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2020年12月21日更新

何を言っても怒る男性はなにを考えている?【ひとみしょうのお悩み解決】

ひとみしょうのお悩み解決

“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお便りの中から、お悩みをひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えします。

「あやさん44歳」のお悩み

はじめまして。いつも楽しみに拝見しております。
ところで会社の上司に気になる人がおります。もしかしたら彼も私を気にしてくれていたかもしれません(主観ではあります)。

しかし、彼は仕事上の提案をすべて「自分を否定している」ととらえて聞く耳を持ちません。こちらとしては「そんな考えもあるのか」程度に聞いてもらえればという思いからのものでさえ激怒し、言い被さるようにして揚げ足を取られてしまいます。
私の言い方が悪いのもありますが、同僚が彼に提案した際も「お前は内部の人間なのに外部の肩を持つのか!(外注時の価格が相場よりかなり低いので、もう少し上げた方がクオリティーも上がるのではという内容でした)」と真っ向から否定。それから会社ではほぼ誰も彼に提言する人がいなくなりました。

私には「自分を否定しないでほしい。素直にすべて受け入れてほしかった。もう頼むことはないもない」と言われてしまいました。
彼に、提言を攻撃と取られてしまったのは、私の言い方が悪いのが一番の理由でしょうか。
であるならば、どのような点に特に注意して言えばよかったのでしょうか。
また、どうして他者からの意見を「攻撃」ととってしまうのでしょうか。

私自身は他者からの指摘に凹むこともありますが、おかげで成長できると感謝の気持ちの方が多く感じます(よね?)。
彼は孤立無援状態で不憫にも見え、できれば力になれたらとの思いもありましたが、所詮無理だったのでしょうか。
ひとみ先生にご教示いただけますと幸甚です。何卒宜しくお願い致します。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

あやさんの提言が彼に悪くとられてしまったのは、あやさんの言い方が悪いからではありません。

彼は自分に絶望しているため、誰がどのような言い方で提言しようと怒ります。提言しなくても怒ります。なぜなら彼は「世間は自分のことを正当に評価してくれていない」と思っている(=怒っている)からです。

彼の診断結果はこれです 

彼のような人の内面を、キルケゴールという哲学者は「怒りの絶望」とか「反抗の絶望」などと名付けました。

彼は心の中で「本当は自分はこう生きたい。こういうふうに世間から評価されたい」という思いを持っています。しかし(彼に限らずたいていの)人は、「こう生きたい」と思ったことの何割も「そう」生きれませんね。本当は東大を卒業してマッキンゼーに入ってコンサルタントとして海外で活躍したいと思っても、たいていの人はその夢を叶えることができません(で、そんな夢を抱きもしなかった人が偶然そのポジションを得ます)。

当然「世間からこう評価されたい」という思いは泡と化します。

ようするに彼は「なりたい自分・こうありたい自分」になれていないのです。その「なれなさ」に怒っているのです。

その怒りがあやさんに向けられることもあれば、あやさん以外の人に向けられることもありますが、とにかく彼は「怒りたくて怒っている」のです。

なぜなら、彼は怒らないと自分の正当性を自他に証明できないからです。

 

「おれは現状に甘んじる男ではない。本当はもっとこうしたいんだ。あんなこともしたいんだ。その結果、もっと立派な成果をあげる立派な男になるんだ。そして世間から称賛を浴びるんだ」このような彼の思いを「正当なもの」として自他に主張しようと思えば、怒るしかないのです。なぜなら、繰り返しになりますが、彼はこうしようと思ってもそうできないし、ああしたいと思ってもそれもできないからです。その必然の結果として、現状に甘んじる男に成り下がるしかないからです。

人は「思いつきで浮かんだ自分」にはなれない 

彼の最大の問題は「自分の思い通りの自分であろうとしていること」にあります。

キルケゴールの言葉を借りて言うなら「思いつきで浮かんだ自分」とか「神の意思に反している自分」になろうとしている――これが彼の最大の問題点なのです。

人は誰でも使命を持っています。たとえば、どこかの会社で秘書的な役割をするのが心地いいと感じる人であれば、その人は誰かの補佐をするという使命を持ってこの世に生まれてきたといえます。

あるいは、仕事を辞めて親の介護をする中で、「介護って大変だけど、親とこうして一緒に過ごせる時間ってホントに貴重だ、ありがたい」と思う人というのは、じつは社会に出てバリバリ働いてお金を得るというより、親の介護をするという使命を持たされているのです。

そのように、人生の流れの中で自然のうちに、わたしたちは使命(と思えること)に出合い、その使命にもとづいて人生を決定していきます。

はやい人は10歳くらいですでに使命に生きていますね。たとえばピアニストやバイオリニストなどはそうですね(10歳では遅いくらいだとも言えますね)。

世界に通用するピカイチの才能を持つ人以外でも、たとえば大学進学前に将来就きたい仕事をすでに決めている人もいますね。

もちろん、誰だって挫折する可能性を持っています。なので、18歳で決めた仕事に30歳で挫折して、そこから大きく進路変更をして40歳でやっと天職と思える仕事に出合ったという人もいますね。

そんなふうに、たいていの人は、紆余曲折あれど、どうにか天職に出合います。天職と思えないにしても「わたしの人生はまあこんな感じかな」と、しっくりくるところに収まります。

がしかし、彼はまだしっくりきていません。だから怒るのです。

以上が、彼が他者からの意見を「攻撃」ととってしまう理由です。

彼の力になれる?なれない? 

最後に、「彼は孤立無援状態で不憫にも見え、できれば力になれたらとの思いもありましたが、所詮無理だったのでしょうか」という質問にお答えします。

大きく見ると、無理です、というのが答えです。

なぜなら、先に述べたとおり、彼はあやさんに対して怒っているようで、じつは「自分の中にいるもうひとりの自分」に対して怒っているからです。

ただし、局所的に見ると、あやさんは彼の力になれます。

あやさんが彼と付き合って、エッチして、彼の「すべて」を受け入れてあげられたら、彼の大きな力になれます。

彼が切実に必要としているのは、自分の「すべて」を受け入れてくれる人だからです。

もちろん彼はまず、自分の中の神様と対話する必要があります。自分が持って生まれた使命を知る(天職を知る・しっくりくる生き様を知る)というのは、自分の中にいる神様との対話を通してこそです。

でもそれとは独立に、彼はこの世において自分の「すべて」を受け入れてくれる人を必要としています。

すべてというのは「本当はこうありたいと思っている自分」も「こうありたいと思ってもそう生きられず、つい怒ってしまう自分」も含みすべてです。

とくに「こうありたいと思ってもそう生きられず、つい怒ってしまう自分」を受け入れてくれる人を、彼はとても欲しがっています。

自分に絶望して怒りっぽくなっている人は怒りたいから怒っているわけですが、でも同時に「つい怒ってしまうダメな自分」を、誰かにそっとたしなめてもらいたいとも思っているのです。

そしてその「誰か」とは、女神という名の彼女なのです。

彼のことを愛してあげてください。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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この記事を書いたライター

〜文筆家〜webに恋愛コラムを6000記事以上(ギネス級!)寄稿したweb恋愛コラムの第一人者。獲得PVもたぶんギネス級。コラムの受賞歴多数(小学館『Menjoy!』編集部より)。著書数冊(すべて電子書籍)。哲学者キルケゴールの「不安」や「寂しさ」を20〜30代女性に向けて極限までわかりやすくかみ砕いた「恋愛と人生」の指南書、『自分を愛する方法』を2020年8月中旬発売 FB Twitter
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