めているだけなので、そんな“妄想上の理想的な人”は存在しないことは、きちんと理解した方がいいでしょう。
相手の「相手らしさ」をきちんと認めてあげることこそが、本当の愛情です。それができなければ、それは単なる自己愛なのです。
相手がゲイであろうと、片思いの相手であろうと、「彼は自分を恋愛対象としては見てくれない」という事実を受け止め、その上でうまくやっていける関係を築こうと思うことが大切。それこそが本当の意味で、相手を愛することにもつながります。
ゲイの人が周りにいないと、特殊なケースに思いがちですし、「こんな経験をするのは自分だけ」なんて特別感を抱くこともあるかもしれませんが、こういった思いはKさんだけが経験することでもありません。
そもそもゲイの人たちは学生時代に同性のクラスメートを好きになっても、「好き」だと告白すらできなかった経験をしている人も多いもの。多くの人たちが、切ない思いを経験しているんですよね。
だからこそ、そういった人たちは、人の痛みが分かるし、優しいことも多い。Kさんも彼のそういうところに惹かれたのではありませんか?
こういう経験を通して、人は“好きな人が恋人にならなくても、ただただ人として好きでいる愛情”を抱けるように成長していくものなのかもしれませんね。
いつかKさんの恋心がおさまって、その彼と新たな友情を築けるときが来るといいですね。
コラムニスト・ひかり
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