「この近くに暗闇トランポリンができたんですよ」とあるランチ時、アクリル板の向こうにいる同僚のS子が言いました。暗闇トランポリン。聞き慣れない言葉だわね。
その時、私の脳内に浮かんだのは遊園地などにある怪獣の形などをした巨大なエアートランポリン。小さな入り口から入ると、そこはもう夢の世界です。みんなが縦横無尽に飛び回ります。
しかしそこが真っ暗ということ?「え、すごい危ないじゃん」「一人用のトランポリンなんで大丈夫だと思いますよ」一人一人にエアートランポリンがあるなんて随分広い敷地なのね。でもそれって楽しいのかしら。一人で怪獣の中に入るんでしょ?しかも暗闇。もうエアートランポリンから逃れられない私にS子は「こんな感じです」と写真を見せてくれました。あらやだ、全然違った。ホームページを読んでみると今なら1000円で体験ができるということで、S子と2人行ってみることにしました。
予約をしたのは仕事が終わってから行ける21時からのレッスン。本来ならば、私は寝ている時間です。昨日なんて19時半に寝ましたからね。そんな遅い時間にトランポリンを飛んでいる大人というのはどんな人種なのだろうとまわりを見渡しましたが、わりかし年齢層が高い印象でした。みんなピョンピョンしたいのだなあ。だって楽しそうだもんね。
「こんばんは!本日、レッスンを担当しますKAORI(仮名)です!」元気で美しいKAORI先生は何度も「けっこうしんどいんで、無理しないでくださいね」と言いました。体験できるクラスは初心者向けだったので、それでもそんなにしんどいのかとビビってしまいましたが、たぶん先生は用紙に記された私の年齢を加味して言ってくれたのでしょう。
そしていざスタジオへ。トランポリンに乗るのは何年ぶりでしょう。大学生の時、体育の授業で「仲本工事!」とはしゃいで飛び跳ねて先生に怒られたのはかれこれ四半世紀前。それぞれが各々のトランポリンにスタンバイし、ホームページにある『暗闇×音楽×照明』のハイテンションな45分間の始まりです。
イメージではPitbullやLMFAOだったのですが意外にも1曲目はCardigans『Lovefool』ああ、懐かしい。私とS子は最前列のアリーナトランポリンでKAORI先生を見ながら真剣な顔でピョンピョン。うん、なかなか楽しい。続いての曲はCORONAの『The Rhythm of the Night』またしても懐かしい。年齢層が高めだからこの選曲なのだろうか。これでBon Joviの『 Livin’ On A Prayer』なんてかかったら即座に入会してしまう。スタジオはさらに暗闇度を増し、KAORI先生の指示もオールモストがイングリッシュにチェンジです。
そしてエクササイズも少しずつ難易度をあげ、この後も休むことなくピョンピョンし続けて、久しぶりに大量の汗をかきました。ちなみに最後のクールダウンの曲はBerlin『Take My Breath Away 』でした。最後まで懐かしい。
しかし今回、私もS子も入会は見送りました。理由としては、私の場合はエクササイズが物足りなかったことと通いづらさなのですが、S子は「私、大きな音って苦手なんですよね」と言っていました。スタジオ側からしたら「お願いだから、コンセプト読んでから来て」です。とんかつ屋に行って「揚げ物苦手なんです」と言うレベルです。とはいえ、久しぶりに楽しい経験ができ良い時間になりました。お近くにスタジオがあれば、皆さんもぜひ挑戦してみてください。
(西山繭子)
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