大人女子のためのWebメディア
検索
  • Grapps
  • 大人の恋愛
  • 西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百八十四回目。
2022年05月20日更新

西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百八十四回目。

それでも恋がしたいんだ!/西山繭子

 

先日、20代男子と半日ずっと一緒に仕事をするという機会がありました。AくんもBくんも共に新卒の22歳。2人合わせてちょうど私の年齢というぴったんこカンカンなバランスです。当日はかなりのハードワークが予想されていたので、朝から気分はどん底でしたが、まだ仕事に慣れていない2人に「今日はちょっと大変だけど、頑張ろうね!3人だからドリカムだね!」と明るく声をかけました。

 

すると「ドリカムって2人じゃないんですか?」とAくん。え?何言ってんの?たいした大学を出ていないと本人が言っていたけれど、そんなことも知らないなんて。しかし隣でBくんも同じくきょとんとしています。慌てて調べたところ、なんとニーヒャこと西川隆宏が脱退したのはもう20年も前のことでした。ああ、私の青春時代。『決戦は金曜日』『うれしはずかし朝帰り』『さよならを待ってる』…。ブレーキランプが5回点滅したら、それはあおり運転ではなく、アイシテルのサインなのです。

 

「うわー、まじかー」と一気にテンションがた落ちの私。これはまずいと思ったのか、若者2人は「西山さん!じゃあ、いきものがかり!いきものがかりにしましょう!」と必死でフォローします。「えー、いきものがかりー?ちょっと違うんだよなー。まあでも、2人がそう言うなら、いいよ。100歩譲っていきものがかりでいいよ」「うっす!ありがとうございます!」彼らの方がよっぽど大人でありました。

 

そんな良好なチームワークで仕事を始めたのですが、あまりのハードワークに、ボーカルの体力は早々に限界を迎え、夕方には瀕死。もう歌えないボーカルを、若者2人が演奏だけで必死につないでくれるという状態でした。そんな彼らのおかげで仕事は無事に終了。ああ、感謝。

 

ここはひとつ焼肉でもごちそうしようかなと思い、近くにある焼肉屋を検索しました。年齢は倍だし、一応女優だし、激安焼肉屋に連れて行くのもなあ。でも3人分か。しかも彼らはガタイのいい22歳。どんだけ食べるのだろうか。3万円。いや、もっといくな。頭のなかで電卓をはじきます。ああ、欲しいワンピースがあるんだよなあ。でも今日は本当に助けてもらったしなあ。でも来月は舞台もバレエも観に行くんだよなあ。でもここは一つ年上としての振る舞いを見せるべきだよなあ。でも玉ねぎもめちゃくちゃ高くなってるしなあ。

 

しばらく脳内でセコい私と太っ腹な私が競り合った結果、みなさんの予想通り、私は「今日はありがとう!おつかれさまでした!」と帰宅の道を選んだのでありました。彼らだって、仕事が終わってまで母親と同年代のおばはんと焼肉になんて行きたくはないでしょう、という私の気遣いでもあります。まあ、本当にできる大人は「これで何か食べて帰りなさい」とお金を渡してさくっと帰るのでしょうけどね。

 

しかし若者との付き合い方が非常に難しいと感じる今日この頃。昼休憩の際に「お休みちゃんと取れてる?」と尋ねるとBくんは「この前、久々に丸1日休みだったんで、お台場に行ってきました」と嬉しそうに答えました。お台場なんて撮影以外で絶対に行かない私としては、心から驚きました。お休みの日に、わざわざあんな無機質な人工島に行って何をするというのか。咄嗟にデートという言葉が頭に浮かびましたが、ここで「デート?」なんて訊いてはいけません。パワハラになってしまいますからね。いやはや、本当に難しい。ちなみにいきものかがりも今現在は2人のようですね。しかし2人になったのは昨年の夏ということで、それはもう私からしたら昨日のことなので、いきものがかりは3人ということで良いんじゃないかと思います。

 

(西山繭子)

【この記事も読まれています】

ブックマーク LINEで送る

この記事を書いたライター

日本の女優、作家。東京都出身。 大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。 テレビドラマを始め、女優として活動。 最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。 著書に 『バンクーバーの朝日』 『色鉛筆専門店』 『しょーとほーぷ』 『ワクちん』 などがある。 オフィシャルサイト→FLaMme official websiteオフィシャルブログ→ameblo
  • Grapps
  • 大人の恋愛
  • 西山繭子の「それでも恋がしたいんだ!」第百八十四回目。