今はビング・クロスビーが歌う『ホワイト・クリスマス』を聴きながらこの原稿を書いています。12月に入ってからというもの、我が家はアメリカのショッピングモールかと思うほど、延々とクリスマス・ソングが流れています。そして玄関の脇には、先日買った小さなクリスマスツリーまで飾ってあるのです。一人暮らしを始めて8年目に突入しましたが、ツリーを買ったのは初めてのこと。自分でもわかりませんが、なぜか今年はクリスマスを満喫したい気分なのです。
他にはどんなことをしているのかといえば、お気に入りのパン屋さんでシュトーレンを予約しました。これはドイツ発祥のクリスマス菓子で、12月25日を待ちながら少しずつスライスして食べるもの。日持ちするように作られているので、経過とともに味の違いも楽しめるらしい。一気食いしないように気をつけなくてはいけません。12月に入ってすぐに受け取り可能とのことでしたが、さらに気分を高めるために東京バレエ団の『くるみ割り人形』を観た夜に取りに伺うことにしました。12月になると世界中で上演されるのがこの『くるみ割り人形』です。クリスマス気分を盛り上げてくれる演目ですが、2年前にポーランドのワルシャワ大劇場で観た時は幕の合間にシャンパンを飲み過ぎて終盤はトイレのことで頭がいっぱいだったので今回は気をつけようと思います。
そして、クリスマスの前の週にはチャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』を英語で読むという授業に参加予定です。私が学んでいるフランス語の学校では様々な授業が行われており、これ以外にも、レンブラントのクリスマス絵画について英語でディベートするとか、新約、旧約聖書をフランス語で読むとか、クリスマスを感じながら学べる講座が盛りだくさん。私は英語で小説を読むのがべらぼうに苦手なので、授業に出ることでその苦手が少しでも克服できたらなと思います。講師紹介の写真で見たティム・バートンのような風貌の先生と会えるのも楽しみです。
そしてそして、クリスマスといえば何と言ってもプレゼント!改めて見るとカルティエのトリニティ・リングって素敵だな、TASAKIのコメットシリーズも可愛いな、シャネルのマトラッセはさすがに高すぎるかな、うーん、チャーチのブーツ、エルメスのコリエドシアン、ショーメのジョゼフィーヌ。うーん。全部欲しい!買っちゃうか!?なんて言いつつ、スクルージばりに倹約家の私がそんなことを出来るはずもなく、きっと今年もプレゼントとは縁遠いクリスマス。
まあ、それでもこれだけ色々とイベントがあるので、いつもよりは楽しいクリスマスにはなりそうです。え?全部一人ぼっちじゃないかって?ええ、そうですとも。だって今年はコロナ禍ですからね。感染予防対策を考えてのクリスマスです。完璧すぎるほどに孤立無援なクリスマス。皆さんも、3密を避けて素敵なクリスマスをお過ごしください!