大人女子のためのWebメディア
検索
  • Grapps
  • 大人の恋愛
  • 西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百五十一回目。

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百五十一回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

私が子どもの頃、バレンタインは女性が好きな男性にチョコレートを渡して想いを伝える日でした。それから30年以上が経ち、今ではバレンタインはチョコレートの祭典と化しています。どこの百貨店の催事場でも一ヵ月近くチョコレートのイベントが催され、その種類の豊富さと熱量はちょっと常軌を逸しているようにさえ感じます。昔は高級チョコといえばゴディバ一択でしたが、今ではそれを上回る高価なものが山のように溢れています。ミッシェル・ブランで1万円を越えるボックスを見かけた時はさすがに驚きました。ダイヤモンドでも入っているのだろうか。催事場は9割9分9厘女性なのですが、もはや男性にあげるために買っている人などいないのでは?ほとんどの人が自分のためのご褒美。

 

かく言う私も、ご褒美などもらえる身分にありませんが、いくつもの催事場を行脚しました。伊勢丹、三越、小田急、大丸。そして何と今年はバレンタイン催事で売り上げ日本一とされるJR名古屋タカシマヤまで。たまたま仕事で名古屋にいたということもあるのですが、大のチョコ好きの私、これは行かねばと当日整理券をゲットして行ってきました。メイン会場以外にサテライト会場まである『アムール・デュ・ショコラ』は他のイベントとは桁違いでした。どこもかしこもチョコ、チョコ、チョコ。地球上のカカオが全て名古屋に集まったのではと心配になるほどです。カタログを手にうろうろきょろきょろ。あれも美味しそう。これも美味しそう。もう男の人にあげるなんて考えは一切ありません。

 

昨年は一応、あげられたら良いなとチョコを準備しておいたのですが本人を目の前にしたら怖気づいて渡すことができませんでした。いや、怖気づいてというかそれどころではなかった。渡そうと思っていたのは父を診てくれていた先生なのですが、その時は父が病院を脱走しようと試みたり暴言を吐いたりと、とてもじゃないけどチョコを渡せる雰囲気ではありませんでした。でもそのおかげで、もう日本では販売終了となってしまったレダラッハのチョコを最後に食べることができました。今回は、そのレダラッハに代わるチョコをと思っての催事場行脚でもあったのですが、いかんせん種類が多すぎる。試すには値段も高すぎる。なんやかんやで結局何も買わずじまいなのでした。

 

ああ、手作りチョコに挑戦していた時代が懐かしいなあ。歯が欠けるほど硬いトリュフ、巨大しいたけのようなガトーショコラ、呪われそうな文字のメッセージチョコ。あげた男の子たちは皆、私のもとから去って行きました。もちろんチョコだけが原因じゃないけれど、そう考えるとバレンタインに良い思い出って皆無かも。いやはや、このままでは悔いが残ってしまう。ということで、43歳にしてまた一つ人生の新たな目標が増えました。それは素敵なバレンタインを過ごすこと。よーし、一年後に向けて今から手作りチョコレートの練習だ!私が作ったブラウニーを見て「これ、う〇こ?」と言ったあいつにリベンジだ!


【この記事も読まれています】
ブックマーク LINEで送る

この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
  • Grapps
  • 大人の恋愛
  • 西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百五十一回目。
アプリでGrappsが
サクサク読める♪

5000本以上の記事が読み放題♪悩める女性のバイブルGrappsを 電車の中でも移動中でも快適にチェックすることができます。