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2020年10月09日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百四十二回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

先日、駅のホームで電車を待っていたところ1人の男性と目を合いました。その瞬間に「ロックオン」されたことを感知する私。この「ロックオン」とは、一目惚れと言うには大袈裟だけど、まあこちらに興味を抱いたなということです。声をかけてくる人というのは、まずはこの「ロックオン」から始まります。その日は東京バレエ団の『ドンキホーテ』を鑑賞した帰り道で、せっかくの素晴らしい気分を台無しにされたくないなと思い、私はその男性から顔を背けました。

 

しかしロックオンモードに入った彼は、すすっと私の横にくると、こう話しかけてきました。「ねえ、社会人何年目?」え???社会人何年目???あまりの斬新な切り出し方に混乱する私。えーっと、大学に行ってはいたけれど、CMでデビューしてこの世界で働き始めたのは19歳だから…23年目?ながっ!社会人生活ながっ!これをそのまま彼に伝えたら、びっくりするだろうなあ。何と答えて良いのかわからずに狼狽えていると、彼は言葉を続けました。「俺さ、コンサルやってんだよね。今度メシ行かない?」

 

このコンサルという言葉を耳にした瞬間、ニュース番組で音声を変えて話している自分の姿が頭によぎりました。「絶対に儲かるって言われたんですよ。それで500万円投資しちゃったんです。はい、そうです。エビの養殖です」横文字の職業をいまだ信用できない昭和な私。コンサルタント、アナリスト、アドバイザー、ディベロッパー。全てが胡散臭く思えてしまう。横文字で信頼できる職業といったらプロレスラーぐらいのものでしょうか。こつこつ貯めたお金を、こんな男に奪われるわけにはいかん!私は冷ややかな笑顔で「結構です」とお断りしました。

 

そうよね。42歳の私がナンパなんてされないわよね。いつの頃からか、男性から声をかけられることが、ナンパではなく金銭目的の詐欺だと思うようになってしまいました。まあ、これぐらいの警戒心を持っていた方が来たる老後に向けて安心なのかもしれません。でもね、仮にこれが純粋なナンパだったとしても名前を名乗る前に、職業をひけらかす男なんて絶対にイヤだし、マスクをしているとはいえ、おばさんに声をかけてしまう洞察力の無さもコンサルとしては致命的だし、そもそも土曜日の夕方に秋葉原駅で総武線を待っているって何のコンサルよ!?なのです。

 

ナンパという出逢いが選択肢からなくなった今、恋の道はますます険しくなるばかり。しかし食欲の秋、スポーツの秋、恋愛の秋であります。なんだか『やる気、元気、いわき』のようですね。そこで、ふと最近の井脇ノブ子さんはどうされているのだろうと調べたところ、なかなか大変なご様子。国会議員だった人間さえも老後の貧困に苦しむこの日本。己のためにも、ますます街での声がけには要注意であります。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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