“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。
<目次>
〜「ゆとりさん 37歳」のお悩み〜
片思いをして5年目に突入しました。ずっと大好きで、相手もそのことは知っています。
片思い1年目に一度告白をしており、その時は「付き合えないし、ゆとりちゃんとは絶対ない」とふられています。
ですが、今は友達以上恋人未満の関係で、会えばずっとハグをして会話をするし、手を繋いでデートもするし、チューもしてくれます。彼はモテるので、きっと他に女の人がいるだろうなと思っていますが、本人に聞くと「こんなことするのはゆとりちゃんだけだよ」と、こちらが勘違いしてしまうようなことを言います。
そして、日帰りで行けるのに泊まりでテーマパークに行くことになりました。ずっと大好きな人なので泊まりを提案されたのは嬉しいのですが、果たして行っていいものなのか悩んでいます。
ただエッチしたいだけで泊まりたいのか、付き合う気があっての泊まりなのか。本人に聞くに聞けずに困っています。
思わせぶりなのか本心なのかよく分からないですが、「ちょっと好きになったよ」とか、「好きだけどloveじゃない」とか言われます。
彼の気持ちが分からないので1泊旅行に行っていいのか悩んでいます。どうしたいのか自分でもよく分からなくなってきました。
〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜
諸事情により、相談メールをいただいて回答が掲載になるまで、1ヵ月以上あいだが空くのが常なので、ゆとりさんはすでに彼と旅行に行ったのかもしれないし、行かなかったのかもしれないですね。
ゆとりさんが実際にやったことと、この回答文を、いわば答え合わせのように読んでいただけたらと思います。
あいまいな関係がもたらす不自由さについて
彼もゆとりさんも、言動があいまいですね。
あいまいな性格が、わたしたちにもたらす現実的な不自由さとは、前に進めない不自由さです。前どころか、後ろにも、横にも、斜めにも、どこにも行けない不自由さです。
彼とゆとりさんは、あいまいな関係のまま5年経つわけでしょう?
具体的には、ゆとりさんは32歳から37歳という、人生においてわりとおいしい時期を、あいまいな関係のまま彼と過ごしたということですよね?
誰のことを好きになろうと、また、好きになった人とどのような関係を築こうと、その人の自由だけれど、人生のおいしい時期に、しかも5年も、あいまいな関係のままどこにも行けないというのは、非常にもったいないと思います。
いいか悪いかという話ではありません
もちろん、世の中には5年どころか、10年以上片思いしている人だっています。
10年以上片思いしているうちに、相手が「不倫関係ならいいよ」などと言って、相手と不倫関係になって、気がついたら50歳を過ぎていた、なんて女性もいます。
これはいいか悪いかの話ではありません。
人生はその人のものなのだから、自分がこうしたいと思うようにやるしかないのだから(あるいは、こうしたいもなにも、そうとしか生きられないものだから)、いいも悪いもないとぼくは思っています。
いいか悪いかではなく、自分がそう生きていて楽しいかどうか、というのが問われるのだろうと思うのです。
今という時間が絶えず流れ去るように
5年以上片思いしている、ということは、ゆとりさんは5年前と今とで、大きく変化していないはずです。
ふつうは、5年もあれば、人はかなり成長します。成長?変化? どっちでもいいけれど、とにかく5年前と今とで、自分が置かれている状況はもとより、自分自身が変化し、「5年前のわたしって、ホント子どもみたいに幼い考え方をしていた!」なんて笑って言える――これが、いわゆるふつうの「5年間」ではないでしょうか。
今という時間が絶えず流れ去るように、わたしたちも絶えず変化しています。その変化に気づかず(あるいは、あえて変化を無視して)生きると、どこかにしわ寄せがきます。
これは、なぜかとしか言いようがないのだけれど、変化する「今」という時に、あるていど敏感になっておかないと、なぜかあとになってしっぺ返しがくるんですね。ホント不思議なことに!
旅行に行くべき?
さて、彼と旅行に行くべきか、行かざるべきか? というご相談の件ですが、行くか行かないかを決める前に、ぼくなら、彼とのあいまいな関係をこれからも続けるのか、断ち切るのかをまず考えると思います。
あいまいな関係を続けるのって、心身ともにしんどいじゃないですか?
そのしんどさが好きなら話は別だけど、しんどいことを続けるなかで、自分の心身をもっといたわってあげられるような環境に移りたいとぼくなら考えるからです。
彼の本心は?
相談文には彼の本心に関するご質問もありますが、この際、彼の本心などどうでもいいのではないかと思います。
女性にあいまいな態度をとる男の正体は、たとえばナルシストであることもあります。
ナルシストは、そのときどきで、自分にとって都合のいい意見を、自分の本心として採用します。
つまり、自分のことがかわいいあまり、自分に嘘をついて、自分が現実的な利益を得られる方を、自分の本心としてしまうのです。そして、そのようなことをする自分に、彼はまったく意識的ではないのです。
なので、女性に対してあいまいな態度をとる男は、死ぬまであいまいな男で、死ぬ間際においてすら、自分のあいまいな人生を反省しないのです、というか、自分の人生があいまいなものだという認識がないのです。
彼のことが好きな気持ちはわかりますが、ゆとりさんはもう37歳なのだから、わたしはこう生きたい、わたしはこう生きる、ということについて、もっと真剣に考えてみてはいかがでしょうか?
その考えが精密になってきた頃、彼のことをどうするのか、明確な答えが自然と出てくると思います。
お互い頑張って歳を重ねていきましょう!
(ひとみしょう/作家)
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