大人女子のためのWebメディア
検索
2019年11月14日更新

【女子のばんそうこう】男と女の「大丈夫?」問題。

 

 

「うちの奥さんが体調崩した時に限って喧嘩になるんだよな…」
会社に勤めていた頃、同僚のD君がランチの席でそうぼやいた。
「俺は最大限気を使ってるつもりなのにすごく怒られるからイヤになる。熱出して機嫌悪くなってるのかなあ」と彼は言う。私はふと思いついて聞いてみた。

 

「D君さ、そういう時、奥さんにまず『大丈夫?』って言ってる?」
「え?言ってないよ」
「…それだわ。間違いない」
「え!え?マジ?そこなの!??」

 

心身の調子が悪いと告げた時に相手の口から出る「大丈夫?」という言葉。これほど男女の感覚の差があるワードはないんじゃないだろうか。
友人同士のLINEなどでも、誰かがつらいしんどいと告げた時、女性は息を吸って吐くレベルで自然に「大丈夫?」が出てくる。それはおそらく身内に対しても大して変わらない。一方、「男性からは出てこない」とまでは言わない。それを自然に発する男性だってたくさんいる。ただ「『大丈夫?』という言葉をまったく言わない男」というのは結構いるのだ。特に身内に対しては。冒頭のD君なんかもそれだ。そして女は、そのことにとてもモヤッとする。

 

たかがひとことくらいどーでもいいと思う人もいるかもしれない。確かに「大丈夫?」という言葉が水戸黄門の印籠みたいに唯一無二のアイテムなわけではない。ただ、彼女や妻という立場で「わたし具合が悪くて」と言った時、パートナーが「大丈夫?」と心配するそぶりを見せなかった時の絶望感は結構なものだ。「大丈夫?」はつまり、その背後にある「君が心配だよ」の気持ちの発露なのである。だから第一声が「あ、そうなんだ」「じゃあ今日会わない方がいいね」「じゃ俺は外で食ってくるね」「俺も死ぬほど疲れてるよ」じゃ、ガーーン…となってしまうのですよ。この人、私のこと心配じゃないの!?と。

 

【女子のばんそうこう】男と女の「大丈夫?」問題。画像

 

実はうちの夫もその「大丈夫言わない族」の筆頭だった。そのことについて散々話したので理由はよく分かっている。別にパートナーの体調に関心がないわけじゃない。彼らは自分に置き換えた挙げ句それを言わないのだ。つまり「自分ならほっといて欲しいから」だ。

 

体調が悪い時や気持ちが落ち込んでいる時、俺は誰かにあれこれ構われたくない。できればそっとしておいて欲しい。黙って自分で何とかするし、自分でしか何とかできないから。だから誰かがそうなっても、ほっといてやるのが一番いいかなと思ってた。
…だそうで。つまりむしろ気をつかっているんだってさ彼らは!

 

私はそれを聞いた時、「はーー出た!まだまだ頑健な年齢の男子特有の感情ーー!自分ひとりで何とかするマン!!」と意地悪いことを思ってしまった、すいません。もちろん「ほっといて欲しい」という感情は全然悪いことじゃないし、誰かにすぐ依存するよりもいいとは思うけど、どこかの本にも書いてあったよ、「あなたが誰にも頼らなければ、誰もあなたを頼れないんだよ」と。「自分で何とかするよ」は「君も自分で何とかしろ」とすごくつながりやすいので、パートナーシップを結んでいる相手からするととてつもない断絶に見えてしまうし、この先が不安になるんである。

 

「だから『大丈夫?』とか言わないし、第一、具合悪い時点で大丈夫じゃないわけでしょ。言ったって何の意味もないじゃん」と言う夫(当時は彼氏)に向かって私は言った。「まず、私に関して言うと具合悪い時は決してほっといて欲しくないです。それと、言葉に正しい意味があるかどうかじゃないんだよ。あなたが心配ですって気持ちが伝わる意義があるんだよ」。夫は困った顔で「うーん…言いたいことは分かるけど、言ってこなかったから簡単に出てこないよ。正直に言うと少し『自分で何とかしろよ』って思っちゃってたし」
それもあるんかよ…。ここでこの人は冷酷なんじゃないか、またはアホなんじゃないか、と思ってぶった切ることも可能だったんだけど、私に関してはこういう解決策を提示してみた。「分かりました。では最初は機械的でいいので『大丈夫?』を第一声にしてみて下さい。何の心もこもってなくても、『テメーで何とかしろよ』と内心思っててもいいから、挨拶だと思って言ってみて」「わかった、やってみる」

 

それから約10年。言葉には言霊があるとはよく言ったもんで、「大丈夫?」にすっかり慣れた夫はそこに心を入れることも覚えた。同じ方式のやりとりで、会社帰りに店に立ち寄った際は「何か買ってくるものある?」と連絡してくることも覚えた。自分の中にこれまでなかった感情と言葉がこの先もないとは限らないので、我が家のようなやり方もアリだとは思う。

 

「大丈夫?」を言わないのは冷たいからじゃない。男性の場合、気づかいが逆効果になってる場合がほとんどだし、それが相手の心を癒やす方法だと知らない場合もある。さらにうちの夫の本音のように「自分で何とかしようぜ」派の場合もある。いずれにしても、話さなきゃ分からない。すぐに「この人は冷酷人間に違いない!」と切ってしまうのは少しもったいない。「大丈夫?」問題にモヤモヤしてる女子は、一度ぜひ彼に切り込んでみて下さい。

 

 

「女子のばんそうこう」にお便りください!

コラムに対するご感想、ご意見、共感、お悩み、相談、私の恋愛事情、男について女について、こんどうあゆみへのメッセージ…どんなことでもOKですのでお気軽にどうぞ!
(おたよりは掲載する場合もありますのでペンネームを添えて下さいね)

 


【この記事も読まれています】
ブックマーク LINEで送る

この記事を書いたライター

広告会社コピーライターからなぜかダンサーに転身、その後IT企業でライター&クリエイティブディレクターとして勤務。共同購入「ギャザリング」やブランド買い取り「ブランディア」の名づけ親。2000年から「広野ゆうな」のペンネームでメルマガやブログを書き続け、ごく一部でコアな人気を博す。現在はフリーでライティング、ネーミング、コピー、コラム、振付など手がける。Blog: 「フーテンひぐらし」 Twitter: @HironoYuna
アプリでGrappsが
サクサク読める♪

5000本以上の記事が読み放題♪悩める女性のバイブルGrappsを 電車の中でも移動中でも快適にチェックすることができます。