頻繁にセックスしたいと思う人や、セックスしていないと淋しくてやってられない人は、自分はセックス依存症ではないか?と、内心怯えているかもしれませんね。
セックス依存症の相談を受け付けている心療内科があるそうですが、ここでは「まだ病院に駆け込むほどではないけど、なぜか頻繁にエロいことについて考えてしまう人たち」について、一緒に見ていきたいと思います。
よく言われているセックス依存症のこと
wikipedia情報でなんですが、セックスに過度に依存する人とは、不安をたくさん抱えている人だとされています。その不安の原因として、子どもから成人への成長過程において肉親からの愛情を得られなかったということが挙げられています。
また、私欲のために他人を利用する人の被害にあって、その結果、人間不信に陥った、ということも挙げられています。
それらの科学的理由は、セックス中に脳から出る快楽物質が不安を一時的に和らげてくれる(がしかし、セックスが終わるとその物質の放出も終わるので、また不安になって、またセックスしたいと思う)ということのようです。
自分に絶望しているからセックスに依存する
科学的には、おそらく先にご紹介したwikipedia情報のとおりだろうと思います。
そのことをもっと「人間寄りに」考え抜いた人がいます。キルケゴールという哲学者です。
彼は不安について徹底的に考え抜いた結果、『不安の概念』や『死に至る病』などを著しました。それらは、哲学界に君臨する世界の名著とされています。
キルケゴールは、「セックス依存症の人は自分に絶望している」と説きます。実際に本にそう書いてあるのではなく、複数の文献をつき合わせて解釈したらそう解釈できる、ということです。
自分の人生に絶望したら、人はなんとなく淋しい気分になります。親が亡くなって哀しいとか、そういった理由が明確な淋しさではなく、自分の人生に自分で絶望しているという「漠然とした捉えどころのないこと」に起因する淋しさだから「なんとなく淋しい」のです。
そのなんとなく淋しい気持ちを、キルケゴールは絶望と名付けました。
以下に、なぜ人は絶望するのかについて見ていきつつ、絶望を希望に変えるにはどうすればいいのか(=どうすればセックス依存症を卒業できるのか)について、一緒に見ていきましょう。
人はなぜ絶望するのか?
たとえば、「理想の自分=なりたい自分」になれないだけで、人はいとも簡単に自分の人生に絶望します。
わかりやすい例を挙げるなら、プロのピアニストになりたい人がなれずに、町の小さなピアノ教室の先生になった、というだけで絶望します。町のピアノの先生だって立派な職業ですが、本人は「本当のわたしはこんなんじゃない!」という怒りの気持ちでいっぱいです。それが「自分に絶望している」状態です。
あるいは、彼氏に振られた女子。彼女は「彼氏が自分のもとにいないこと」に絶望しているように見えますが、じつは「彼氏によって得られたであろう明るい<自分の>未来をもう手にすることができない」そのできなさに絶望しています。つまり、なりたい自分になれなくなった自分の人生に絶望しているのです。
このようなことから、人は「なりたい自分になれないこと」が理由で、「絶望する=なんとなく淋しい気持ちになる=セックスに頼ってしまう」と言えるでしょう。
セックス依存症を卒業する方法
では、どうすればセックス依存症から卒業できるのでしょうか。
先に見たとおり、「セックス依存症=自分に絶望している」ということですから、絶望をその胸から取り去ると、いとも簡単にセックスに依存しない人格が手に入ります。
そのためにどうするのか?
さまざまな方法があります。その一例を挙げると、座禅を組むというもの。極端すぎて鼻で笑いましたか?
座禅って「今・ここ」の幸せを「身体で(頭で、ではなく身体で)」感じることを目的としていたりしますが、それができれば、ようするに「宇宙と一体になれる」ので、セックスに頼らない人生が手に入ります。
が、おそらくこれを読んでくださっている方は座禅という方法を採らないと思うので、別のことを言います。
自分は変わることができる。生まれ変わって「なりたい自分」になることができる――こう「信じる」ことです。
まずは信じることです
セックス依存症の人って、過去に生きているので、究極的には「わたしは変われない。成長しない。だからイヤな自分のまま残りの人生を生きるしかない」と思っています。
ちがうんですよ。人はいとも簡単に変われるんです。なりたい自分になれるんです。何回でも生まれ変わることができるんです。
まずはそのことを「信じる」ことです。
今の時代は情報が溢れているので、みなさん文字情報を読んで「わたしは変われないかも」などと不安に思っていると思います。
でも、人は変わります。とても簡単に。
そのことを、まずは信じることです。
さらに詳しいことを知りたい方は、キルケゴール著『死に至る病』をお読みください。それでは難しすぎる場合は、その本をどこまでもかみ砕いて書いた拙著『自分を愛する方法』を。
(ひとみしょう/作家・コラムニスト)
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