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2021年05月21日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百五十八回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

私はいまだに紙の辞典を使っています。あの薄いページをめくる感覚が好きというものありますし、ページをめくることで目的の言葉以外に新たな発見があるからです。ごはんを食べる、歯を磨く、藁人形に釘を打つ。これらをしない日がないのと同様に、辞典をひかない日もありません。無知な私にとって世の中はまだまだ知らないことだらけです。家には15種類ほどの辞典があります。外国語はもちろんのこと、日本語オノマトペ辞典や、花言葉辞典などなど。そしてそこに、このたび新たな辞典が加わりました。その名も『ほめツボ辞典』。

 

よく『男は褒めて伸ばす』という言葉を耳にします。正直、どうしてそんなことしなきゃいけないんだ。褒められなくても伸びろよ。というのが本音でありますが、いままでそれを怠ってきての今日がある。というわけで、褒める技術を習得しようと本屋で手にとりました。この辞典はあらゆる状況や対人関係に対応した褒め言葉が具体的に書かれています。「いつもフットワークが軽いですね」「何をやってもお上手ですね」「やっぱり経験が違いますね」もう完全に植木等さんの世界です。これらをすらすらと言える人がいたら、私はその人を白い目で見てしまうことでしょう。

 

しかしこの考えが、大きな問題なのです。『褒める=媚びる』の思考こそが一番の問題点。辞典にも「照れずにほめれば道は開ける」という文句がありました。確かにこの辞典を読んでみても、知らない言葉はありません。つまり、これらを面と向かって言えない、というか言う気がない自分の性格が問題だということ。そもそも私自身が褒められることを素直に喜べないのもいけないところでありましょう。

 

例えば彼氏に「おいしい」と料理を褒められても、最初は嬉しいのですが、繰り返し何度も言われると「私のことバカにしてんの?」とキレてしまいます。その彼氏に「繭ちゃんほど褒め甲斐のない人間も珍しい」と言われたのはかれこれ20年も前のこと。そしてその姿勢は今も変わらずなのです。「綺麗ですね」「知ってます」「スタイルいいですね」「努力してますから」「仕事が早いですね」「早く帰りたいだけです」ああ!たった一言、笑顔で「ありがとう」と言えば良いだけなのに、どれだけこじらせているんだ私は!

 

はるか昔、褒められ上手は褒め上手、と孔子も申しましたように(絶対に申してない)、まずは自分が褒められることから慣れてみよう。ということで、早速仲良しの男ともだちに「ちょっと、私のこと褒めてもらえる?」とメールをしました。するとしばらく経ってから「根はいい奴だと思う」という返事が返ってきました。「は?根は、ってどういうこと?」即座に噛みつく私。男を褒めて伸ばすには、まだまだ時間がかかりそうです。


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この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
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