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2021年01月29日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百五十回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

「43歳 独身」と検索すると当然のごとくパソコン画面には悲哀を感じるトピックが並びます。西山繭子、先日とうとう43歳になりました。「おいくつですか?」「43歳です」「へえー」確かに43というのは中途半端で何ともコメントしづらい年齢です。これが「44歳です」となれば「おっ!バースだね!」となりますし「49歳です」とあれば「お前が打たなきゃ明日は雨、クロマティ!」と会話も自然と盛り上がります。

 

何か特別なことはないだろうかと偉人たちの43歳を調べてみましたが『イチロー、日米通算4257本目で史上最多安打』『宮崎駿、「風の谷のナウシカ」公開』と、どうにも才能が違いすぎて参考になりません。ましてや『ナポレオン、ロシア遠征で敗戦』なんて、渋谷区に暮らす独身女子が何を比べたら良いのでしょう。これはやはり私自身の記念すべき43歳を作れという神の思し召しかもしれません。

 

よし、やったろうやないかい。そんな決意を新たにした誕生日の朝、姉からお祝いの電話をもらいました。いつも通りの長電話の最中に姉が「そうそう。この前、ママと話しててびっくりしたんだけどさ」と思い出したように言いました。「ママがね、ぽつりと『もしかしたら、繭ちゃん、もう結婚しないかもね』って言ったのよ。私、びっくりしちゃってさ」ふむふむ。確かに母がそんな弱気なことを言うなんて驚くわよね。そう答えようとしましたが、姉は言葉を続けます。「私、びっくりして『ママ、まだ繭ちゃんが結婚できると思ってたの⁉』って思わず訊いちゃったよね。いやー、びっくりしたわ。これも親バカってやつだよね。まあ『あんなワガママな人が誰かと暮らせるはずないじゃん』って言ったら『やっぱり?それもそうね』って納得してたけどさ。あははは。あれ?繭ちゃん?もしもーし!」

 

私はあまりの衝撃に言葉を失いました。まさか自分の一番身近な人たちが、こんなことを思っていたなんて。「繭ちゃん、どんな人と結婚するんだろうね?」「きっと素敵な人だろうなあ」「結婚式はハワイかな?」「ああ、繭ちゃんの結婚、本当に楽しみだねえ」という会話が二人の間で交わされているのだとばかり思っていたので、本当にショックでした。ロシア遠征で敗戦するよりショックでした。

 

しかし、その二人の言葉通りに力尽きてしまっては43歳を機に失脚をしたナポレオンの二の舞であります。西山繭子は己の43歳の道を切り開くのです。余の辞書に不可能の文字はない。つまり43歳でも恋をすることができるのです。そして、結婚だって夢じゃない。そしてそして何よりも、最終的にナポレオンと比べることができたあたり、本当に不可能ってないなと思います。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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