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【女子のばんそうこう】「頑張れば報われる」という地獄。

 

 

混み合う夕方の電車内で目の前に座っている人たちをぼんやり見ながら、私は唐突に大変失礼なことを思ったのである。

 

「頑張らなくてもいいおじさん、ラクちんそうだな…」

 

別にそこにいたおじさんたちが頑張ってないとかそんなことではない。いかにも会社帰りの疲弊した顔を見ると、自分のため家族のために頑張って今日まで生きてきたに違いないと思う。おそらく掛け値なしにおじさんたちは頑張っていて、えらい。

 

じゃあ何に頑張ってないと思ったかというと「己の外見にあれこれ心を砕くこと」についてである。
適当なヘアスタイル、無難な服装、お手入れしていないであろうお肌と眉、ベルトの上に乗るふくらんだお腹、開きたいだけ開いた足。自由である。好きにやっているというより、そこに自分の関心と労力をかけることをやめたラクさがとてもある。もちろん実際はいろんなコンプレックスや陰の努力などあるかもしれない。だけど少なくとも「さほど外見に気を使わずとも、誰かのためにそれを磨くことをしなくとも、おじさんは外野からそのことをとやかく言われない」のだ。

 

それがダメとかではない。そのラクさを見ることで逆に「女だとこうはいかないだろうな…」とつい思ってしまっただけである。

 

最近のニュースや炎上案件などを見ていると、女性の外見はなぜだか半分「社会のため、男性のため」にあると思い込んでる人が多いと感じる。「我々が不快にならないように、鑑賞に耐えうるレベルで外見に気を使い装いなさい」「あなたという存在は男性に求められてナンボなので、努力を怠らぬように。また求められたら喜びなさい」「ただし男性が暴走した場合はあなたが悪いので自分で防御しなさい」。外見の話だけではない。独身の時。結婚したいと思った時。妻になった時。母になった時。おばさんになった時。それぞれのポイントで必ず「こうあるべきでしょ」を強く求められがちだ。頑張れ。努力せよ。でも出しゃばるな。男性の後ろをゆけ。受け流せ。いつも笑顔でいろ。

 

もちろん男性だって世間や社会からの圧力はたくさんあるだろう。でも女性が受ける理不尽さよりはまだ少しマシなような気がする。女があらゆるところで「本質的なところ以外での努力と許容と従順さを求められる」のは、ほんとくだらねーな…と思ってしまう。

 

【女子のばんそうこう】「頑張れば報われる」という地獄。画像

 

男性と比べたいわけじゃない。ただ、「女たちよ、もう頑張るのやめようぜ」と言いたい。
こうしたら男性に愛される。こうしたら嫌われる。もっとこういう服装でこういうことができる女性にならなければ恋人も伴侶もできないかもしれない。ママになったらこうあらねばならない。ママになったのにこんなことをしていたら母親失格である。夫はこう操縦せねばならない。男性から何か言われたりされたりしても、うまく許すことができてこそ大人の女…。

 

そういうのは、全部袋に入れて口をしばって生ゴミの日に出しちまえ。

 

頑張るのは、自分の健康、自分の仕事、好きでやっていること、人生どう楽しく生きるか、大切な人を大切にすること…そのくらいでいい。
「あなたが頑張れば世間はあなたを認めますから」みたいな空気に対して頑張る必要などない。多分それはぜんぜん報われないし、ご褒美も救いの手も出てこないし、何なら「次もよろしく♪」とさらなる重い頑張りを背負わされるだけだ。

 

「恋愛に関してだけは、努力はほぼ報われない」と何度か書いているけど、自分以外の知らない誰かが描く理想社会、そいつらが巧妙にやんわりとプロバガンダしてくる「いい女、いい妻、いい母になるための努力」も同じく報われないのだ。その先にパラダイスは待ってない。「私があれだけ頑張ったのに誰も感謝してくれない」「私は頑張っているのにあの人はラクしていてずるい」という絶望や妬み嫉みだけはよく育つかもしれない。そしてそれは新しい時代を生きる後進たちの頭を押さえつける重石にしかならない。

 

頑張るな。社会のためには決して頑張るな。自分のため、好きなことのためだけに頑張れ。

 

 

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この記事を書いたライター

広告会社コピーライターからなぜかダンサーに転身、その後IT企業でライター&クリエイティブディレクターとして勤務。共同購入「ギャザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。2000年から「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを書き続け、ごく一部でコアな人気を博す。現在はフリーでライティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。Blog: 「フーテンひぐらし」 Twitter: @HironoYuna
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