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2020年08月28日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百三十九回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

私が所属している事務所フラームにフリーアナウンサーの田中みな実さんが入りました。私はフラームにかれこれ20年以上お世話になっていて(死ぬまで居座る予定)、ずっと一緒にいる社長をはじめとしたスタッフは、もう家族のような存在であります。その中でこれまでフラームに感じていたのは野球でいうところの『生え抜き、育成を大切にする球団』だったのですが、今回の移籍は4番打者を次々に補強するひと昔前の読売ジャイアンツを彷彿とさせました。デビューして23年、酸いも甘いも知ったつもりでいましたが、芸能界はやはり一筋縄ではいかない。魑魅魍魎。だからこそ足を洗うことができません。42歳にして初めての枕営業の可能性も視野に入れつつ、これからも頑張っていきたい所存であります。

 

実は田中さん、学年はまったくかぶっていませんが中学高校の後輩でありまして、担任の先生は一緒だったようです。なのでお会いしたら一緒に校歌を歌いたいなと思っています。そして今回のこの件で何よりも驚いたのは、たくさんの人からメールがきたことです。私が本を出そうが、ドラマに出演しようが一切スルーだった友人知人が「田中みな実が入ったんだね」とわざわざ連絡をよこしてきたのです。もちろん全員男。わかりやすいなあ。直接的には言ってこなくても「あわよくば紹介して欲しい」という本音がぷんぷん匂ってきます。

 

この「紹介して」という言葉を私はこれまで口にしたことがありません。それは自信のなさの表れでありましょう。だって「紹介して」の言葉には「私はその人と釣り合うぐらいの人間ですよ」という意味が含まれていると感じるからです。今回、私に連絡してきた友人たちは皆それなりの地位があって、そこそこにお金を稼いでる人たち。やはり男の自信をつくるのはこれらなのでしょうね。彼らのように自信となるものを何一つ持っていない私は、おこがましくて誰かを紹介して欲しいなんて言えません。

 

しかしこの紹介制、最近ではめっきり声がかからなくなりました。40歳になってからまさに目に見えて。確かにこの歳で男女の紹介となると、棺桶が見えてくるというか、同じ墓に入るか否かが現実的となり、気軽さ皆無です。紹介する方もされる方もみんなが真剣白刃取りみたいな。そんな中、つい最近、知人の有閑マダムが独り身の私を心配して「繭子さんにぜひ紹介したい良い人がいるんだけど」と声をかけてくださいました。

 

誰もが知っていることですが、この『良い人』というのがすこぶる厄介。この時も「どんな方ですか?」という私の質問に対しての答えは「バツイチですごく良い人なの。会社を経営してるから、お金もあって、すごく良い人なの。歳は58歳なんだけど若く見えるし、良い人よ」でした。どんだけ良い人なんだよ!そしてマダムは「ただね」と言いづらそうに声をひそめました。良い人だけど前科者?良い人だけどギャンブル依存症?良い人だけど女装癖がある?

 

様々な想像をめぐらせドキドキしていましたが、マダムいわく「ちょっと背が低い」とのこと。「どれくらいですか?私、自分より低くても気にならないですけどねー」「本当?でも160㎝もないわよ。155㎝ぐらい。これからもっと縮むと思うわ」「さぶちゃんじゃないですよね?」「うん。さぶちゃんじゃないわ」せっかくのお話でしたが、丁重にお断りしました。昔はIT社長だのスポーツ選手だのを紹介されていたけど、42歳になった今じゃもうそんな感じなんだなあ。まさに絶望の夏。新しい恋はまだまだ見つかりそうにありません。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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