バレエの発表会が終わり、3週間が経ちました。燃え尽き症候群というわけでありませんが、発表会以来一度もスタジオに足を運んでいません。やりたくなったらまたやろう。そんなところです。
しかしながら運動をまったくしないという選択肢はありません。女優たるもの体型を保つのは当然のこと。これまでもスポーツジム、ホットヨガ、ダンススタジオ、バレエと様々なものをやってきました。スポーツジムに関して言えば、これまでにエグザス、ティップネス、セントラル、ルネッサンスと主要なジムはおおかた制覇してきました。
しかし、ここ数年の一大勢力であるゴールドジムには足を踏み入れたことがありません。最近では普通の人も多いようですが、いまだにゴリゴリマッチョな本気系が卑猥な声をあげながらマシンをがっしゃんがっしゃんやっているイメージがあります。マシン嫌いな私には縁がないなと思っていたのですが、バレエの発表会に向けてダイエットをしていた時、よく相談をしていたのは、まさにゴリゴリマッチョな友人Sくんでした。Sくんは「代謝をあげなきゃいけないから筋肉と食事は大切です」と、高カロリーな仕出し弁当を食べる私の前で鶏むね肉とブロッコリーを食べていました。もちろん彼はゴールドジムの会員であります。
Sくんの話を聞いているうちに、ちょっと筋トレに興味がわいてきた私、さっそく一緒にお試しトレーニングをすることになりました。Sくんは体育大出身25歳の好青年。眼鏡の下のつぶらな瞳と温厚な性格に相反するその身体はマッチョというレベルではなく、ボディビルダーに近いです。以前「なんでそんなに鍛えたいの?」と尋ねたところ「鍛えるというよりもトレーニングが上手くなりたいんです」と言っていて、その時は意味がわからなかったのですが、実際にSくんとトレーニングをしてみると「ああ、こういうことか」と少し納得。鍛えたい箇所の筋肉がきちんと呼応している感じは何とも気持ちが良いものです。
しかしそこは筋トレ、楽勝でやれるレベルでは意味がありません。もし一人でやっていたら、楽をしてしまいそうですが、今回はSくんが全て調整をしてくれます。「じゃあ、この重さで8回やりましょう」「OK」ところが、私が「ふんがー」と8回目をやったところで、Sくんは「はい、あと2回」と穏やかな笑顔で言うのです。
Sくん、ドS!しかしドMの私が「ひいいいい」と言いながら増えた2回を頑張ろうとすると、Sくんはそっとマシンをサポートしてくれるのです。なんだ、このプレイ!これはね、相手が相手だったら恋に落ちてしまいますよ。トレーニングの最中も「ここの筋肉が」などとSくんに身体を触れられると、恋愛感情がなくてもオキシトシンが分泌されます。ふと周りを見渡すとカップルでトレーニングをしている人がちらほらと見受けられました。
彼女をそっとサポートする彼氏たちの姿に、そうか、こういう手があるのかと頷きました。筋トレ、悪くないぜ。しかしトレーニング終了後「すごく楽しかった!また定期的にやろうね!」と言った私ではありますが、2日後に押し寄せた激しい筋肉痛に、もう2回目はないかもしれないと思っています。