“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。
<目次>
〜「まむさん 22歳」のお悩み〜
職場の部署が違うAくんのことが好きです。
まったく関わりがない時からAくんがあなたのこと可愛いって言ってたと他の社員さんに言われたり、Aくんが頻繁に目で追いかけられたり声をかけてきたり、思い当たる節が多くて、最初はAくんが私のことを好きなことは確信していました。
それから何回か遊びに行ったり、デートっぽいことをしたのですが、わたしがグイグイ積極的に行き過ぎたせいで向こうが引いてるという話を聞き、LINEも止まってしまったのでショックを受けています。
久々の楽しくてイイ恋愛で嬉しくて、ついついグイグイ行き過ぎたのですが、熱が冷めたら男の人の熱は戻らないものですか?
LINEも今は放置してるけど、また連絡していいものなのか悩んでます。
〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜
一般的には、1度熱が冷めても男の恋心は元に戻ります。
時間が薬となって、冷めた熱をふたたび燃やしてくれるから、というのが、その理由です。
また、彼もまむさんも、人はみんな常に変化している生き物だから、というのも理由です。
20代前半の恋心
おそらく20代前半の多くの人が、一度彼にドン引きされたら、そこで恋は終わってしまうと恐れていると思います。
恋しているときって、自他の言動にすごく敏感になっているし、それゆえ、自他のささいな言動が原因で「次」がなくなってしまったと落ち込むのだろうと思います。
その落ち込みに、20代前半に特有の繊細さや怖がる気持ちなどが加わると、もう、あらゆることに絶望を感じたり、反対に「箸が転がってもおかしい」気持ちになったり……なにかと気持ちがジェットコースターのように上下するのだろうと想像します。自分の20代前半の頃を思い返してみても、そうだったと思います。
20代後半以降の恋心
これが、20代も後半になれば、ちょっとやそっとのことに動じなくなるんですね。
たとえば、彼とデートして、彼にドン引きされても、「ま、次に会ったときに説明すればいいや」と思えてくるのです。あるいは「2週間くらい時間を置くと、彼はわたしの失敗を忘れてくれるだろうから、また2週間後くらいに彼を飲みに誘うといいや」と思えてくるのです。
これはきっと、20代後半になると、人に対するベーシックな信頼感を自然と身に着けるからだろうと思います。
あるいは「忘れる」ということに対する信頼値や期待値が上がるのだろうと思います。
たとえば、何回かのデートにおける失敗を忘れてあげることがマナーだと、20代後半になれば思えてきます。
あるいは、失敗した側からいえば、何回かのデートにおける失敗を、相手はきっと忘れてくれるだろうと思えるようになってきます。
タイトルとこの文章の冒頭には「男の人」と、男に限定した書き方をしましたが、忘れることに対する信頼値は、男女問わず、年齢とともに上昇すると見るのが一般的だろうと思います。
なぜなら、ふつうは、歳を重ねるごとに他者にやさしくなるからです。なぜなら、自分だって、歳を重ねるのに比例して、たくさん失敗をしてきたからです。
22歳のまむさんに今できること
なので、彼とのLINEを放置しないで、ときどき、彼を飲みに誘ってみてはどうでしょうか?同じ会社の違う部署の彼なのだから、あれこれ仕事的な理由をつけて飲みに誘いやすいでしょ?
もっとホンネを言えば、デートにおける彼女の言動を理由に、「この子とは付き合えないな」と即断する男というのは、やさしくないのではないかとぼくは思います。
女子の失敗を忘れてあげて、なにもなかったようにクールにふるまうというのが、いい男のやることなんじゃないのかなと思うのです。
なので、まむさんが彼に「飲みに行かない?」とLINEしたとき、彼がどのような返事を送ってくるのかによって、彼のやさしさをはかるというのは、とても大切なことだと思います。
もっともっとホンネを言えば・・・
もっともっとホンネを言えば、たった何回かのデートにおける言動を見て、彼が付き合ってくれないということであれば、そもそも彼とまむさんは縁がなかったということです。
まむさんには、もっとかっこよくて仕事のできる男がほかにいると、神様が言っているということです。
1度や2度や3度の失敗くらい許してあげて、何事もなかったかのように仲良くする――こういう大きな気持ちを持つ人が少ない現代だからこそ、「忘れてあげる」とか「許してあげる」という切り口でお返事を書きました。
お互い頑張っていきましょう!
(ひとみしょう/作家)
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