恋愛がうまくいかないと嘆いている人の多くが、じつは彼にすがるように恋しています。あるいは、恋愛というものにすがるように恋をしています。だからうまくいかないのです。
今回はこのことについて、一緒に見ていきたいと思います。
「すがる」と「頼りにする」
彼にすがっているのか、彼のことを頼りにしているのか。この違いを明確に示すことのできる人はほぼいないでしょう。「すがる」と「頼りにする」って、その線引きがとてもあいまいですから。
たとえば、年上の彼と一緒だと経済的にも精神的にも安定感があるので、だから付き合っているという女性は、彼にすがっているのでしょうか?それとも彼のことを頼りにしているのでしょうか?という問題。
答えるのがむずかしいですよね。せいぜい、すがってもいるし、頼りにもしている。けど、すがっている要素の方が強いかな?くらいの答えしか生まれてこないのではないでしょうか。
「すがる」とは
キルケゴールという哲学者は、「すがる」を「別の人間になりたいと思う気持ちのこと」と言います。
たとえば、彼にすがるように恋している人とは、彼によって(彼と一緒にいることによって)、「この」自分ではない「別の」自分になりたいと思っている、ということです。
ひとりでいたら、なにかがたえず不安で、ちょっと暗めの自分になってしまって、ネガティブなことばかり考えてしまう。そういう「この」自分を、彼と恋愛することによって変えたい。将来を悲観することなく今を今として元気に明るく生きる自分になりたい。彼と一緒ならきっとそういう自分に生まれ変われそう……。こう思いつつ彼と付き合うことをキルケゴール的に言えば、彼にすがるように恋する、となります。
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