男性が風俗に通うのは、男がエロいから、という理由からだけではありません。「女」なら誰でもいいと思っているからでもありません。
今回は、男性が風俗に通う理由について、一緒に見ていきたいと思います。
男性が風俗に通う理由
男性が風俗に通う理由は、なんとなく淋しいからです。
たとえば、「本当はもっと名のとおった会社に勤めて、バリバリ仕事をしたい」と思っている男性が、社名を聞いても誰も知らない会社の、日の当たらない部署で働いているとします。
彼は「自分に」絶望しています。おれの人生ってこの程度でしかないのか……と。
自分に絶望する気持ちは、(絶望したことがある人はわかると思いますが)、本人もなかなか言葉にできない気持ちです。「なんか」淋しいとか、「なんか」むしゃくしゃするとかなど、「なんか」としか言えないんですね。
具体例をもうひとつ。
今度は、自分が理想とする会社に勤めて、理想どおりの部署で働いている男性を例に挙げましょう。彼は「おれはもっとできる」と思っています。
しかし、現実はそううまくはいかないですね。「おれ」がやりたいことを邪魔するヤツもいれば、きわめて非倫理的な仕事を上司に言いつけられることもありますね。
そしたら彼は「自分に」絶望します。おれはもっとできるはずなのにうまくいかない。でも、だからといって、この現実から逃げるわけにはいかない。というか、逃げたくない。中学時代から勉強をがんばって、やっとの思いで就職できた「いい」会社だから。
かくして、彼は自分に絶望します。言い方を換えると、なんとなく淋しい気持ちになります。
風俗嬢と付き合いたい?
古くは、森鴎外や谷崎潤一郎、永井荷風など、「文士」たちは、風俗嬢を主人公にいくつも小説を書いていますが、これはなにも「女好き」の「色狂い」ではないんですね。
自分が抱えている「なんとなく淋しい気持ち」と、風俗嬢のそれとが、わりと一致するんです。彼らは「風俗嬢に自分を見ている」のです。だから風俗嬢に情が移るのです。だから小説の主人公たりえるのです。主人公に愛情を注がないと小説は書けないので。
ちなみに、風俗嬢に「ハマる」という言い方がありますが、それは、端的に、「風俗嬢がもつ淋しさと、自分の淋しさがぴったり一致した」という「錯覚」を強く抱いた、ということです。
だから、風俗嬢とのことをどんなに好きになっても、付き合えないのです。なんとなく淋しい気持ちがふたつ重なっても、それは「交際」にはなりえないから。
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