恋をするどころか、このコロナ禍で大好きな家族にもなかなか会えず、愛に飢えている私ですが、先日、愛に溢れ愛に満ち満ちて愛に包まれる時間を過ごしました。それは玉置浩二さんのコンサートです。
ずっと行きたいなと思っていましたが、チケットは毎度ソールドアウトの争奪戦。今回、運良く先行販売で手に入れることができました。コンサートに行くのは実に2年ぶり。朝からわくわくが止まりません。ここ最近大切にしていることの1つに『休日こそ綺麗でいよう』というのがあります。精一杯おしゃれをしていこうと思い、選んだのは背中が開いたロングワンピース。
これはNYのセレクトショップで店員のお兄ちゃんに「オーマイガッ!こんなに似合う人、見たことないわ!」とおだてられて購入したもの。袖を通すのは随分と久しぶり。
これを着て白金台のイタリアンでデートをしたのはいつのことだっただろうか。またそんな日が訪れますように。会場はオーチャードホール。この渋谷Bunkamuraも2023年には建て替えが行われるそうです。ここは私の中にある文化の形成に大きな影響を与えてくれた場所。それがなくなるのは何とも寂しいものですね。こうして人は歳をとることを実感するのだなあ。
そもそも玉置浩二さんを初めて知ったのは、私が小学生の時でした。その頃の芸能界は今よりずっとずっと遠くて華やかな世界。男の人なのにお化粧をしている玉置さんは幼い私にとっては間違いなく異色の人でした。いつか自分も恋をしたらこの気持ちがわかるのかなと『恋の予感』にうっとりし、何だかHなことを歌っているのかなと『じれったい』にドキドキしていたことを憶えています。満席の会場は、開演前から熱気に包まれていました。
オーケストラの指揮は柳澤寿男さん。コソボでの活動に感動し、一度公演に足を運んだことがあります。柳澤さんの活動も愛がなくてはできないこと。そしてこの日の朝、玉置さんは新聞に一面広告を出していました。それは玉置さんの音楽への愛をひしひしと感じる言葉でした。
コンサートではその愛が、オーケストラの奏でる音色にのって会場を包み込みます。もう1曲目から涙がとまりませんでした。魂を揺さぶられるとはこのこと。玉置さんの歌には愛が溢れすぎていて、己の孤独が際立って苦しくなるほど。死ぬまでにもう一度だけ誰かを愛したり、誰かに愛されたりしたい。隣の席の若者たちが「やべえ」「まじやべえ」「超やべえ」とバラエティに富んだ感想を述べ合っている横で、おばさんは涙を流しながらそんなことを考えていました。
玉置さんとは以前『東京バンドワゴン』というドラマで共演しているのですが、初めてお会いした時に「ノリコ役の西山です」と挨拶をすると「お!青田と同じ名前だね」とニコニコと言っていました。こちらとしては、どうリアクションをしたら良いか困りましたが、その時の玉置さんの笑顔もやっぱり愛に溢れていました。撮影の待ち時間には「みんな退屈してるから、ちょっと歌っちゃおうかな」と言って、ギターを片手に惜しげなくヒット曲を歌ってくれました。ああ、愛ある男の大きさたるや!みなさんも機会があったらぜひ玉置さんのコンサートに行ってみて下さい。そこには愛がたくさん溢れています。
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